献血センターの看護師の仕事は、基本的に日勤のみで福利厚生なども安定していることが多く、お子さんがいて夜勤ができない方などに人気があります。そして、献血センターならではのやりがいがあります。今回は総合病院から献血センターに転職したR子さん(36歳・女性看護師)の転職体験談をご紹介します

キャリ姉
今、献血センターは血液不足で大変だと耳にしたことがありますが、実際に働いてみていかがですか?
R子さん
はい、私は新卒で総合病院に入職したあと、結婚して献血センターへ転職しましたが、本当に大変です。血液不足の一番の原因は人口減少ですが、特に若い方の人口が減少したことと献血のことをよく知らない方が多いからだと私達は分析しています。私は、学生の頃からボランティア活動の1つとしてチラシやティッシュを配りながら献血への呼びかけをしていましたから、献血への関心はもともとありました。ですから、献血センターへの転職も自然なことでした。でも、今実際に働いてみると現状はとても厳しくなっており、呼びかけるだけでは献血者が増えません。緊急OPや大量出血時など、病院から血液要請があった時は十分に応えることができず、とても悔しい思いをしています。 
キャリ姉
献血センターのスタッフの皆さんは、ありとあらゆる工夫をして献血者を増やそうと苦慮されていますよね。街頭でパンフレットを配っているのを見たことがあります。苦労も多いと思いますが、献血センターでの業務ややりがいを教えてください。
R子さん
血液不足の原因は人口不足だけではなく季節も関係します。特に、冬は寒いですし体調を崩す方が多く、皆さん外出する機会が減ります。わざわざ献血のために外へ出ようと思う人が少なくなることも原因のひとつですね。常に献血者増加を目指して工夫が必要です。看護師の業務は、採血の準備をして確実に採血をすること、そして、その後血液がきちんと処理されるように定められた方法で保管していきます。献血者の体調の変化はないか、無事に帰宅できるか確認もします。献血者は患者さんではなく健康な方です。ですから、看護師は医療処置を行うというよりも、病院で輸血を受ける患者さんのために血液を頂くお手伝いをしているわけです。病院看護師のように、たくさんの医療機器を扱いながらキビキビ動くというイメージとは程遠いです。ですが、人命救助に一番必要不可欠な血液を供給する仕事に最前線で関わっていると思うのです。しかも、血液はまだ人工的に作ることができず、献血された血液は使用期限も短いです。これらを考えると、献血センターでの看護師の役割はとても大きくて尊厳あるものだと思うのです。以前からボランティア活動をしていたのも、そういうところに魅力とやりがいを感じていたからです。 
キャリ姉
とても熱心に取り組まれている様子が伝わってきます。〈血液供給の最前線〉という表現は、献血センターで勤務しているからこそ口をついて出てくる言葉なのでしょうね。ところで、献血センターに転職されてどのくらいですか?
R子さん
まだ数年です。結婚後すぐ妊娠して子供が生まれましたので、その子が就学してから転職を考え始め、以前から関心があった献血センターへ転職しました。民間の転職エージェントに登録し、「献血センター希望」と最初から伝えたので、転職活動は比較的スムーズでした。私はバリバリ働くタイプではなく、趣味でお菓子を作ったり、友達を招いて料理を作ってにぎやかに過ごしたりすることが昔から好きでした。結婚後も、温かい雰囲気の中で色々な方と交友を広げたいと思っていましたので、あまり慌ただしくない職場を転職先として考えていました。その点、献血センターは理想の職場です。献血者を増やすためのアイデア発案には大変頭を悩ませていますが、仕事そのものはゆったり流れ、病院勤務のように忙しく動き回りません。それに、献血者の近くで看護師が慌ただしく動き回っていると迷惑ですよね。献血者は落ち着きませんからね。
キャリ姉
献血センターの仕事は、R子さんにとても向いているようですね。最後に、献血者にとってどんな存在の看護師でありたいですか?
R子さん
善意で血液を提供して下さる方々には本当に頭が下がります。これからの献血センターは、単なる献血をする場だけにとどまらず、献血に来られた方が気軽に声をかけることができる健康相談コーナーや、献血後には体調を整えてから帰宅できるように休憩スペースなども必要だと思います。そういう設備を整えたセンターもすでにありますが、まだ一部の地域のみです。そういうサービスをすることで献血者も増えるでしょうし、献血センターの働きを理解してもらえる機会にもなります。医療の専門知識を持った「おもてなし」ができる看護師になりたいですね