1.海外での看護活動にはどんな活動があるの?

海外の看護活動に興味がある看護師も多いです。まず海外の医療がどんなものなのか見てみたい人、仕事として行きたい人など個人によって希望が色々とあることでしょう。短期や長期、ボランティアで行くかその国の免許を取るか、先進国か開発途上国かなど、海外に出るときのポイントや求められる能力にはどんなことがあるのかなど、気になることも全て解説します。ぜひ、参考にして下さいね。

転職相談Q美
現在看護師7年目です。今の仕事には、特に不満もないし充実していますが、以前から気になっている海外での看護活動について具体的に知りたいと思っているんです。よろしければ詳しく教えて下さい。
キャリ姉
一言で「海外で働く看護師」と言っても様々です。まず、自分がどんなふうにして海外に出たいかを考えてみましょう。例えば、「ワーキングホリデーをしてみたい」「研修に参加して海外の医療を見てみたい」など、とにかく海外の医療を見てみたいと思うのか、赤十字や青年海外協力隊などの開発途上国や災害地でボランティアや仕事をしたいのか、特定の国で免許を取って働きたいのかによって、アプローチが違うんです。滞在が短期や長期でも違ってくるし、そのあたりをある程度決めておく必要がありますね。そのためには、それぞれの特徴を知りたいですよね。まとめるとこんな感じです。具体的なアプローチ方法のところでそれぞれのホームページもご紹介しますね。

 

①ワーキングホリデー
②留学・研修
③日本赤十字社
④GO(青年海外協力隊・医療専門家・健康管理員)
⑤NGO(ボランティア・医療専門家)
⑥特定の国で看護師として働く

 

転職相談Q美
あの、GOとNGOって何ですか?
キャリ姉
GOは、Governmental Organizationの略で、開発途上地域などに行って国際協力活動をする政府組織のことです。資金はODA(Official Development Assistance:政府開発援助)という税金で賄われています。TVとかでもよく取り上げられる「青年海外協力隊」もこの一環で派遣です。

一方、NGOはNon Governmental Organizationの略で、非政府組織のことをいいます。民間の組織が災害援助や開発途上国の支援を行っているんです。医療や看護師に関連するNGOには国境なき医師団や世界の医療団、そして医師がアジアで展開する医療活動などがあります。国内でもNGOは活動していて大きな災害がおきた時などに派遣されます(※NPOと表現する場合もあります)。先の東日本大震災のときも看護師や臨床心理士が活躍していました。災害後しばらくは求人がありますので、定期的にチェックすることがポイントとなります。ただ、期間がまちまちで、週末のみの場合もあれば、数ヶ月から半年や一年くらいのものまであります。そして、身分は有償ボランティアということになりますので、交通費や宿泊費、活動にかかった手当などが支給されます。病院勤務のようなお給与という感じではなく、アルバイトのような感じです。これで、大体の大枠がわかりましたか?

 

2.看護師が海外で働くために求められる能力は?

転職相談Q美
少し理解できました。ところで海外で働くために求められる能力って、語学力以外は何かあるのでしょうか。英語は、ちょっと得意だったので、英語ができればなんとかなるものかということも不安だなと思ってるんです。
キャリ姉
実際には英語ができればOKではないです。なぜかというと、日本と文化や習慣も違う国がほとんどだし、言葉も英語は公用語としては通じるけど、アフリカやヨーロッパなどはその国の公用語や言葉が必要になってきますよね。また、その言葉が話せるというだけでは不十分と言えますね。海外では「自分はどう思うのか」「自分はどうしたいのか」などの自分の意見を言えることが大切です。すぐに答えられなくても、「黙っていないで何らかの反応をする」「Yes、No」で答えるなど、コミュニケーションを取る能力が必要になってきます。日本でもその能力は必要ものですが、よりはっきりと言わなければわかってもらえません。

また、英語のレベルですが、これは様々です。研修などでは、通訳がついていることも多いですし、その国の看護師免許を取るには、日常生活会話はもちろん、医療用語も取得していなければ難しいですし、ましてや知らないと仕事をする上で危ないですね。

転職相談Q美
英語だけではだめなこともあるんですね。でも、できないよりは英語が話せるとそれは武器になるということですね。
キャリ姉
そうですね。他には「多様性の受容」という点も大切です。「ここは日本ではない」という意識で、多様な文化や習慣、医療の面でも日本と違う方法が取られているかもしれないので、それを受け入れる姿勢が重要ですね。「いくら日本ではこうなのよ」と主張しても、「ここは日本じゃないよ」と言われてしまうでしょうし日本の常識が通じないこともあります。色々な側面があるんだな、それもおもしろいなと柔軟に受け止められると楽になるかもしれませんね。

また、海外では、能力主義的なところもあります。自主的に行動したり、発言したりすることで認めてもらえることもあるでしょう。日本では、「出る杭は打たれる」という風潮もなきにしもあらずというところがありますね。もちろん個性を出せばいいというわけではなく、チームで活動する場合は協調性や柔軟な対応が求められます。医療はチームワークが必要ということは、日本でも実践していると思いますが、「海外の環境で」「いろんな国の人と」となると、実は簡単ではありません。

まとめると、「①語学力」「②コミュニケーション能力」「③柔軟性・協調性」「④自主性」「⑤多様性の受容」などの能力があるといいですね。でも、これは、その国に滞在しながら培われていくものもあると思います。価値観が違う人に接したりや国に行ったりするのですから、ストレスを感じることもあるでしょうね。

転職相談Q美
語学力だけじゃなくて、多様性を受け入れる柔軟な姿勢や自主的な行動も大切なんですね。日本の臨床でも実践していることもあるとは言え、日本の常識は通じないことがあるということは、あまり考えていないことでした。

 

3.看護師が海外で働きたい場合に行動を起こす前の注意点

キャリ姉
では、海外へ行く前の具体的なポイントをお話しましょう。まず、短期がいいのか、長期がいいのかという滞在期間ですね。短期は、1週間から2週間、1ヶ月などがあります。研修や留学などがそうですね。研修や留学だと、渡航費や滞在費は自分で負担するようになりますので、滞在期間によっては高額になりますね。長期だと、半年や1年、2年間にわたって活動します。NGOやGOの活動は長期も多いですね。

あとは、ボランティアか仕事かです。簡単にいえば、給料があるかないかですが、ボランティアの場合でも渡航費や滞在費などの生活に必要なものは、派遣機関が出してくれるところも多いです。給料ほどではありませんが、充分に生活できるような条件が多いですね。仕事で行く場合は、行きたい国を決めてそこで看護師免許を取って働くことになりますが、国によって取り決めがあります。看護師免許を海外で取る場合、その前にワーキングホリデーや研修で滞在しておいて、様子を伺って自分に合うかどうかや準備をすすめる方法もあります。

転職相談Q美
研修や留学だとずいぶんお金がかかりそうですね。ボランティアでも、生活費を出してくれることがあるのですね。知りませんでした。海外で看護師免許を取得というのは聞くだけでハードルが高そう。
キャリ姉
他には、自分の語学力を確認しておくこと。公的な証明が必要な場合があるので、どの試験を受けておくのがいいのか調べておく必要がありますね。あとは経済面も大事です。ある程度の余力がないと海外生活を賄えないケースもあります。

最後に一番大事なこと!自分の健康状態で海外の生活ができるのかどうかです。健康でなければ、環境の違う海外で活動するのは難しいですよね。持病があったり、薬が必要だったりするとかかりつけの医師に相談することも必要でしょう。健康でも、渡航後に体調を崩す人も多いものです。医療保険に入ってくれるとは言え、やっぱり海外で医療を受けるのは不安がつきものですね。治せるものは治しておき、自分の健康管理ができる力をつけておきましょう。まとめると「①どのくらいの期間か」「②海外で看護師資格を取得するか」「③ボランティアか仕事か研修か」「④語学力を確かめる」「⑤資金はあるか」「⑥健康状態はどうか」という感じでしょうか!

 

4.看護師が海外で活躍したい場合の具体的なアプローチ

キャリ姉
先述した「看護師が海外で活躍するケース」の「①ワーキングホリデー」「②留学・研修」「③日本赤十字社」「④GO(青年海外協力隊・医療専門家・健康管理員)」「⑤NGO(ボランティア・医療専門家)」「⑥特定の国で看護師として働く」について具体的なアプローチを紹介していきますね。

まずは、ワーキングホリデーから。ワーキングホリデーとは、オーストリアやカナダとの関係性などが有名ですが、2つの国の若い人材がお互いの文化や生活等を理解するために長期で滞在する事ができるビザのことです。本格的な留学や看護師免許取得の準備に当てられますし、期間中にアルバイトをすることも可能です。ですが、国によっては年齢の制限や卒業した学校による制限があります。ワーキングホリデーをサポートしているエージェントは多く、その一つがワーキングホリデー協会ですが、ワーキングホリデー協会では、無料のワーキングホリデー・留学セミナーやビザ取得サポートや現地サポートなもも行ってくれます。こういったエージェント経由で情報収集するのが王道です。

次は、研修や留学です。これも研修や留学のエージェントがあって、サポートしてくれます。例えばトラベラーズナースは看護師や助産師に特化した留学プログラムを持っています。ワールドアベニューは、他の職種の留学もサポートしていますが、海外で看護師免許を取得するサポートもしています。どちらも実績があるエージェントです。説明会があるので参加してみるといいですね。

転職相談Q美
留学も研修もしているのですね。看護職を専門にしているエージェントがあるなんて知らなかった!看護師に特化した具体的なサポートがあると心強いですね。引き続きお願いします。
キャリ姉
次は日本赤十字社です。赤十字は各国に支部があるし、日本でも災害があったときには活動しているので有名ですね。海外での活動は、災害や開発途上国への人道的支援が主な活動になります。これに参加するには、赤十字の職員として採用される必要がありますね。まずは就職して、海外派遣要員として登録し、派遣されるという形です。海外派遣のための研修もあります。まずはホームページをチェックしてみましょう。

災害や開発途上国の保健医療は多くの看護師とって未知の世界ですが、開発途上国に関して知りたい、行きたいと思っているのなら、JICA(ジャイカ:Japan International Cooperation Agency)が行っている「青年海外協力隊」も1つの選択肢です。さっきODA(Official Development Assistance※政府開発援助)の話をしましたが、青年海外協力隊は、政府がお金を出して協力隊を派遣しています。公的な立場になるので、安心感があります。また、各地で年に数回の無料説明会があって、協力隊に参加した先輩たちの体験談が聞けるんです。色々な職種の人が来るから看護師の体験も聞けるかもしれません。派遣には、健康診断や英語と職種別の試験があって、合格して派遣前訓練に参加する必要があるんです。青年海外協力隊は基本的に現地の看護師免許を取らなくても活動できるのが魅力ですね。語学力に関しては、英語の場合、中学卒業程度(英検3級もしくはTOEIC®スコア330点)に設定してされていて、この目安は合格後の派遣前訓練で語学力を修得する素地があるかどうかを確認することが目的なんです。派遣前訓練では、派遣国に応じて色々な言語の研修がプログラムされていて、2年間の訓練が多いですが、色々な参加の仕方があります。青年海外協力隊は滞在中の生活費なども出るし、保険も入ってくれるんです。自分で何かを支払うことはありません。JICAでは、青年海外協力隊の他には、在外健康管理員(協力隊員などの健康管理)、技術移転の医療の専門家なども募集しています。

転職相談Q美
思っていたよりもハードルが低い感じですね。自分の持ち出しのお金がないことが魅力だし、政府が関係していることも心強いですね。期間が長いしちょっと不安もあるけど興味があるなあ。
キャリ姉
次は⑤のNGOについてですが、これは、民間の組織です。寄付などで運営されていて、災害があった国や開発途上国の支援を行っているんです。例えば、国境なき医師団は、災害や貧困、感染症などの問題がある場所に医師団を派遣するのですが、その中に看護師も入っていることが多いですね。組織が大きく各国に支部があるので、複数の国の人とチームを組んで活動するのが特色です。渡航にかかる費用や医療保険、期間によっては雇用保険に入るので、安心なんです。例えば「Japan Heart」というNGOでは、看護師や医療従事者がボランティアとして登録し活動をするんです。休暇を利用して参加することができる短期のボランティアも募集しており、通訳がつくので語学力は不問とされています。また、現地の生活や医療を体験できるスタディツアーを行っており、参加しやすいですね。助産師の1年間の海外研修もやっているんですよ。「国際派の看護師として貢献するきっかけを作りたい!」「医療のない地域に医療を届けたい!」という情熱をもった看護師の方には魅力的な活動ですね。
転職相談Q美
NGOは「Japan Heart」以外にも様々あるんでしょうし調べてみますね。
キャリ姉
最後に「⑥特定の国で看護師として働く」について紹介しますね。国はたくさんあるので日本人に人気のある国の日本の看護師の免許取得の状況について紹介していきます。

アメリカは、日本人には人気ですね。日本で看護師免許を持っている人は、日本の学校の単位が移行できるため、アメリカで看護師の学校に入り直す必要はありません。でも、現在はビザの数の制限があったり、語学力や看護師免許試験の合格能力が壁になっていて、簡単にアメリカの看護師免許が取れるとは限らないということがネックですね。また、アメリカでは全米共通の看護師試験が行われますが、それに合格すると各州が実施する看護師試験の受験資格が与えられ、州の看護師試験を受けることになります。全米共通の試験は結構難しいとされていて、これに合格すると州の試験も大体は合格するとされています。でも、州ごとに受験資格や合格基準は違うのです。日本看護協会の資料によると、ある年の州の看護師免許取得の試験の合格率は34%で、フィリピン人が圧倒的に多いことが示されています。詳しくはARCアメリカ留学センターの看護留学のページがわかりやすいと思います。

転職相談Q美
海外の看護師免許を取るには、学校に入らないといけないと思っていました。でも、2回も看護師の試験が必要なんですね。他の国の例も教えて下さい。
キャリ姉
次も英語圏のイギリスについてです。イギリスの場合、2006年7月より看護師は労働者不足のリストから外されてしまったのです。イギリスで教育を受けてイギリスに住んでいる看護師で、空席が補充できない場合でないと、海外からの看護師を雇用することができなくなってしまいました。2008年5月には、外国人技術労働者のビザ取得をさらに強化したので、これに加えてビザ申請前にJob Offerが必要になったのです。イギリスでは、ずいぶん看護師として働く条件が厳しくなったということです。

カナダも紹介します。カナダに関しては、日本で臨床経験があるのなら、カナダの看護師国家試験を受けて免許の書き換えをするのがおすすめです。ただ、就労ビザが限られているため、簡単ではありません。試験を受けるのに学校に行く人が多いようです最終的に、移民になって看護師として働く人もいます。カナダ留学ドットコムというサイトに割と詳細が書いてありますね。

オーストラリアでは、日本の看護師国家試験の当たる試験がないんですよ。でも、オーストラリアの看護協会(AHPRA)に登録する必要があります。登録には何が必要かと言うと、日本で看護師の学士号を取得しているかどうかが重要になってきます。それによって、必要なものが違ってくるのです。その他は、英語力ですね。オーストラリアの看護協会では、看護師協会に登録するための英語力の証明をIELTS、TOEFL、OETという試験で行っています。必要書類を看護協会に提出して査定を受けます。そうすると、登録に必要な条件、例えば、「あなたにはオーストラリアで臨床経験を積むコースが必要です」など、登録のための条件が伝えられます。学士号を持っていない場合、オーストラリアの学校に入学する必要があります。オーストラリア留学センターというサイトに割とまとまった情報がありますね。

転職相談Q美
海外の看護師免許の事例、ありがとうございます!
キャリ姉
たくさん紹介しましたけど、いかがでしか?他にも国はありますが一例ということで参考にして下さいね。もし本当に海外で活躍したいなら今後の方向性を決めるためにも、早めに行動するのことをおすすめします。例えば、可能なら興味ある機関が行っている説明会やイベントに参加して、まず話を聞くことですね。ホームページからだけでは、伝わらないこともありますから。思っていたことと違うことや費用がこんなにかかるんだということなど、生の声を聞くと発見がたくさんあるでしょう。何かを始めるのに遅すぎることはありません。自分のしたいことがあったら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

看護師が海外を目指す場合の「非常勤看護師」のススメ!

国内で看護師経験を積み、さらに語学力も認められ晴れて海外へ行ける場合、前職を退職せざるを得ないケースがほとんどですし、海外への準備期間も相応に長いものです。準備期間は、数ヶ月の場合もあれば2年間という長期の場合もあります。直面する課題は経済面です。いくらかのお給与は支払われることもありますが、中には医療ボランティアとして派遣される人もいるでしょうし、そうなった場合は経済面の不安はやはり出てきます。

海外へ行く準備期間などはナースフルのような看護師の転職エージェントに登録して単発でもいいので仕事を継続しておくことをオススメします。これは経済面の不安を解消するだけでなく、スキル低下予防のためと新しい知識を得るためでもあります。長い期間、仕事をしていないとブランクが空き過ぎて、せっかく勝ち取った海外生活が自分の将来の看護人生を先細りさせてしまうこともあるのです。海外でさらに活躍するために、転職エージェントを上手く活用し看護師人生を輝かせていきましょう!