准看護師とは

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1.准看護師と正看護師の資格の違いは?仕事内容の違いは?

看護師には、「正看護師」と「准看護師」の資格があります。この2つは共に看護職ですが、教育課程、臨床の場での業務に違いがあります。資格に違いがあるということは、活躍する場(転職先・就職先)にも違いがあるのでしょうか?もし違いがあるとすれば、准看護師は正看護師とでは就職・転職活動にも違いがあるのでしょうか?正看護師と准看護師は、学校の授業では習ったけれど、今あらためて聞かれるとはっきりとは思い出せない人も多いのではないでしょうか。また以前から言われている「准看護師廃止」についても曖昧な理解の人も多いでしょう。このまま准看護師として働いていてもいいのかと正看護師学校の受験を考える方も少なくありません。ここでは准看護師の資格の特徴や准看護師から正看護師になる方法ついてまとめてみました。

准看護学生Y美

准看護学生Y美
今、准看護学校の1年生をしています。何も考えずに准看護師学校に入ったというと変な言い方なんですが、今思うと将来的には正看護師の学校に進んだ方がいいのかとも考えています。先生から少しは聞いたりはしているんですけど、実際の准看護師の職場の状況や、正看護師との違いを詳しく教えて欲しいです。
キャリ姉
准看護学生Y美さんは准看護師と正看護師の定義は学校でも習っていますよね。准看護師と正看護師の資格の違いについて復習もかねて一応紹介しておきます。これは、准看護師連絡協議会の「准看護師になるためには」からの抜粋です。

 

正看護師准看護師
必要な学歴高校卒業以上中学卒業以上
修業年限3年以上2年以上
資格取得の履修時間3,000時間以上1,890時間以上
資格取得の実習時間1,035時間以上735時間以上
資格の発行元厚生労働大臣の免許都道府県知事の免許
仕事内容自らの判断で病人の世話や診療ができる。医師や正看護師の指示で看護業務を行う。
キャリ姉
正看護師は「厚生労働大臣発行の国家資格」、准看護師は「都道府県知事発行の免許」という免許の発行元の違いがまずあります。厚生労働大臣より免許を受けた正看護師は「国家資格」で、准看護師免許は「都道府県知事免許」という点が大きな違いの1つです。准看護師の業務内容は看護師と同じく「患者さんのケア」ですが、准看護師は「医師(※歯科医師を含む)」「正看護師」の指示を受けて仕事を行うので、自分の判断では看護業務は提供できないというのは特徴です。
准看護学生Y美
はい。この辺りは、授業でも習いました。でも、こうしてみてみると入学要件が准看護師は中学卒業に対して正看護師は高校卒業だったり、学校に行く最短期間が正看護師の方が1年長かったりするんですよね。資格取得のハードルの高さが違いますので業務の幅に差があっても当然ですね。
キャリ姉
そうですね。准看護学生Y美さんは今学校で看護技術を中心に学んでいると思いますが、正看護師を取得するための学校では、さらに自分の判断での看護の提供を求められるため、判断力や思考力を担うために看護過程を主体に勉強することが多いです。患者の年齢・性別・疾患などの情報から看護の知識に基づいて問題を挙げ看護を考えます。臨床実習でもその実践や評価から解決へ導いていきます。
准看護学生Y美
資格の違いについてはわかりました。仕事内容については指示を受けるかの違いであってそんなに実務面は変わらないようなイメージもあります。
キャリ姉
先ほどの「准看護師になるためには」をもう一度見てほしいのですが、おっしゃる通り「准看護師と正看護師に業務の範囲の差はない」とありますよね。基本的に提供する看護内容は同じです。でも、保助看法でも定められている通り、自分で必要と判断して提供できるのは正看護師だけなんですね。だから、厳しいこともお伝えしますが、将来的に准看護学生Y美さんが経験を積んでいったとしても、看護の指示や指導はできないし、看護主任や看護部長といった役職につくことも難しくなります。あと、正看護師と比べ准看護師は給料が安かったりしますし、これはやはり免許取得以前の学校での教育課程の違いが待遇の違いに現れているためと言えます。

ただ、看護の仕事と言うのは、臨床に出てから学ぶことが多いので、必ずしも正看護師の方が准看護師より知識があり仕事ができると言い切れるわけではありません。意欲があれば准看護師も正看護師に勝るとも劣らない仕事をするチャンスもあるし評価も得られます。また、中には正看護師よりも優れた能力を持った准看護師がいる事も事実です。しかし、法律上の違いでどうしても取り去る事のできない“違い”があることは理解しておく必要がありますね。

准看護師と正看護師の比較

 

2.准看護師廃止は本当?いま准看護師について言われていることは?

准看護学生Y美
今気になっていることがあるんですけど「准看護師廃止」の話についてです。准看護師って将来的に本当に廃止されてしまうんでしょうか?そもそもどういった背景で准看護師が廃止になるという話になっているのでしょうか?
キャリ姉
「准看護師廃止」についてね。ではまず、日本看護協会「准看護師制度の課題解決に向けた取組み」を見てみましょう。ここを見ると准看護師教育制度については、厚生労働省や日本看護協会は、准看護師廃止にもう動きだしているというイメージが湧くと思います。実際、神奈川県などでは准看護師学校を廃止して、正看護師の学校を増やしているという現実もあります。今度は、日本医師会の「准看護師問題について」を見てみましょう。ここを見ると日本医師会は、「准看護師制度を守っていきます」とはっきり言ってますね。お互いの言っていることは正反対なんですね。

准看護師廃止

准看護学生Y美
日本医師会と日本看護協会が対立してる感じなんですね。医師会は中小病院やクリニックでは准看護師は重要な戦力になっていると主張していて、一方日本看護協会では医療の高度化に対応するために看護は正看護師が担うべきだと主張し対立してる感じでしょうか。一気に廃止してしまうと、失業者は増えるし、病院やクリニックは継続できないし、何より患者さんが困りますよね・・・。医師会がバックにいますし、患者様の事を優先して考えると廃止にはならないのかなあと漠然と感じてしまいますね。
キャリ姉
だんだん医療技術が高度になっていって、それを支える正看護師・准看護師にもより専門性が求められていることは確かです。でも、一概に准看護師廃止と言っても、超高齢化社会で看護師不足も深刻な問題としてあげられる今、多くの経験豊かな准看護師が現場を支えていることも確かです。理想としては、准看護師を廃止して正看護師資格のみにしたいけれど、現状をみると難しいというところでしょうか。やはり准看護師には「需要があるから」こういう話になるんだと思います。看護師不足の中でどの病院も喉から手が出るぐらい正看護師や准看護師が欲しいわけで、中には特に准看護師を雇用したいという病院も多くあるくらいですので。
准看護学生Y美
はっきりとは決まっていなそうですが、すぐに廃止!というわけではなさそうですね。でも、県単位では准看護師廃止のところもあるわけですし、准看護学校は減っているので准看護師の数は減っていきそうですね。
キャリ姉
正看護師の数と准看護師の数は下記のように直近では推移しています(※日本看護協会調べ)。准看護師が減って正看護師が増えるという大きな流れは確実にあります。2007年に約88万人だった正看護師は2016年には121万人に増えていますし、2007年に約41万人だった准看護師は2016年には34万人に減っています。そしてこの大きな流れは今後も続くのではないかと予想されます。

正看護師と准看護師の人数推移

 

3.准看護師と正看護師の年収の平均格差は?

准看護学生Y美
准看護師と正看護師は年収も差があると聞きましたが、実際はどのくらい違うのでしょうか?
キャリ姉
以下のページに看護師(男女別)と准看護師の年収の比較が載っていますのでまずはチェックしましょう。これを見ると看護師の年収は女性で470万円以上はありますが、准看護師の方は約405万円と年収にして70-80万円ほどの差があります。下記は厚生労働省調べですが、日本看護協会の調査でも「准看護師は正看護師より6.5万円から9万円も月収に差がある」「正看護師と准看護師で生涯年収で4,400万円の差がある」などのデータを公表しています。
准看護学生Y美
え!思っていたよりかなり大きいですね。しかも生涯賃金だと4,400万円という額になってしまうなんて。結構ショックです。
キャリ姉
看護師は女性が多いので、結婚出産をして夫の扶養範囲内でパートで働くことも多いですが、正看護師は時給2000円、准看護師は1700円など時給でも差をつけている求人もあります。たった300円の時給の差でも、1日4時間週3回働いたとして、4時間×3回×4週で月に48時間働くとすると、正看護師は96,000円、准看護師は81,600円で月に14,400円の差、1年になると17万2000円の差になります。一度転職エージェントの検索で准看護師と正看護師の待遇の差を見てみるとイメージが湧きやすいかもしれないですね。

准看護師と看護師の年収の比較

 

4.准看護師と正看護師の働く場所の違いは?

准看護学生Y美
そんなに給料が違うと、やはり正看護師の資格を持っていた方がいいですよね・・・。
キャリ姉
給料もそうですが、正看護師の資格があると働く場所の選択も広がります。冒頭で説明した「自己の判断に基づいて看護を行える」という資格の違いから、救急の指定病院などスピーディな判断が求められる病院などでは、准看護師を募集していないこともあります。

あとは看護師配置基準の「7対1制度」は聞いたことありますか?「7対1制度」は、患者数に対して看護師の数が多いほど基準値が高くなり、質のいい看護を受けることができると認められるため、病院は多くの診療報酬を得ることができるというものですが、その算出に准看護師は数えられないのです。ですから病院は、准看護師を雇うより、診療報酬を得るために人件費がかかってでも正看護師を採用したいというところもあります。近年、大学病院や公立病院や総合病院への准看護師の就職はかなり難しくなっています。また、高度先進医療が展開される場においては、医師をはじめ看護師やその他の医療スタッフにも、知識と技術、判断力が要求されます。もちろん、准看護師にもその資質はありますが、看護学校で一定の知識と技術を身につけている正看護師を採用する傾向が強いようです。

准看護学生Y美
実は私の気になっていた病院も正看護師しか募集していなくて。新人看護師の指導や勉強会も充実していて、福利厚生もしっかりしていると聞いていたのでショックでした。
キャリ姉
まあでも一方で、准看護師を積極的に採用している医療機関もあります。それは病床数の少ない個人の病院やクリニックです。その理由は准看護師の方が正看護師よりも安い賃金で雇用できるからです。正看護師と准看護師は、法律上取り決めに違いがあるものの、実際にはほとんど同じ仕事をしています。ともなれば雇用する側にとっては、「同じ仕事をしてくれるのであれば、賃金の安い方を採用したい」と思うのは仕方のない事です。このような、個人病院、クリニック、そしてその医師たちで構成される医師会の「需要」こそが、准看護師の資格が守られている理由のひとつなのです。

しかし、「准看護師は給料が安い!」とこう何度も連呼されると、いい気持ちはしませんよね。でもこれはあくまでも、正看護師と比べるとということであり、病棟勤務の准看護師のお給料は、一般的な仕事をしている同年齢の女性よりも高いと言われているので安心して下さい。

准看護師の働く場所

 

5.准看護師からキャリアアップ!正看護師になる方法は?

准看護学生Y美
はあ。でも准看護師は給料も少なくて働ける場所も限られるなんて、なんか悲しくなってきちゃいました。将来は正看護学校への進学を考えた方がいいですかね。キャリ姉さんはどう思いますか?
キャリ姉
日本看護協会「准看護師制度について(准看護師学校養成所の卒業状況)」によると、准看護学校を卒業して働かずに正看護師の学校に進学する人は約3割います。逆に約7割は准看護師としての就職を選択しています。ですので准看護師から正看護師を目指すのも決して稀なケースではありません。准看護師が正看護師になるには全日制(2年)、定時制(3年)、通信制(2年)のいずれかを受けて、看護師国家試験に合格する必要があります。通信制は実務経験7年以上が必要など個々に制限はあります。全日制(2年)、定時制(3年)、通信制(2年)の中では最短で正看護師になれるという点で全日制の受講者が多いですね。
准看護学生Y美
今の学校を卒業して准看護師資格が取れたとしても、正看護師になるには最短でもあと2年かあ。お給料や病院選びの面から優遇されることがわかっていても、もう働けるのにまた学生をやるかと思うと考えただけで気が重くなっちゃいますね。お金の話もありますしね。働きながら進学するという人もいるんでしょうか?
キャリ姉
私が以前転職サポートした看護師さんで、准看護師資格を取った後、パートで働きながら全日制の看護学校に通ったという方がいました。勤め先は、進学しながら働く人を応援している病院で、毎月学生支援の補助金が2万円出ていたそうです。勤務時間もかなり考慮してもらい、学校が終わる17時から21時まで遅番で入ったり、学校がない金曜日から土曜日にかけて夜勤に入ったりしていたそうです。そこで、何とかお金を貯めて、実習期間は長期で休ませてもらったりもしたそうです。全日制の学校の授業の後で働き宿題もこなしていくのは正直かなり大変だったみたいですが、同じように働いているクラスメイトと悩みを話したり勉強の進め方を教え合ったりして、必死で乗り越えたそうですよ。結果的には正看護師になって今は総合病院で働いています。

別の看護師さんで、准看護師学校を卒業してすぐには進学しないで、少し時間を置いて正看護師になった方もいました。一旦准看護師で常勤として働いたものの自分の知識不足を痛感して、30歳になる前に正看護師を取りたいと思い、夜間定時制(3年)の学校に通ったそうです。進学した友人から、正看護師の学校は勉強がより専門的で授業についていくのが大変だと聞いていたそうで覚悟して臨んだそうですが、やはり学生をしばらく離れていたので椅子に座って勉強するというだけですごく辛く感じたそうです。しかも、日勤を働いてから勉強するので、体力的にもかなりきつかったそうです。結果的には正看護師になって今は個人病院で働いています。

准看護学生Y美
やっぱり働きながら進学するというのは大変なんですね。今は勉強は大変だけれど、私は実家暮らしだしバイトもしていないから、勉強だけできている今の環境はすごく恵まれているんですね。

准看護師から正看護師になる

 

6.あえての選択<准看護師として働いていくこと>

准看護学生Y美
正看護師になるにはメリットも多いですがやはり上記の2名の方のようにハードな学生生活が待っていますね。正看護師になる魅力はわかってきましたが、准看護師として働き続けていくという選択肢ももちろんあるわけなので、「准看護師として働いていく」ということについても知っておきたいです。
キャリ姉
先ほど説明したように、准看護師学校養成所の卒業状況では、約7割の人が就職を選んでいましたよね。准看護学生Y美さんはまだどういう状況になるのかわからないですが、就職を選ぶ人の中には、正看護師になれば就職先が増えたり給料が増えることがわかっていても、様々な理由で進学にさらに2年は時間もとれない人もいます。家族の介護があったり、お子さんがいる人もいるでしょうし、人の道はそれぞれですので。

准看護師は、確かに「正看護師より給料が低い」「就職先が少ない」という傾向はありますが、それは「絶対」ではないです。求人をしっかり探せば正看護師と准看護師で給与に差がないところもありますし、求人の候補が少ないとはいっても業界全体としては看護師不足なので一般的な職種と比較すると求人は多い方です。ましてやこの超高齢化社会で高齢者施設での看護職の需要は増えていますしね。

准看護学生Y美
はい。私も将来どういう選択をするかはわかりませんが、准看護師として働いてみることももちろんあると思います。准看護師は大学病院のような大きなところへの就職は求人自体が少ないなどの背景があるため難しいかもしれませんが、病床数の多くない病院では准看護師の活躍の場がたくさんあると思いますし、診療所(クリニック)など規模の小さなところや高齢者施設などでは准看護師の需要・求人が増えてきていると思いますので、こういうところでキャリアをスタートさせるのも1つですね。
キャリ姉
色々なケースを想定して動けるといいですね。准看護学生Y美さんの場合は、まず就職が初めてなので、もし進学せずに就職するのであれば研修制度がしっかりしている病院を選ぶことは大切ですよ。働く基礎がしっかりできれば、自信をもってケアができるし、次の就職先の選択の幅が広がるので、訪問看護や外来といった准看護師でも比較的給与が高い場所へ転職もしやすくなります。あとは正看護師になることも常に視野に入れて仕事に望むことで准看護師と正看護師の違いを噛み締めながら看護にあたることができますし、将来本当に正看護師を目指す時にも話がスムーズに進むと思いますよ。
准看護学生Y美
おっしゃる通りですね。研修制度の充実は新人にはとても重要ですし、准看護師としてキャリアをスタートしたとしても将来正看護師を目指すことを想定して働けると仕事に対しての考え方も変わってきますね。
キャリ姉
はい、私の知る看護師さんでも、准看護師の資格からスタートして正看護師資格を取得して今は看護主任をやっている人とか、准看護師としてしばらく働いたあとに医療現場での経験を活かして某大手医療機器メーカーで勤務している人とかもいます。「准看護師だからこう!」という考え方よりも自分でキャリアを切り開いていくような考え方で仕事をしていければ准看護学生Y美さんもより輝くと思います!

准看護師のキャリアメイク

准看護師が転職を成功させるポイント!

准看護師は正看護師と比較した場合に、年収の格差があったり採用先の選択肢が狭まったりというデメリットもありますが、小規模な医療機関や老人施設などを中心に一定の需要があるのも事実です。そんな准看護師の就職・転職の時に大切なのは「情報収集」です。看護職の求人は、巷にいくらでも溢れていますが、准看護師の場合は、例えば求人票に「看護師募集」と書かれていた場合、「正看護師オンリー」のこともありますし「正看護師・准看護師どちらでも」ということもあります。このように、採用側が准看護師を雇用するのか?しないのか?を求人票の情報だけから読み取るのは難しいケースも多いのです。

そこで活用すると心強いのが、マイナビ看護師などの看護師転職エージェントです。転職エージェントなら、病院側の採用基準や雇用状況を知り尽くしていますから、准看護師を積極的に採用している病院を紹介してもらうことが可能です。また、圧倒的な情報量とネットワークで、数少ない大病院の准看護師の求人など、自分では探し出すことのできない優良求人や人気の求人を紹介してもらうことが可能です。上記のような大手の転職エージェントを使えば、あなたの准看護師としてのスキルと看護に対する思いが活かせる最適な就職先探しを効率的に行うことができるでしょう。未登録の方は無料登録から進みましょう。