スポーツにかかわる看護師の仕事のひとつに、スポーツ救護ナースというものがあります。単発のアルバイトとしてスポーツ救護ナースの求人が出ることもあるようです。
今回は、スポーツ救護ナースのバイト(単発)を経験した3名の看護師の方にインタビューを行い、スポーツ救護ナースの看護師バイトの仕事内容、業務を通じて得られた経験などをお伺いしました。スポーツ救護ナースの仕事に興味がある看護師の方は、この体験談をぜひ参考にしてみてください!
1.試合観戦も!ソフトボール大会の救護ナース(単発バイト)
性別 | 男性 |
年齢(スポーツ救護ナースのバイト経験時) | 31歳 |
現在の職場 | 認知症高齢者の療養病棟 |
業務 | ソフトボール大会の救護ナース |
会場は市のグラウンドでしたので集合時間(8時)前に行き大会本部テントで責任者の方と軽く挨拶と業務内容の確認をしました。同時に救急キットを預かったので中身の確認を行いました。キットはよくある木製の箱で、外側は使用感はあるものの中身はほとんど使用していない様子でした。5分ほどで確認を終え、責任者の方と雑談をしていると何もなければ開催中の試合を観戦していいとのことでしたので呼ばれるまでひたすら試合観戦をしていました。
午前中は特に呼ばれることもなく支給された弁当を食べ、午後2時ごろに出番が来ました。本部の方に呼ばれ試合終了後の選手の方に駆けつけると試合中に足首に打球が直撃したとのことでした。触診を行い自力歩行も可能で腫れも少ないと判断したので「痛みが続くようであれば病院に受診してください」と伝えその件は終了しました。
その後も特に呼ばれることもなく試合を観戦して、最後の試合が終了して本部テントの片付けを行いアルバイトを終了しました。
また、ソフトボール大会でしたので観戦を行えたのは非常に良かったと思います。もともとスポーツ観戦は好きなのですがルールなどはスマホで調べながら観戦しソフトボールの知識が深くなりました。
今回は傷病者が一人のみでしたので実働は10分程度でしたが、それ以外の時間がスポーツ観戦に興味がない方だとつらい時間になると思いました。
2.小学校のサッカーチーム合宿に救護ナースとして参加!(単発バイト)
性別 | 男性 |
年齢(スポーツ救護ナースのバイト経験時) | 35歳 |
現在の職場 | 総合病院の消化器外来勤務(正看護師) |
業務 | 県内公立小学校のサッカーチームの合宿のツアーナース・スポーツ救護ナース(単発業務) |
私はスポーツ救護ナースやツアーナースは初めてだったので、他のクラブの方に色々教えてもらいました。引率の監督や親御さん達もスポーツ救護ナースの業務内容は把握しておらず、どんな仕事なのか聞くと、特に何もしなくていいですよ、とのことでした…。
参加したお子さん達の名簿や発達障害の有無。また、薬やアレルギーの資料などをもらい、顔と名前を覚えたのですが、これがなかなか大変でした。基本的には、ケガなどの対応をする仕事でした。擦り傷に絆創膏を貼ったり、コールドスプレーをしたりなどの作業なので、基本は子どもたちの練習を眺めているだけです。
慣れないスポーツ救護ナースの仕事だったのですが、子どもたちが元気にかけまわっている姿をみると、こちらが元気をもらえたようで、とても楽しい体験でした。夜はみんなで食事をして、レクリエーションをして一緒に遊びました。拘束時間は朝から寝るまでと丸一日拘束されます。私自身が子供の時に戻ったような、自分の修学旅行はこんな気分で騒いでいたな、と思い出すことができて、本当に良い経験になりました。
今回子どもたちのスポーツ救護ナースを体験してみて、やはり子どもたちは元気で、ケガをして泣いても、絆創膏をしたらすぐにまたサッカーを一所懸命する姿をみて新鮮さでいっぱいでした。子どもは元気だからケガをするものなんだと考えさせられました。ケガは喜ばしいことではないですが、一所懸命走り回ったり、ゴールを決めるために本気になっているからこそ、ケガをするというまっすぐな心に、子供の純真さをみれたことが本当によい経験になりました。
また、救護ナース1人で1団体を受け持つということは、大きい責任が伴います。しっかりした業務内容の説明もなかったので、軽い気持ちで請け負ってはいけない仕事だと思います。
また、スポーツ合宿に付き添うような場合は、拘束時間は朝の集合から寝る間際までと長時間になります。引率の大人の皆さんも救護ナースの業務内容を把握しているわけではありません。事前に業務内容に関する知識を自分で把握しておくことが必要になると思いました。
3.相撲巡業に救護ナース(単発バイトの医療メディカルスタッフ)として参加!
性別 | 男性 |
年齢(スポーツ救護ナースのバイト経験時) | 43歳 |
現在の職場 | 訪問看護ステーション(正社員) |
業務 | 県内で行われた相撲の地方巡業の医療メディカルスタッフ(スポーツ救護ナース) |
運営会社からは特に何も渡さず、血圧計のみ貸し出しがあるだけなので対応する場合は緊急を要するかどうかの判断が必要になります。基本的には怪我など外科的処置が必要なことはありませんし、内容の多くは気分が悪いとか目眩がするなどと言ったような内容です。医務室らしいところもありませんので、ソファーで休んで頂くか、場合によっては救急車を手配しなければならないこともあります。
私が参加している時は、急に意識消失があったとの連絡があり掛け付けましたが、持病でてんかんを持っておられる方だったので一時的にてんかん発作が出たものと考え、落ち着いてからタクシーで帰っていただきました。
会場のメディカルスタッフは2名で、緊急時は携帯電話に連絡が入るようになっており、連絡がない場合は特にすることはありませんので、相撲観戦を楽しめます。またメディカルスタッフには昼食が配られます。観客の1番後ろにメディカルスタッフ用のブースがあり、その前で行司さんがアナウンスをされるので相撲の世界を色々楽しむことが出来ました。
他のメディカルスタッフもどこかの病院の看護師さんなので自分1人で判断して動くこともほとんどありませんので、安心して業務を行うことができるのも良かったです。そこでも、病院の情報交換や面白いバイトを紹介してもらい、人脈の輪を広げることができました。なにより、会場の雰囲気は独特なので体験して良かったと思います。