目次
1.看護師でシングルマザーで経済的に生活できるか?子供との時間を作れるか?
看護師は90%以上が女性である職種ゆえに、中には結婚生活がうまくいかずにシングルマザーの道を選ぶ人もいます。シングルマザー看護師が働きながら子育てをしていくことは予想以上に大変で、難しさを感じている人もいるはずです。しかしシングルマザー看護師でも、支援制度や各種手当などを上手に使ったり働き方を再考することで子育てと仕事の両立ができます。ここではシングルマザー看護師がひとり親の経済的な不安を解消して、忙しさの中でも子育てと仕事を楽しめるようになるためのポイントなどをご紹介します。
厚生労働省による平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果によると国内の母子家庭は123.2万世帯に及び、母子家庭の平均年収は片親で稼ぐ金額で約200万円です。一方で看護師の平均年収はどれくらいかというとこちらの記事で紹介した通り、約480万円近い年収があるのです。つまり、看護師の年収は、一般的なシングルマザーの年収よりもはるかに多いことになります。もちろん看護師の年収が高いのは素晴らしいことですが、一般的な平均よりも高年収とも言える看護師には「所得制限」の壁があるのも忘れてはいけません。シングルマザーを対象にした手当のほとんどが「所得制限」を設けていて、あまり所得が高いとシングルマザーへの手当が支給されない場合があるのです。ですが、シングルマザーの看護師は、手当はもらいにくい部分はあっても給料自体が高いということなので「看護師でシングルマザーで生活していけるか?」という点に関してはもちろん一般平均よりは生活はしやすいはずです。
2.看護師でシングルマザーだと何が大変?
また、24時間利用できる託児所に子どもを預ける場合、意外な落とし穴があります。看護師の業務は勤務時間内に終わらないことが多く、残業が発生します。極端な話になりますが、「いくら残業をしても預かってくれる」場所が病院の近くにあるのです。そのため、病院の託児所に子どもを預けられる分、残業を負ってしまうこともしばしばあります。夜勤をして、残業も多いようであれば、子どもと接する時間がさらに少なくなります。
あと他には「看護師は給料が良いと言われるが思うほどの贅沢はできない」という意見も聞きます。先ほど、シングルマザー看護師平均年収は一般的な母子家庭の収入よりも恵まれているとお伝えしましたが、とは言え共稼ぎの家庭の総収入には劣りますし、そこそこ年収がある看護師はシングルマザー向けの手当も所得制限にひっかかり貰えないケースもあるのです。このあたりの状況もシングルマザー看護師の辛いところかもしれません。
3.シングルマザーでもらえる公的手当(児童手当・児童扶養手当・住宅手当など)
年齢区分 | 月額支給額 | 所得制限以上 |
3歳未満 | 15,000円 | 5,000円 |
3歳から小学生(第1子・第2子) | 10,000円 | 5,000円 |
3歳から小学校(第3子以降) | 15,000円 | 5,000円 |
中学生 | 10,000円 | 5,000円 |
児童数 | 全額支給 | 一部支給 |
1人 | 42,500円 | 10,030~42,490円 |
2人 | 10,040円を加算 | 5,020円~10,030円を加算 |
3人以上 | 3人目以降1人につき 6,020円を加算 | 3人目以降1人につき3,010円~6,010円を加算 |
4.シングルマザーでもらえる病院個別の手当(扶養手当・世帯主手当・住宅手当など)
あとは世帯主手当が出るところもあります。シングルマザーであれば、世帯主になることがほとんどでしょう。子どもを扶養して世帯主になるためもらえる手当が増えるというわけですね。世帯主手当を支給している病院はあまり多くありませんが、私の知っている病院では、約4000円支給されていますよ。あと賃貸などを検討しているようであれば、頼れるのが住宅手当ですね。住宅手当は賃貸でなくても支給される場合もあり、一律1万円と決められている病院もあれば上限を設けている病院もあります。ちなみに国立病院機構では、賃貸の場合は最高27000円支給されます。
5.シングルマザーで使える制度(医療費助成制度・寡婦控除・保育料免除など)
その他にもひとり親家庭の遺族年金の制度があります。夫が死亡した場合に受け取れる年金で、加入している年金の種類によって異なります。遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金など種類がありますので、病院の担当者が日本年金機構に問い合わせてみましょう。そして、忘れてはいけないのが寡婦控除です。寡婦控除とは、死別や離婚して、再婚していない女性が受けらる所得控除です。一般の寡婦控除と特定の寡婦控除に分けられますが、年収が500万円を超えなければ控除金額の大きい特定の寡婦控除に該当するかもしれません(※一般の寡婦で控除額が27万円・特定の寡婦に該当すれば控除額が35万円)。税金が全額免除というわけではないですが、所得税や住民税が少し安くなります。確定申告の際に必要なので、病院の窓口に相談してみましょう。
養育費も忘れてはいけないですね。H28年度の厚生労働省の調査によると養育費を受けたことがないと答えた人は50%以上でした。しかし養育費は、親子関係がある限り払う義務がありますし、子どもが社会で自立していくために必要な費用です。養育費についてはきちんと取り決めをして、もらいそびれないよう注意しましょう。
6.シングルマザー看護師が充実した日々を送るために
例えばですが、私の担当した看護師さんで「家事の効率化を徹底して自分の時間を確保した」という人がいました。休みの日に1週間分の食料の買い出しをして、野菜の下処理や、作り置きできるおかずを用意しておきます。これだけでも、料理の手間を省くことができ時間を作ることができます。また、子どもは帰ってからすぐに「お腹すいた」といいますよね。そこで、朝子どもが起きる前に1品でも2品でもいいので作っておくと、帰ってからのイライラが少しでも減ります。朝早く起きるのは少し大変ですが、帰ってからはおかずを温めて、ご飯をよそるだけなので、余計なストレスを感じることが減ります。
あとこの看護師さんは思い切って月に1回掃除のバイトの方を家に呼ぶようにしたそうです。お掃除さんというとお金持ちの特権と思う人も多いかもしれませんが、例えば「タスカジ」というアプリを使えば昔のように大掛かりなお手伝いさん派遣というよりもマッチングアプリに近い感覚で掃除を依頼できます。時給1500円くらいからのレートで掃除を外注できます。月に1回部屋をピカピカにしてもらえるだけで随分ストレスの軽減になったそうです。あと、便利な最新家電の便利さについても言っていました。食器洗浄機や乾燥機付き洗濯機、お掃除ロボットなど時短になる家電、セットするだけで簡単に料理できるオーブンなどもあるため、手抜きはもちろん楽をすることができます。初期費用はかかってしまいますが、ストレスが健康を害するほどのものになってしまっては本末転倒です。わずらわしい家事を最新家電を使ってパパッと済ませることで自分の時間の確保につながります。
例えば夜勤がなく残業の少ない大手の美容皮膚科や、通勤時間がかからなくて夜勤もない家から近い外来のクリニックなど、自分と子どものために時間を作れる選択肢は看護師には多く用意されています。また一方で子育て中こそ夜勤のある病棟で勤務する人も実はいるんですよ。その理由は、休んだとしてもフォローできる看護師の人数が多いためだそうです。夜勤がない職場への転職は、一見子育てによいのではないかと思いますが、実際はなかなか休みが取れないこともあるでしょう。看護師を多く雇っていないところは休んだら代わりがいないため注意が必要ですね。急な休みでも、フォローが比較的得られやすい病棟や職場を選ぶようにすると良いでしょう。
看護師の年収であれば、平均的な年収の女性に比べるとシングルマザーでも生活に困ることは少ないでしょう。看護師として働きながら、公的な手当や病院個別の手当などのもらえる手当を十分に活用していけば、自分と子ども達のために充実した日々を送れるでしょう。また、忙しさの中でも時短テクニックで時間を見つけて、子どものためにたくさん向き合ってあげると子育ても仕事も楽しめるでしょう。
そんなシングルマザーの看護師ですが、やはり離婚のタイミングで働き方を再考する人も多いです。夜勤がない病院・24時間託児所がある病院・急な休みに対応してくれやすい病院など、シングルマザーが求める条件は様々です。そこでシングルマザーの看護師の方の必須サイトがマイナビ看護師などの転職エージェントです。自分の希望に合った病院を的確にアドバイスしてくれますし、シングルマザーの看護師ならではの相談にも寄り添ってくれます。まずは無料登録から進みましょう。