このデータを見ると従業員1000人以上の超大規模病院に勤める方が総じて年収は高そうです。北海道の人口は20年連続で減少する一方で、65歳以上の高齢化率は3割を超えてきていて、北海道は高齢化が進んでいます(参照URL)。一方で、 北海道が公表している看護職員就業者数の推移(年次・職種別)によると北海道で働く看護師数は約8.5万人いて、介護職員などと共に北海道の高齢化の現場を下支えしています。
いまや9Kとも言われる過酷な労働条件で働く看護師。 北海道で働く看護師も例外ではありません。 そこで気になるのが、北海道の看護師の年収事情です。 今回は、北海道で実際に働く看護師へのインタビューや、行政が発表している公的データなどを参考に、北海道の看護師の年収事情を紹介していきます。北海道の看護師は常勤だけでなく派遣や単発など様々な働き方の方がいますし、勤務先も病院やクリニックだけでなく介護施設や保育園、民間企業など様々です。北海道の看護師年収事情に興味がある方はぜひご参考ください。
1.北海道の看護師の平均年収は約474万円
まずはこちらの記事をご覧ください。
ここに掲載があるのは、2018年に厚生労働省が発表しているデータ(賃金構造基本統計調査)を元に作成した都道府県別の看護師年収です。年収1位「神奈川」532万円、47位「宮崎県」403万円と都道府県ごとに結構な開きがある中で、北海道は平均年収474万円と中堅の22位につけています(決して高給とは言えないですね)。
ちなみに前年度に厚生労働省が発表したデータでも、北海道の看護師年収は47都道府県中19位で約473万円と金額自体は前年と大差はなかったです。ただ順位が19位から22位とやや下がっていて、この背景にあるのは、他府県の看護師の平均年収が上がっていることです(全国で働く看護師の平均年収は、2018年478.3万円から1.6万円増えています)。 都道府県別に見ると、特に1位の神奈川県は、前年と比較すると24.4万円増で順位も5位から1位に上がるなど、高給度合いで言えば著しい成長を見せています。また神奈川などは看護師求人数(常勤・派遣・単発バイトなど含む)も増えているようです。これらを見ると 北海道の看護師年収は金額の数字自体は変わらないものの相対的に高給度合いは低くなってしまっているのかもしれません。
2.北海道ので高給のおすすめ勤務先例3選
北海道で看護師が活躍するにあたり「年収を上げたい」「高給になりたい」という目的に絞って求人を選ぶ場合はどういう職場の候補があるでしょうか?病院でしょうか?介護施設でしょうか?クリニックでしょうか?先述の474万円というのはあくまで平均ですので、病院やクリニックや介護施設によっては、看護師数確保のため、高収入や高待遇を提唱している高給の勤務先も増えています。
北海道に限らずかもしれませんが、年収が高い高給の勤務先で多いのは、高度な医療を提供している大規模病院や専門病院です。 これらの病院は人口が多い地域に特に多く、 中でも北海道で人口が最も多い札幌市には、大規模病院や専門病院が多数あります。以下、求人票で年収が高めのおすすめ勤務先ということで実際に北海道で働く看護師にヒアリングを行いましたので一例としておすすめします。この看護師さんは派遣や単発など様々な勤務経験を北海道でお持ちの方です。
①医療法人 徳洲会 札幌東徳洲会病院
医療法人 徳洲会 札幌東徳洲会病院は、24時間年中無休で診療している病院です。 急性期から慢性期まで、あらゆる疾患に対応できる診療科が揃っています (ホームページURL)。
▲求人おすすめポイント
・高度な医療を提供しているためスキルアップが可能
・教育体制が整っている
・資格取得支援制度あり
・24時間院内保育所完備
・駅から徒歩4分
▲年収の目安:360~600万円
(参照:ナースJJ)
②医療法人 札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック
医療法人 札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニックは、循環器系に強い専門のクリニックです。 病床数は74床と多くありませんが、年収が高く、高度な技術と専門性のある看護を学ぶことができます (ホームページURL) 。
▲求人おすすめポイント
・専門性のある看護を学ぶことができる
・教育体制が整っている
・資格取得支援制度あり
・年間休日123日
・保育料80%補助制度あり
▲▲年収の目安:410~700万円
(参照:ナースJJ)
③社会医療法人 孝仁会 北海道大野記念病院
社会医療法人孝仁会北海道大野記念病院は、高度急性期医療に対応した最先端医療を提供している病院です。最新の診療機器が揃っており、救急医療に力を入れています(ホームページURL)。
▲求人おすすめポイント
・高度な医療を提供しているためスキルアップが可能
・教育体制が整っている
・年間休日120日
・保育所完備
・駅から徒歩6分
▲年収の目安:470~580万円
(参照:ナースJJ)
3.北海道の看護師が年収の高い就職先を選ぶ際の注意点は?
上記の3つの医療機関の求人は一例ですのでご参考にして頂くとして、ここでは北海道の看護師が年収の高い就職先を選ぶ際の注意点ということでをいくつかご紹介します。 「求人票の金に目がくらんで・・・」とならないためのアドバイスです。北海道の看護師さんで「時給だけみて派遣の単発ばかりやっていたらキャリアアップできなかった」など失敗の声も聞きますので是非参考にしてみてください。
- ポイント①年収が高いだけでなく働きやすい職場かを見極める!
「年収さえ高ければ満足!」とは言っても、働きにくい職場の場合、長続きはしません。 例えば、人間関係が悪い職場の場合、毎日仕事に行くこと自体が窮屈になってしまいます。 日本看護協会の発表によると、北海道の看護師は、勤続年数が全国平均に比べて短い傾向にあるようですので注意が必要かもしれません (参照URL)。 平均勤続年数が極端に短い職場は、長続きしない理由があるかも?という疑いの目も持ちましょう。
- ポイント②年収が高いだけでなく自分の適性(向き・不向き)も考えよう!
同じ看護師でも向き不向きというのがあります。 急性期の看護が得意な人もいれば、苦手な人もいます。 年収が高いからという理由だけで、急性期が苦手の看護師が高度な医療を提供している職場に就職しても、結局仕事についていけないというケースも考えられるでしょう。北海道の看護師が年収の高い職場に就職する場合は、自分が働きやすく、長く勤められる職場か、向いている現場なのかを見極めてから判断するようにしましょう。
- ポイント③より高い年収を希望するなら従業員数1000人超えの病院を狙おう!
厚労省発表の「平成29年賃金構造基本統計調査・ 賃金構造基本統計調査に関する統計表」には看護師の従業員数別の平均年収というのも掲載がありますが、このデータを見ると従業員1000人以上の超大規模病院に勤める方が総じて年収は高そうです。これは北海道に限ったことではないですが小さなクリニックより大学病院などの大規模施設の求人の方が年収には恵まれそうです。
- ポイント④寒冷地手当の支給があるかを確認しよう!
北海道は長く寒い冬を乗り越えなくてはなりません。 寒冷地手当がない職場の場合、冬場の暖房費は痛い出費となります。 寒冷地手当が支給されても、寸志程度の場合もあれば、15万円以上支給される場合もあり、職場によってかなり差があります。 寒冷地手当を満足に支給しているということは、年収が高いだけでなく、それだけ待遇面でも条件の良い職場ということにもつながります 。
- ポイント⑤通勤手当の支給があるかを確認しよう!
北海道は公共交通機関の発達していない地域が多いため、車は必須です。 車通勤をしている看護師も多く、通勤手当の支給額は非常に重要になります。 通勤手当には、非課税限度額というものがあり、国税庁により片道の通勤距離で上限額が定められています(参照URL)。 2km以上10km未満は4200円からスタートしてテーブル制になっており、55km以上だと31,600円です。
通勤費は、毎月かかる費用ですので、年収が高いから支給されなくても良いと安易に考えると、後悔する可能性が高いです。 職場によってはkm数によらず一律で定めている場合もありますので、実際にかかる通勤費を計算した上で、損をしない職場を選ぶようにしましょう。
- ポイント⑥北海道の過疎地域で働くのも一つの選択肢
北海道の都市部の年収が高い傾向にある点は言及してきましたが、一方で一部の北海道の過疎地域では、看護師不足が深刻化していて、看護師を確保するために、高収入や高待遇を提唱している病院も少なくありません。 これらの求人を選ぶことで年収を上げている看護師もいます。
年収が高くなるといっても、過疎地域に派遣されて移住するのには抵抗があるという看護師には、ナースパワーの地域応援ナースとして派遣で働くという方法もあります。 これなら、完全移住する必要もありませんし、単発とはいえませんが期間限定の派遣のような感じですし、短期間で年収アップを図ることもできますからおすすめです。 以下求人の特徴を挙げておきます。
・期限付きの勤務
・赴任費用支給
・諸設備付きのアパート完備