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看護協会によると2019年の看護師の有効求人倍率は約2.3倍と非常に高い数値で推移しています(参照URL)。しかし、「給与が高い」「施設が綺麗」「福利厚生が充実」などといった人気の病院やクリニックの場合、採用枠に対して争うライバルも多いです。そこで内定率を高めるために重要になってくるのが転職での面接です。

今回はそんな看護師の転職面接でよく聞かれる質問や回答例、ポイントをご紹介してみます。面接の前に事前に考えをまとておくことにより、スムーズに回答し、ライバルに差をつけるよう希望の就職先から内定を勝ち取りましょう。回答例は覚える必要はないですが大枠の内容は一読しておきましょう。

質問例(1)まずはじめに、自己紹介をお願いします

面接のはじめに言われるケースが圧倒的に多いです。急にお願いされると難しいですよね。長くなりすぎても良くなければ、短すぎても印象が悪いです。おおよそ1分程度で話せるよう準備しておきましょう。

<回答例>

私は看護花子と申します。東京都中央区出身で、港区看護専門学校を2015年に卒業、同年い看護師免許を取得し、現在看護師5年目です。現職は、港区総合病院の脳神経外科病棟で勤務しております。私の強みは、ひとりひとりの患者、ご家族に寄り添った看護ができることだと自負しております。本日はお忙しい中面接のお時間をいただきありがとうございます。緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いします。

<ポイント>
・緊張して早口になりがちです。ゆっくり、はっきり伝わるよう話しましょう。
・強み以外にも趣味の内容を話される方も多いです。看護師はストレスのたまる仕事ですので、ストレスの発散先があるのか、病院側も気になってたりします。
・面接をしていただくことのお礼は好印象です。
・緊張していることを伝えることにより、ちょっと場が和むケースが多いです。

質問例(2)これまでの職務内容を教えてください

応募書類として提出する職務経歴書に沿って質問されることが一般的です。職務経歴書の職務歴や配属、院内での役割を口頭で話せるよう準備しましょう。複数の勤務先がこれまである場合は、簡略化しましょう。

<回答例>

2015年の4月から現在に至るまで、港区総合病院の脳神経外科病棟で常勤として勤務しております。脳神経外科は実習先でもあったこと、急性期の看護スキルを身に付けたい想いから希望で入職しました。配属先では、一般的な病棟業務のほか、3年目から新卒看護師のプリセプターを担っており、今年で3期目になります。また4年目からは、院内の感染管理の委員会活動のメンバーとして取り組んでおります。

<ポイント>
・どこの病棟で働いているのか伝えましょう。質問の深掘りがあるかもしれないので、何床程度の病棟なのか、どんな疾患の患者が多いのか、思い出に残る患者とのエピソード、一番苦労したポイントなどは事前にイメージしておきましょう。
・病棟業務以外の役割についても言及しましょう。係や委員会、看護研究などが例として挙げられます。
・職務歴が複数に及ぶ場合、『病院名・配属先・勤務年数・常勤or非常勤・簡単な転職理由』をシンプルに話すようにしましょう。

質問例(3)今回の転職理由を教えてください

転職理由は、年収を上げたいや希望休が取りやすいところで働きたいなど勤務条件に関する理由ではなく、業務的な観点から話すようにすることがポイントです。夫の転勤や子供の保育園の時間など、どうしても転職せざる得ない理由の場合は、支障はないのでそのまま回答しても問題ないです。適切な回答をするためには、面接先の病院がどのような機能を地域で担っている医療機関なのかなど、特徴を理解しておく必要があります。

<回答例>

現職は、地域の高度急性期医療機関としての役割を担っているため、在院日数が短く、ひとりひとり患者様に寄り添った看護が実践できませんでした。今後は、自身の看護観の実現のためにも、貴院のように在院日数が長く、地域密着型の病院でひとりひとりの患者に寄り添った看護を実践できる環境で働きたいと考え転職を希望しています。

<ポイント>
・スキルアップがしたければ明確に〇〇の症例を経験したい、〇〇科の病棟で勤務したいなどはっきりビジョンを伝えましょう。
・「ワークライフバランスを改善したい」と答える方も多いですが、注意が必要です。多忙すぎて、「集中力が必要な看護に影響を及ぼす可能性がある」など業務視点で言い換えるようにしましょう。

質問例(4)数ある医療機関の中からなぜ当院を志望されましたか

転職理由と一致させつつ、HPなどから得た応募先独自の情報を付け加えることでオンリーワンの志望動機となります。「病院の理念に共感した」など言われる方が多いですが、どうも嘘っぽく聞こえがちですのでご注意ください。

<回答例>

貴院は、法人内でで訪問看護など多岐にわたる事業を展開されております。将来的に、病棟看護だけでなく、在宅医療や介護施設での勤務など、転職せずに様々なことにチャレンジできる風土に魅力を感じています。貴院には中途入社方が多く活躍されており、はじめて転職する私にとって、安心して入職できると感じております。

<ポイント>
・(3)で回答する転職理由を、面接先であればどう実現できるのかをイメージしましょう。これが志望動機になります。
・看護師のコミュニティサイトやSNSの情報を鵜呑みにせず、公式HPやその病院で勤務している方、担当のキャリアコンサルタントからの情報をもとに検討しましょう。

質問例(5)転職理由の実現を院内異動でできないのですか

院内異動で解決できれば、給与が落ちたりしないなど、勤続に伴う恩恵を受けることができるでしょう。しかし現在の日本では難しいのも確かです。どこの病院も看護師の確保に苦労しています。そのため、院内のどの病棟もカツカツです。病院内にやりたい科目があっても、自分のポジションの穴埋めをすることが難しいため、院内異動の難易度は非常に高いです。そのため、何かチャレンジしたいことがあれば、転職した方が実現可能性は高いかもしれません。そういった現状があれば真摯に面接官に伝えましょう。

<回答例>

港区総合病院は全て急性期の病棟で構成されています。回復期や地域包括病棟、療養型病棟はなく、私が求める地域に密着しており、在院日数の長く、患者様ひとりひとりに寄り添ったケアを提供できる環境がありません。そのため転職を希望しております。

<ポイント>
・院内で今回の転職理由が実現できない理由を整理しましょう。機能的な問題やそもそも枠がなく異動はできないなど。
・ライフステージが変化し、夜勤ができないなど制約がある場合も伝えましょう。

質問例(6)最後に質問はありますか

いわゆる「逆質問」というやつです。実は、この質問は候補者の志望度を測る上で聞いている医療機関が多くあります。くれぐれも「ない」という回答はしないようにしましょう。事前に2つ程度準備しておいても良いかもしれません。また、院内の実情を知るチャンスなので、どんどん質問しましょう。またパートでの勤務を希望される場合、週の勤務日数や時間などこの場でクリアにしておきましょう。給与などは内定時雇用条件書として発行されますので、この時点で給与に関する質問するのは控えましょう。

<回答例>

・もし、内定をいただけましたら入社までに勉強すべきことはありますか?

・もしご縁があって内定をいただけた場合、中途入社は入職後、どのような仕事から始めていくのでしょうか?

<ポイント>
・逆質問はいかに志望度が高いかをアピールできる場でもあります。
・質問が終われば、だいたい面接は終了。そこで解散または院内見学となるケースが一般的です。解散となる場合は、再度忙しい中お時間をいただいたことについて御礼を伝えましょう。

 

転職面接の回答例を学んで内定率を上げよう

今回の看護師の転職面接についての内容はいかがだったでしょうか。昨今の看護師事情といえば、人数的に年々看護師は増加しており直近1年では6%増加したというデータが出ています。高齢化社会となり、医療介護のニーズが増え、目指す人が増えている現れだと感じます。しかしやはり人気の求人への入職となると難易度が高くなるのが現実で綿密な面接対策などが必要です。是非、これまで記載した面接のポイントを守り、理想の転職先から内定を獲得できるよう対策を打ちましょう。