目次
1.海外での看護活動にはどんな活動があるの?
海外の看護活動に興味がある看護師も多いです。まず海外の医療がどんなものなのか見てみたい人、仕事として行きたい人など個人によって希望が色々とあることでしょう。短期や長期、ボランティアで行くかその国の免許を取るか、先進国か開発途上国かなど、海外に出るときのポイントや求められる能力にはどんなことがあるのかなど、気になることも全て解説します。ぜひ、参考にして下さいね。
①ワーキングホリデー
②留学・研修
③日本赤十字社
④GO(青年海外協力隊・医療専門家・健康管理員)
⑤NGO(ボランティア・医療専門家)
⑥特定の国で看護師として働く
一方、NGOはNon Governmental Organizationの略で、非政府組織のことをいいます。民間の組織が災害援助や開発途上国の支援を行っているんです。医療や看護師に関連するNGOには国境なき医師団や世界の医療団、そして医師がアジアで展開する医療活動などがあります。国内でもNGOは活動していて大きな災害がおきた時などに派遣されます(※NPOと表現する場合もあります)。先の東日本大震災のときも看護師や臨床心理士が活躍していました。災害後しばらくは求人がありますので、定期的にチェックすることがポイントとなります。ただ、期間がまちまちで、週末のみの場合もあれば、数ヶ月から半年や一年くらいのものまであります。そして、身分は有償ボランティアということになりますので、交通費や宿泊費、活動にかかった手当などが支給されます。病院勤務のようなお給与という感じではなく、アルバイトのような感じです。これで、大体の大枠がわかりましたか?
2.看護師が海外で働くために求められる能力は?
また、英語のレベルですが、これは様々です。研修などでは、通訳がついていることも多いですし、その国の看護師免許を取るには、日常生活会話はもちろん、医療用語も取得していなければ難しいですし、ましてや知らないと仕事をする上で危ないですね。
また、海外では、能力主義的なところもあります。自主的に行動したり、発言したりすることで認めてもらえることもあるでしょう。日本では、「出る杭は打たれる」という風潮もなきにしもあらずというところがありますね。もちろん個性を出せばいいというわけではなく、チームで活動する場合は協調性や柔軟な対応が求められます。医療はチームワークが必要ということは、日本でも実践していると思いますが、「海外の環境で」「いろんな国の人と」となると、実は簡単ではありません。
まとめると、「①語学力」「②コミュニケーション能力」「③柔軟性・協調性」「④自主性」「⑤多様性の受容」などの能力があるといいですね。でも、これは、その国に滞在しながら培われていくものもあると思います。価値観が違う人に接したりや国に行ったりするのですから、ストレスを感じることもあるでしょうね。
3.看護師が海外で働きたい場合に行動を起こす前の注意点
あとは、ボランティアか仕事かです。簡単にいえば、給料があるかないかですが、ボランティアの場合でも渡航費や滞在費などの生活に必要なものは、派遣機関が出してくれるところも多いです。給料ほどではありませんが、充分に生活できるような条件が多いですね。仕事で行く場合は、行きたい国を決めてそこで看護師免許を取って働くことになりますが、国によって取り決めがあります。看護師免許を海外で取る場合、その前にワーキングホリデーや研修で滞在しておいて、様子を伺って自分に合うかどうかや準備をすすめる方法もあります。
最後に一番大事なこと!自分の健康状態で海外の生活ができるのかどうかです。健康でなければ、環境の違う海外で活動するのは難しいですよね。持病があったり、薬が必要だったりするとかかりつけの医師に相談することも必要でしょう。健康でも、渡航後に体調を崩す人も多いものです。医療保険に入ってくれるとは言え、やっぱり海外で医療を受けるのは不安がつきものですね。治せるものは治しておき、自分の健康管理ができる力をつけておきましょう。まとめると「①どのくらいの期間か」「②海外で看護師資格を取得するか」「③ボランティアか仕事か研修か」「④語学力を確かめる」「⑤資金はあるか」「⑥健康状態はどうか」という感じでしょうか!
4.看護師が海外で活躍したい場合の具体的なアプローチ
まずは、ワーキングホリデーから。ワーキングホリデーとは、オーストリアやカナダとの関係性などが有名ですが、2つの国の若い人材がお互いの文化や生活等を理解するために長期で滞在する事ができるビザのことです。本格的な留学や看護師免許取得の準備に当てられますし、期間中にアルバイトをすることも可能です。ですが、国によっては年齢の制限や卒業した学校による制限があります。ワーキングホリデーをサポートしているエージェントは多く、その一つがワーキングホリデー協会ですが、ワーキングホリデー協会では、無料のワーキングホリデー・留学セミナーやビザ取得サポートや現地サポートなもも行ってくれます。こういったエージェント経由で情報収集するのが王道です。
次は、研修や留学です。これも研修や留学のエージェントがあって、サポートしてくれます。例えばトラベラーズナースは看護師や助産師に特化した留学プログラムを持っています。ワールドアベニューは、他の職種の留学もサポートしていますが、海外で看護師免許を取得するサポートもしています。どちらも実績があるエージェントです。説明会があるので参加してみるといいですね。
災害や開発途上国の保健医療は多くの看護師とって未知の世界ですが、開発途上国に関して知りたい、行きたいと思っているのなら、JICA(ジャイカ:Japan International Cooperation Agency)が行っている「青年海外協力隊」も1つの選択肢です。さっきODA(Official Development Assistance※政府開発援助)の話をしましたが、青年海外協力隊は、政府がお金を出して協力隊を派遣しています。公的な立場になるので、安心感があります。また、各地で年に数回の無料説明会があって、協力隊に参加した先輩たちの体験談が聞けるんです。色々な職種の人が来るから看護師の体験も聞けるかもしれません。派遣には、健康診断や英語と職種別の試験があって、合格して派遣前訓練に参加する必要があるんです。青年海外協力隊は基本的に現地の看護師免許を取らなくても活動できるのが魅力ですね。語学力に関しては、英語の場合、中学卒業程度(英検3級もしくはTOEIC®スコア330点)に設定してされていて、この目安は合格後の派遣前訓練で語学力を修得する素地があるかどうかを確認することが目的なんです。派遣前訓練では、派遣国に応じて色々な言語の研修がプログラムされていて、2年間の訓練が多いですが、色々な参加の仕方があります。青年海外協力隊は滞在中の生活費なども出るし、保険も入ってくれるんです。自分で何かを支払うことはありません。JICAでは、青年海外協力隊の他には、在外健康管理員(協力隊員などの健康管理)、技術移転の医療の専門家なども募集しています。
アメリカは、日本人には人気ですね。日本で看護師免許を持っている人は、日本の学校の単位が移行できるため、アメリカで看護師の学校に入り直す必要はありません。でも、現在はビザの数の制限があったり、語学力や看護師免許試験の合格能力が壁になっていて、簡単にアメリカの看護師免許が取れるとは限らないということがネックですね。また、アメリカでは全米共通の看護師試験が行われますが、それに合格すると各州が実施する看護師試験の受験資格が与えられ、州の看護師試験を受けることになります。全米共通の試験は結構難しいとされていて、これに合格すると州の試験も大体は合格するとされています。でも、州ごとに受験資格や合格基準は違うのです。日本看護協会の資料によると、ある年の州の看護師免許取得の試験の合格率は34%で、フィリピン人が圧倒的に多いことが示されています。詳しくはARCアメリカ留学センターの看護留学のページがわかりやすいと思います。
カナダも紹介します。カナダに関しては、日本で臨床経験があるのなら、カナダの看護師国家試験を受けて免許の書き換えをするのがおすすめです。ただ、就労ビザが限られているため、簡単ではありません。試験を受けるのに学校に行く人が多いようです最終的に、移民になって看護師として働く人もいます。カナダ留学ドットコムというサイトに割と詳細が書いてありますね。
オーストラリアでは、日本の看護師国家試験の当たる試験がないんですよ。でも、オーストラリアの看護協会(AHPRA)に登録する必要があります。登録には何が必要かと言うと、日本で看護師の学士号を取得しているかどうかが重要になってきます。それによって、必要なものが違ってくるのです。その他は、英語力ですね。オーストラリアの看護協会では、看護師協会に登録するための英語力の証明をIELTS、TOEFL、OETという試験で行っています。必要書類を看護協会に提出して査定を受けます。そうすると、登録に必要な条件、例えば、「あなたにはオーストラリアで臨床経験を積むコースが必要です」など、登録のための条件が伝えられます。学士号を持っていない場合、オーストラリアの学校に入学する必要があります。オーストラリア留学センターというサイトに割とまとまった情報がありますね。
国内で看護師経験を積み、さらに語学力も認められ晴れて海外へ行ける場合、前職を退職せざるを得ないケースがほとんどですし、海外への準備期間も相応に長いものです。準備期間は、数ヶ月の場合もあれば2年間という長期の場合もあります。直面する課題は経済面です。いくらかのお給与は支払われることもありますが、中には医療ボランティアとして派遣される人もいるでしょうし、そうなった場合は経済面の不安はやはり出てきます。
海外へ行く準備期間などはマイナビ看護師のような看護師の転職エージェントに登録して単発でもいいので仕事を継続しておくことをオススメします。これは経済面の不安を解消するだけでなく、スキル低下予防のためと新しい知識を得るためでもあります。長い期間、仕事をしていないとブランクが空き過ぎて、せっかく勝ち取った海外生活が自分の将来の看護人生を先細りさせてしまうこともあるのです。海外でさらに活躍するために、転職エージェントを上手く活用し看護師人生を輝かせていきましょう!