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「薬物依存症」とは、薬物が効かなくなると薬物を求める欲求がコントロールできなくなる状態です。芸能人の逮捕でよくテレビやマスコミなどで報道されることもあります。薬物依存の人は薬物禁断症状が出ること、断薬が難しいことなどを学生時代に勉強したことがあるものの、薬物依存症となった人が医療機関でどのような治療を受けているのか気になったことはありませんか?また薬物依存症患者へ看護師はどのように関わっているのかも気になりませんか?今回の記事では、薬物依存症患者の治療やそれに関わる看護師の仕事内容などをご紹介します。

1.薬物依存症患者専門の看護師はいるの?資格はある?

結論からいうと「薬物依存症専門看護師」などといった名称の看護師資格はありません。しかし、精神科認定看護師において2007年〜2015年の間、専攻領域に「薬物・アルコール依存症看護」がありました。2015年4月からは10の専攻領域が統合されて「精神科領域を専門とする認定看護師」として精神科認定看護師が定義されるようになっています。精神科専門看護師にも、同じく薬物依存症専門看護師という分野はないものの、精神看護の専門看護師はリエゾン精神看護のプロフェッショナルとして薬物依存を含めたあらゆる精神科疾患への対処が求められているといえます。

全国の病院やクリニックには薬物依存症外来や専門病棟がありますが、ほとんどが精神科クリニックや病院であり、薬物依存症患者に関わるのは精神科に勤める看護師です。薬物依存症の患者への看護はギャンブルやタバコ、お酒などのアディクション・パーソナリティ障害の看護ケアのひとつとして捉えられているともいえるでしょう。

2.薬物依存症患者とは?現状と治療

薬物依存症患者について簡単に説明を入れておきます。薬物依存症は、シンナーなどの有機溶剤・大麻・覚せい剤といった精神・身体依存性のある薬物を使用することで脳の中の神経系に異常を起こします。はじめはそうした薬物を乱用することから始まり、自分で行動や思考がコントロールできない薬物依存に陥ります。しまいには幻聴や幻覚・妄想等が起こる慢性中毒となり、精神身体的に薬物に依存していくのです。薬物依存症患者を理解するためには「薬物乱用」「薬物依存」「薬物中毒」の3つの概念を理解することが大切と言われています。

では国内で薬物依存症患者はどのくらいいるのでしょうか。違法薬物などを使っている全員が明確に把握できるわけではないので、国内でどのくらいの薬物依存者がいるのかはわからないというのが現状です。ただ厚生労働科学研究による全国調査によると、国内での15歳以上64歳以下の薬物使用の生涯経験率は、大麻1.4%、有機溶剤1.1%、覚せい剤0.5%、コカイン0.3%、危険ドラッグ0.2%となっています。法令別検挙者数は、平成29年度は合計で14,019人、そのうちもっとも多いのが覚せい剤取締法での検挙が10,284人、ついで大麻取締法が3,218人になります(参照URL)。

次に治療の現状についてです。全国に薬物依存専門の外来や病棟はあるものの、薬物依存を完治させる薬はいまだにないといわれ、さらに一度薬物使用によって異常をきたした脳内の神経系はほぼ一生元に戻らないともいわれています。薬物依存症患者に対する医療は、これまでのアルコール依存症患者への医療体制をもとに発展し、精神保健福祉法でも覚せい剤依存者も精神障害のひとつとして医療福祉の対象となっています。しかし、薬物依存症の特効薬がないといわれるなかで、治療としてまず大切なのが薬物の使用を断ち、またやりたい気持ちを抑えて自分を行動をコントロールすること、そして薬物を使わない生活環境に変えることが重要といえます。

薬物依存症患者を治療する施設

薬物依存外来や病棟を設置しているクリニックや病院は多くあります。そのうち「アルコール健康被害、薬物依存症、ギャンブル等依存症」に関する治療を行なっている「依存症専門医療機関」とそれらの治療の拠点となる「依存症治療拠点機関」が国によって選定されています。これらの依存症専門医療機関、治療拠点機関等は「依存症対策全国センター」といったサイトから全国の相談窓口や医療機関を探すことができます(参照URL)。

薬物依存症治療を行なっている主な医療機関をいくつか挙げてみます。

  • 国立精神・神経医療研究センター:薬物依存症の全国拠点:参照URL
  • 独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター: 参照URL

そのほか依存症患者の自助グループとして日本ダルクナルコティクス アノニマス 日本のような団体もあります。

さらに一部の病院では、医療従事者や看護師向けの研修会を開いているところもあります。依存症医療に興味があれば参加をすることもおすすめです。

  • 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター:薬物依存症回復施設職員研修:参照URL
  • 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所:薬物依存臨床看護等研修:参照URL
  • 独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター:看護師対象薬物乱用対策研究会:参照URL
  • 治療指導者養成研修・相談対応指導者養成研修・地域生活支援指導者養成研修:参照URL

3.薬物依存症患者へケアを行う看護師になるには?適性ややりがいは?

薬物依存医療に興味がありケアに携わりたいなら、薬物依存治療を行なっている病院やクリニックへ入職します。多くが精神科病院ですから、精神科勤務経験がある方が転職には優位かもしれません。精神科看護の勤務経験がない場合は、依存症以外の病棟で経験を積んでから配属を希望するのもよい方法です。また薬物依存治療を行なっている病院に転職をしても、依存症の病棟や外来は限られており、すぐにその配属になるとは限らない点は注意が必要です。

どんな人が向いているかというと、薬物依存で入院をしてくる患者でも、なかには治療意欲が低い人や薬物への渇望が強い人など様々で、看護師への対応も逸脱行為が多くみられることもあります。そのようななかでも、トラブルに対応できストレスコーピングに強い人が向いているといえるでしょう。さらに、患者に対して終始一貫した態度で共感的に接することができる能力も必要です。

また薬物依存症看護は、アディクションやパーソナリティ障害患者に対する精神科看護の一部といえます。薬物依存という回復の難しい患者に対する看護という難しい部分があるからこそ、看護師としての自己成長や社会的視野の広がりをもつことのできる分野といえます。さらに、治療に向きあい徐々にに回復を遂げる患者と関わる喜びやその回復過程に立ち会えることも薬物依存看護の醍醐味といえるでしょう。一方で、薬物依存看護の難しさは患者の反社会的な行動や威嚇・脅かしなどの行動への対処や、パーソナリティに問題を抱える人へどう接すればいいのかの葛藤もあるといえますので仕事上の難しさが併存しているのも事実です。

 

薬物依存症患者に関わる看護師として活躍したい方へ

薬物依存症看護は、これからも薬物依存患者の看護マニュアルの整備や患者教育の充実、地域のネットワークづくりや社会復帰のためのシステムづくりなど、まだまだ整備すべき部分が多い分野といえます。そのため看護師としても多くのやりがいをもって働くことができます。もし薬物依存症看護に興味があれば、全国にある薬物依存症医療機関を探し、積極的に応募をしてみましょう。マイナビ看護師などのエージェントを使うのも有効でしょう。国立の病院なら、国の給与基準に則って支給されますし、そのほかの病院やクリニックでも給与体系は様々です。正職員でなく、非正規職員は常時募集されていることもあるため応募のチャンスを見逃さないようにしてください。