目次
1.高齢化で患者数が急増!ニーズが高まる呼吸器科
超高齢化社会ともいわれる現在の日本ですが、呼吸器系の疾患を抱える患者数も急増しています。例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの病気は「肺の生活習慣病」とも言われ、看護師の生活指導や看護が重要です。COPD以外にも呼吸器系の患者は増えていて、実際に呼吸器科専門病院は新設ラッシュが続いているような状況です。呼吸器科では新しい看護師の力を必要としている現場がたくさんあり、今こそ呼吸器科へ転職する絶好のチャンスかもしれません。ここでは呼吸器科の看護師について解説します。
2.呼吸器内科と呼吸器外科の違いは?
治療法の違いで、診療科を分けていると考えた方がわかりやすいですかね?例えば、肺がんは、死亡者数が最も多いがんとしても有名です。年間約7万人前後の方が亡くなっています。肺がんの治療は、他の部位のがんが肺に転移した患者も状態によっては呼吸器科で治療を行う場合がありますのでこういった患者の治療も含めて、酸素投与や吸引、投薬など、内科的な治療を行うことがありこれは呼吸器内科の対象です。一方で手術可能な肺がんもあり、この場合は呼吸器外科の対象になります。呼吸器内科と外科、扱う疾患は実は似ているんですね。
3.呼吸器科の看護師の仕事内容を具体的に紹介
あとは、肺がんの抗がん剤治療と放射線治療の看護なども業務になります。抗がん剤は使用する薬剤によって、点滴の内容が大きく異なります。当然ミスは許されません…かなり神経を使う仕事です。どちらの治療も、苦痛を伴う副作用が出現する場合があります。吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状をはじめ、皮膚の炎症や脱毛、食道炎などさまざまです。副作用の看護も大切な役割です。患者の様子をしっかりと確認し、早めに対処できるよう心がけます。
さらに呼吸器科の大切な仕事のひとつが、「緩和ケア」です。肺がんは死亡率も高いですし、呼吸器科にはターミナル期の患者も多いのです。痛みに対するケアはもちろん、患者が安楽に過ごせるよう配慮を行います。特に肺がんの場合は、息苦しさを訴える患者も多いです。息苦しさは非常に苦痛が大きいので、少しでも楽に過ごせるように、体位を調整したり、温罨法を施してみたり、医師との連携も密にとり投薬の調整を行います。同時に家族のケアも大切な役割です。不安や悲しみを傾聴し、メンタル的なフォローを行います。本人だけでなく、家族も大きなダメージを受けていることが多いですからね。「緩和ケア認定看護師」が家族のケアを行っているケースもあります。
また、呼吸器外科の場合は、周手術期の看護も大切な仕事です。オペの前準備やオペ出し、オペ後の全身状態の観察などを行います。
4.呼吸器科の看護師の給料は高いか?平均データとの比較は?
年齢別の女性看護師の年収平均
年齢 | 額面月給 | 額面賞与 |
20~24歳 | 284,600(円) | 474,600(円) |
25~29歳 | 317,700(円) | 750,000(円) |
30~34歳 | 323,600(円) | 774,000(円) |
35~39歳 | 331,200(円) | 829,800(円) |
40~44歳 | 346,100(円) | 894,500(円) |
45~49歳 | 353,600(円) | 918,800(円) |
50~54歳 | 362,200(円) | 952,200(円) |
55~59歳 | 359,900(円) | 962,600(円) |
60~64歳 | 313,200(円) | 657,800(円) |
65~69歳 | 292,700(円) | 570,500(円) |
70歳以上 | 277,900(円) | 348,300(円) |
5.呼吸器科の看護師に転職するメリット
6.呼吸器科の看護師に転職するデメリット
- いろいろなスキルを身に付けたい人(疾患の知識や、さまざまな看護技術が身に付く)
- がん看護を極めたい人(肺がんの看護を通して、がん看護を学ぶことができる)
- 緩和ケアに興味がある人
- コミュニケーションスキルを高めたい人