イベント救護看護師のアルバイトは看護師の方に人気があり、求人情報が公開されると応募者が殺到することもあるようです。普段医療機関で勤務している看護師の方にとって、イベント救護看護師の仕事はレアな体験ができるだけではなく、新たな気づきを得られる場でもあります。
今回は、イベント救護看護師のバイトの求人情報の探し方をはじめ、実際にイベント救護看護師のバイト経験がある方にインタビューを行い、求人情報はどのように探したのか、イベント救護のバイトをやってみて良かったこと、苦労したことなどをお話してもらいました。
1.イベント救護看護師のバイト求人情報の探し方は?
看護師の単発バイト・派遣の求人が探せる求人サイトはいくつかありますが、今回は看護師の求人サイトのひとつである「MC-ナースネット」で実際に求人を検索してみました。下記はMCナースネットの画面です。「単発・スポット」→業務内容「イベント」にチェックを入れた検索結果ですが、該当の求人は2019年11月現在は1件のみでした。イベント救護看護師に絞って求人情報を探すとかなり少ないことがわかります。
【MCナースネット:イベント救護看護師のバイト求人情報】
「ツアーナース」にチェックを入れると求人数は11件になりますが、それでも求人が少ないことに変わりはありません。他の記事でもご紹介しているように、イベント救護看護師のバイトの求人はかなりレアな求人であり、定期的に発生する仕事ではありません。
しかし実際に「MCナースネット」に登録してイベント救護看護師の単発バイトの紹介を受けたという方もいますので、イベント救護看護師のバイトを希望する場合は、まずは看護師の転職・求人サイトに登録し、単発バイトを希望している旨を伝えておき、いち早く求人情報をもらうことがカギになりそうです。ここからは、イベント救護看護師バイトの求人情報の探し方を含めた実際の体験談をご紹介していきます。
2.ダイエット系商品コンテストのイベント救護看護師(単発バイト)
性別 | 女性 |
年齢(イベント救護看護師のバイト経験時) | 32歳 |
現在の職場 | 地域の診療所 |
業務 | イベント救護看護師の単発バイト(ダイエット系商品コンテスト) |
使った転職エージェント | メディカルコンシェルジュに登録して紹介を受けた |
イベント救護看護師のバイトに応募したきっかけ | イベント内容的に普段の看護業務と全く違う世界でおもしろそうだったから |
仕事内容はとあるダイエット系の商品のコンテストにイベント救護看護師として行くというものでした。場所は大きなホールでコンテスト出場者数百名がいらっしゃって、順番に壇上へ上がりポージングをしていき優勝者を決めるといったものでした。出場者は全員女性でしたが、年齢は憶測ですが20代~70代くらいまで幅広かったと思います。コンテストに来たのは基本的に運営の方と出場者のみで、一般の参加者はいない様子でした。
私は指示された時間にホールに行き、事前に知らされている責任者の方にご挨拶後、救護室待機の業務でした。救護室はベッドが2つある部屋で、救護担当の看護師は私一人でした。基本的には具合の悪くなった人が出たら対応するという形の業務です。救護室にあるモニターからもコンテストの様子をうかがうことができますので、モニターをみたり、持参してきた本を読んだりして、ゆっくり過ごしました。
体調がすぐれず運ばれてきた出場者の方は2名で、お一人はスポットライトが暑くて少し具合が悪くなってしまったようで、水分補給をして少し休まれてから戻られました。もう一人はガリガリに痩せている方が過呼吸で運ばれてきて、コンテストの最後までベッドで休んだのち、お知り合いの方と帰りました。
また、これはイベント救護看護師の仕事とは直接関係はないのですが…コンテストの内容的に、ふくよかな方から痩せている方まで様々な方がいらっしゃいましたが、やはり拒食症などの精神疾患を抱えているだろうなと思われる方も複数人お見掛けしました。しかし、そのような人にも運営側のスタッフは「痩せてきれいになりましたね」と声掛けをされていて、ダイエット商法の闇を見た気がしました。
バイトではない普段の職場でも時々摂食障害の患者さんがお見えになっていたので、そのような方がダイエット商法の餌食になっている場合もあるんだなと知りました…。
また、逆に何かが起こった時には、看護師が複数人いる医療機関とは違って患者さんが複数人いても一人で対応しなければいけないこと、必要に応じで救急車の判断もしなければいけないので、それなりの看護経験と知識が必要で誰でもできる業務ではないと思います。それなのに日給が他と比べると安いのが残念です。
私は単発で施設や訪問入浴などのバイトも経験しましたが、それよりも日給は安かったですね。ただ、よほどの緊急事態にならなければ基本的にはのんびりしていられるので、そこは仕方ないのかなとは思いました。
3.趣味を活かして!コスプレイベントの救護看護師(単発バイト)
性別 | 女性 |
年齢(イベント救護看護師のバイト経験時) | 25歳 |
現在の職場 | 市内の総合病院勤務(常勤) |
業務 | コスプレイベントの救護看護師(単発バイト) |
医療知識のない現場取締役からお客様対応を教えていただき、笑顔での接客や、1日の流れを指導・近医受診の際にはイベントスタッフに報告し必要な手続きを行ってもらうなどの説明を受けます。救護室にくる方だけを対応するのではなく、何かお困りな方はいないか探したり、声をかけたり、じっとしている時間をつくらないようにとの教えで、座る業務はありませんでした。
おもに怪我の対応だけではなく、車椅子の介助や親子参加の介助、紛失届けの対応や呼び出し対応、コスプレ衣装の着崩れ直しの手伝いなど、救護業務以外のことも結果携わることにはなりました。これもコスプレイベントには必要な業務か…と思いながらも参加者とのコミュニケーションを図る意味では良い経験になりました。
若い方が多く、あまり話を聞き入れない方もみえたり、怪我して簡易保護しても新たに怪我されたり不注意な方もみえ、またメンタル的な方や障害をお持ちの方もイベント参加されているため、車椅子介助や着替え介助することもあり、大変ではありましたが楽しめる業務でもありました。
ちょっとした靴擦れや貧血症状、また熱中症や気分不快などの訴えが多く、しかしイベント参加者のため途中離脱して近医受診していただく説明をし納得されるまでに時間がかかったお客様もいらしたので大変ではありましたが、イベント参加者との交流は楽しめました。