子育てや自身の病気、家族の介護、夫の転勤など様々な理由で、志半ばにして看護師の仕事を辞めてしまう人たちもいます。そんな看護師さん達が気持ちを新たに復職しようとする場合の求人探しでは、いくつかのポイントを抑える必要があります。「求人探しなんて、どんな場合でも同じじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、潜在看護師の復職の場合は通常の転職とは異なり看護師の仕事から離れてブランクがある場合が多いため、通常の転職とは違った苦労が伴う事が多く、ポイントを抑えていないと復職に成功する確率が下がります。ここでは潜在看護師の復職について紹介します。ちなみに看護師資格を保有していて仕事に就いていない看護師を「潜在看護師」と表現しています。
私は26歳の看護師資格保有者です。卒業後に看護師として1年半ほど働いた後にストレスと過食症で、仕事を辞めました。それから2年ほど経ちます。今までは全く別の仕事をパートでしながらも単発派遣で看護師として細々と仕事を続けてきました。現在は過食症もなくなって、治療も必要がなくなってきてしばらく経ち、だんだんとまた常勤での看護師の仕事に戻りたくなりました。以前、精神的にボロボロになったことを思い出すと怖い気もするのですが、それ以上にまた病棟でバリバリと仕事がしたいと思うようになりました。単発の仕事をいろいろ引き受けてきましたが、その中で様々な人、もちろん看護師も含めて仕事を一緒にしてきました。それで少し自分の中でも落ち着きというか、余裕が出てきたように感じます。キャリ姉さん、こんな私の場合、復職に向けてどういった準備を始めていけばいいと思いますか?
新卒から大変な思いをされましたね。以前ストレスになった時は特に何が原因だったかご自分でも把握していらっしゃいますか?そこも一つのカギになるような気がします。新卒なのにサポートしてもらえずにいた、あるいはその逆で厳しすぎてイジメのようなものにあってしまった、先輩や上司と全く合わない、仕事が多すぎて終わらないなど、色々な原因があるかと思います。離職に繋がったストレスの原因はこのタイミングで自分で整理しておいたほうがいいですね。
ストレスの原因は、一言で言うと看護師の仕事をもっと楽なものだと思ってたんですよね。それで仕事に心と体がついていかなくて・・・。確かにもしもまた似たような設定にご自分が置かれてしまったら、今度はどのようにその問題を対処するか、考えておいたほうがいいですね。でも前回は右も左もわからない新卒の看護師でしたが、今回はその時の経験にプラスして休職中に行っていた単発派遣の看護師の仕事の経験もあるので、「こうすれば自分はやっていける」という心構えを持てるようになったと思います。
単発派遣の看護師の仕事でもキャリアを積んでたくましくなりましたね。一応看護師さんが仕事を辞める理由というのは潜在看護師
N子さんのような「理想と現実のギャップ」は大きいんです。厚生労働省が出している「
新人看護職員研修の現状について」という資料を見ると、新卒看護職員の職場定着を困難にしている要因で、
「基礎教育終了時点の能力と現場で求める能力とのギャップ」が
1位で、それに次いで
「精神的な未熟さや弱さ」などが上位に来るんです。出典は「2004年 新卒看護職員の早期離職等実態調査」(日本看護協会)と少し古いですが今もそこまで大きな差はないでしょう。
新人看護師で多い離職理由
1位 | 自分の能力と現場で求められる能力とのギャップ |
2位 | 人間としての精神的な未熟さや弱さ |
他 | 職場の雰囲気や人間関係などの職場環境 |
他 | ニ交代制など不規則な勤務形態に耐えられない |
他 | 新卒看護職員に仕事を教えてくれる環境の悪さ |
1年間半での経験がどういったものかはわかりませんが、割と新卒の看護師さんではメジャーな離職理由ですよ。
新人看護師ではなく割とキャリアがある方だと結婚とか子育てとかが離職理由になりますか?私の前の職場の先輩は女性ならではの理由での離職が多かったです。
新人看護師も含む看護師の調査で、「今の職場を辞めて他の施設に行きたい理由」というものがあり、これを見ると、出産・育児のため( 22.1% )が最も多く、結婚のため( 17.7% )、他施設への興味( 15.1% )という結果になっていて、女性ならではの理由が上位に来ています。
看護師の退職理由ランキング
1位 | 出産・育児 | 22.1% |
2位 | 結婚 | 17.7% |
3位 | 他施設への興味 | 15.1% |
4位 | 人間関係 | 12.8% |
5位 | 残業が多い | 10.5% |
6位 | 通勤が大変 | 10.4% |
7位 | 休みがとれない | 10.3% |
8位 | 夜勤が辛い | 9.7% |
9位 | 医療事故などの責任への負担 | 9.6% |
(出典:「平成22年看護職員就業状況等実態調査結果」【厚生労働省】を加工して作成)
看護師が大半を占める看護師ならではということで納得いきますね。
そうですね。女性が多い看護師の仕事ですので上記の理由は当然という感じがしますね。看護師の男女比については下記うにも数字を掲載していますが約90%は女性ですので併せてご参考下さい。
離職理由は理解できましたが、復職するにあたりのポイントや注意点を教えてください!今の私にはこっちの方が大切です。。(笑)
まず1つはあまりあれもこれも希望条件に入れないということでしょうか。なるべく稼げるように高収入の求人、託児所がある求人、家から近い病院…と贅沢になる気持ちはわかります。潜在看護師さんは、看護師不足の解消のためにも大いに一役買ってほしいところですが、実は潜在看護師からの復職の場合は、希望条件をあまりに多く出しすぎると、逆に好条件の復職先が見つからなくなってしまうと私は思っています。それは、病院側としてはブランクがない人や経験豊富な人など「即戦力として問題なく使える人」を優先的に採用したいというのが本音でしょうし、ブランクのある看護師はその点で言うと不利な立場というのは私の体験でも割と見てきているからです。あまりにも多くの希望を出して選んでいると、結局採用してもらえるところは減りますし、その結果「採用してもらえればどこでもいい」と焦る事になり、気が付いてみれば希望条件が一つも揃っていない、残念な職場に復職していた、なんて事になりかねないのです。
転職・復職って人生で何度もないから贅沢になる気持ちはわかる・・・。私の場合は「都内勤務(できれば実家から電車30分以内)」「月収手取りで25万以上」「病棟二交替」などでしょうか。
それくらいであれば現実的なラインですね。あとは復職支援についても病院によって様々ありますので、求人を探す時には「復職支援あり」という条件のある求人だとさらに理想的かもしれません。これについては後述します。
希望条件を絞る大切さはわかりました。「復職支援あり」ももちろん明記がある方がいいですよね。なんとなく安心感があります。マイナビ看護師で「復職・ブランク可の看護師求人」で検索すると約7,000件以上ヒットするのでこれらの中から選んだほうが賢明ですね。
もちろん上記のように医療機関自らが「復職支援あり」と表明しているところを探すのは重要なのですが、1つ気をつけて欲しいのは「ブランク可」「復職支援有り」などの謳い文句を100%信用してしまう事は、実は復職の失敗につながる恐れがあるということです。看護師を確保したいがために、ブランクありの看護師をターゲットにして、復職支援やブランク可を謳い文句にしているという病院も実はあるんです。実際にこのような謳い文句に騙され、入職してみたら復職支援など全くなく、結局はブランクのために最新の技術や知識について行けず辞めてしまったというケースも聞きます。また、復職支援自体は存在しているものの、年齢や労働条件などによる制限が設けられていたり、他に受ける人がいないなどの理由で実際には行われないという事も残念ながらあるのです。このような残念な結果とならないためには、形式・建前だけの復職支援ではなく本当に復職支援を行っているのか、復職支援を受けるにあたって何か制限等が設定されていないか、など確実な情報を入手する事が非常に重要となってきます。
一番いいのは私が勤務していたような看護師転職エージェントに相談することですね。病院見学とかで復職支援の現場を見せてくれるようなケースもあります。マイナビ看護師とかレバウェル看護はおすすめですよ。
復職支援ありの求人を探すのにお勧めのサイト
マイナビ看護師 | マイナビグループの看護師転職エージェントで、潜在看護師への対応は業界随一! |
レバウェル看護 | 業界大手の一角!マイナビ看護師と併用することで複数のキャリアアドバイザーと付き合いながら復職支援ありの求人を探せる! |
MCナースネット | ツアーナース、コールセンター、イベントナースなど病院以外で復職するならここもおすすめ! |
あと確か自治体とかのナースセンターとかでも復職支援ありましたよね?実際にどこでどんな風に復職支援サービスを行っているのか、どのようにしたらサービスを受けることができるのか、復職支援サービス受けるには条件などがあるのか、お金はかかるのか、どのように探したらいいのか等、教えて下さい。
よくご存知ですね。
ナースセンターは都道府県に1つずつあり、その地域の看護師の様々な無料就業支援を行っていますね。復職支援サービスの研修を探したいのであれば、自分の住んでいる都道府県のナースセンターで開催している復職支援サービスの講習を探してみましょう(※いつもあるわけではないので注意)。名前は都道府県により違い
「再就業支援演習会」「再就業支援セミナー」「潜在看護師再就業支援セミナー」「技術支援セミナー」「看護力再開発講習会」など様々です。医療機関などで行っている復職支援サービスの研修では看護技術の実技演習だったり、病棟見学なども行なっていたりするので結構充実しています。復職支援サービスに参加するための条件としては、看護師資格を持っている方、今現在離職中で就職先が決まっていない方、研修を受ける地域で就業を希望している方というような条件を出しているとこが多いですね。
都道府県によって、行われている講習の内容や充実度、質などに差があるということは言われていて、各地域で良かった、あまり参考にならなかったというように感想にも違いが出てくるみたいですが、復職支援の講習や研修が終わった後には、個別に復職についての悩み相談などにも乗ってもらえたりします。
基本的に無料なのであれば時間があれば体験してみるのもいいですね。
先ほど説明した「復職支援あり」の件と少し重複するんですが、「潜在看護師の採用実績があるか」「ブランク明けの看護師が実際に働いているか」も大事です。ブランク明けの看護師が実際に活躍しているという事は、復職のための支援が行き届いている・潜在看護師の復職のタイミングでも働きやすい環境が整っているという事を意味するからです。ただ、潜在看護師の採用実績はあるものの、その時点では働いていない・もう辞めてしまったと言う場合には、注意が必要かもしれません(復職支援ありと謳っていても実態が伴っていない可能性もあり)。また、こうした点は求人票に記載されているという事はほとんどありませんので、応募時や面接時に非常に聞きにくい状況で確認するしかないというのが現状です。これも看護師転職エージェントのキャリアアドバイザーの出番になります。
確かに自分では聞きにくいですがキャリアアドバイザーさん経由ならという感じですね。
ここからは実際に潜在看護師から復職した人の体験談を紹介しますね。
(東京都在住・32歳・女性看護師)
出産・育児で一旦休職したあとに転職・復職を行いました。私の主人は土日も普通に仕事があり、子供を見ることはほぼ不可能で、また両親も遠方に住んでいるので、土日に子供の面倒を見るのは私です。看護師転職エージェントに家庭の事情を話して、日曜日と祝日は休みが欲しいと伝えると、さすが看護師=国家資格だと思ったのは、わんさか条件にあてはまる求人がありました!子供が大きくなると、日曜日や祝日の勤務は可能になるので、その期間まではという説明もしました。また、パートを勧められることもなく正社員で働いています。正社員でないとボーナスも出ないので、金銭面的にパートにはなりたくなかったので嬉しかったです。
(東京都在住・39歳・女性看護師)
私は10年近く専業主婦をしていましたが、離婚が決まったことをきっかけに看護師として復職しました。ナースセンターなどの復職支援なども受けて、再就職活動をして規模の大きな民間病院に採用が決まりました。離婚のことで夢中な中での復職活動でしたが、いざ仕事が決まるとだんだん心配に・・・。年齢もアラフォーで以前のように動けるかわからないし、子供も小学生が二人います。勢いだけで突っ走って、ふと現実に返ったといったところでしょうか。
実際に病院勤務がスタートしてからはブランクのある看護師の支援システムがあって、私もそのシステムを受けながらの復職になりました。嬉しかったのは同じように長期のブランクから復職された方が同時期に数名いたことです。10年のブランクという長さでは私が1位でしたが。でも一人の心細さを復職組の仲間が救ってくれました。一生ものの看護師資格だからこそ、何歳になっても仕事に戻ることができるというのは嬉しいですね。支援プログラムのある職場ではブランクの長い看護師さんを受け入れる用意があるというとですから心強かったです。
(富山県在住・31歳・女性看護師)
出産・子育てで一旦離職しました。前の職場勤務の時に切迫早産になりそうで心にもゆとりが無くなってきてしまい産前休暇を取る前に退職しました。子供が1歳になり保育所に預けられるタイミングで民間病院に復職。看護師は離れるとなかなかすぐに戻れるような仕事ではないので、早めに復職した方がよいかと考えて看護師転職エージェントで仕事を探し無事復職できました。ちなみに公立病院と民間病院で最後悩んだんですが自宅からの距離などもあり民間病院にしました。
私の地域は少し田舎なのですが、田舎ゆえに看護師不足で、どこの病院も看護師の求人がありました。子育てをしながらだと、パートの方がよいのか、正規職員の方がよいのかも含めて悩んでいましたが、結局正規社員で復職。正直、子育てしながら正規職員で働き続けることは大変です。正規職員だと、やっぱり子供が居ろうと居なかろうと、残業や委員会等の役割も与えられて、看護以外の業務も多々あります。ですが今まで仕事をしてきて、パートになるのももったいないと思い決断したので頑張っています。
一つ心残りは民間病院でよかったのかなあという点です。民間病院より公立病院の方が待遇などが整備されている傾向がある為、育児や子育てへの理解があることが多かったかなあと。まあでも自分で決めたことですので一生懸命頑張っています。
潜在看護師の復職成功のポイント
復職なんて簡単!求人を見つけて応募すればいいだけだし!と漠然と考えていた人は少し慎重に考えましょう。どこへ行っても看護師不足・看護師不足と騒がれていますが、それは即戦力として働ける看護師に関しての話であり、ブランクがある看護師の場合にはビハインドがあるものです。希望条件は出しすぎない、ブランク明け看護師が活躍しているか調べる、復職支援が本当に行われているか調べる、ナースセンターの復職支援も活用する、これらを徹底すれば成功への道が開かれます。
とは言え、個人の力でそれだけの調査を行う事は、現実にはほとんど不可能です。求人票を見ても、ブランク明け看護師の活躍状況は書かれていませんし、復職支援に関しても建前は「有り」としているけれど実際はわからないからです。そんな八方ふさがりな状況を打開するためにあるのが、看護師転職エージェントです。当サイトでナンバーワンの人気を誇るマイナビ看護師などでは、ブランクから復職する看護師のためのサポートが徹底されており、安心して任せる事ができたと評判です。個人では調査しきれないブランク明け看護師の活躍状況や、「本当に」復職支援が実施されているかなども、完璧に調べ上げてくれますので、復職を成功させる事ができるのです。これまでにも数多くの復職成功者を出して来たその実績を次に実感してみるのは、あなたかもしれません。