看護師から保健師になる！実際に転職した看護師の実例

前職は循環器内科の病棟看護師です。仕事内容は朝来てまず、点滴の準備、昼の服薬準備、オペやカテーテル患者、ペースメーカー埋め込み患者の出棟、帰室を担当。清拭や陰部洗浄、おむつ交換などの清潔ケアから、点滴管理、心電図モニターの監視や記録などもしていました。また、退院後自宅に帰れない（面倒を見てくれる人がいない）患者の退院支援などもしていました。

前職は3年しか務めていませんが、この辺りでは一番給料が良いと聞き入職を決めました。しかし基本給はそれほど高くないと感じていました。基本給22万ほどで標準的、夜勤手当も1回3000円と安かったです。賞与は年4ヶ月分です。1年目は残業はつけてはいけないため年収総額は低かったのですが、2年目に残業も付けれるようになり、年収としては500万ほどだったと思います。

怖い先輩が多くストレスが多かったのが転職理由です。看護師で気の強い人は多く、日によって機嫌が悪い時などがあり、かなり苦手でした。3交代勤務のため、どの先輩と夜勤なのかいつも気にしていました。また、次から次へと高齢者が入院してきて、まさに高齢社会で現場は手に負えないと感じました。認知症で暴れたり暴言を吐くため、入院や治療がままならない人に、何で医療を受けさせないといけないのだろうと思い、やりがいを見失いました。また重症患者やターミナルの患者を看るのが責任が重くて耐えられませんでした。その割には給料はそんなに高くなかったため、貴重な20代、自分の心をすり減らしてまでもやる仕事なのか？と疑問に思い転職しました。自分は保健師資格もあったので保健師の仕事の方が向いているのではないかと考えたというのもあります。

マイナビ看護師とナース人材バンク、看護師ワーカーなど一通りの転職サイトに登録しましたが保健師の求人は少なかったです。でもその中で保健師の求人をなんとか探し、転職エージェントさんに面接や給料などの調整をしていただきました。とにかく一旦看護師ではない仕事がしたかったため一生懸命探しました。健診センターや企業なども視野に入れ、また自分の住んでいる市外も視野に入れ探していただきました。最終的には静岡県内の人間ドック施設に転職しました。

仕事内容はもちろん全然違いますね。人間ドックに来た方への保健相談や、看護師として健診業務（問診、採血、心電図、肺活量、視力、聴力検査など）、また、企業や警察署、市役所などに出向き、特定保健指導を実施しています。健診結果から指導の対象になった方を抽出して、その方たちにパワーポイントを用いて、講話や集団指導もおこないます。それぞれの生活習慣を伺い、どんな改善が必要かを指導します。半年間の指導であるため、目標体重や腹囲を設定し、記録用紙に日々の体重や目標に対しどのくらい取り組めたか書いて送ってもらいます。それに対し、継続的に電話や手紙でアドバイスや励ましのことばを伝え、メタボリックシンドロームや生活習慣病を予防していきます。
年収でいうと土日休み、残業がなくなったため、月１０万ほど給料が下がりました。年収にして３５０万ほどです。前職では、年末年始や祝日の手当て、夜勤手当、残業などがあったため、年収５００万ほどだったと思いますので大幅年収ダウンですね。看護師から保健師になると年収は下がると転職エージェントからも聞いていたのでこの点はある程度想定内でした。

今回の転職の目的でもあった、看護師以外の仕事をする、保健師としての経験を積むことができていることはよかったと思います。忙しい病棟とは違い、ゆったりと仕事をすることができています。また、あまり忙しくないせいか人間関係も良好です。あと夜勤なしで規則的に働くことが出来ることもよかったですね。土日休みなので、家族と過ごす時間が増えましたし。
でも先述の通り給料が下がったことは悪かったことですね。残業もしていないし手当もないので、仕方ないのですが、ストレスはかなり減ったので割り切っています。あとこれは今の職場の立地の問題ですが職場まで毎日朝の通勤ラッシュで渋滞しており、車で１時間以上かかります。毎日遅刻をしないかハラハラしながら運転をしています。事故に遭うリスクもあるし良くないです。電車では通勤しにくい場所にあるのはネガティブ要素かもしれないですね。

これからどんどん高齢社会になり、看護師をはじめとする医療従事者が不足していきます。本当に自分がしたい仕事なのか、それでやりがいを見出せる人はいいと思います。でも私は働き始めたら考えが変わりました。人のために働きたいという気持ちより、自分の人生が楽しくすることを優先しました。もし、今、職場の人間関係や仕事内容に悩んでいるのならば、自分の一度きりの人生を大切にして考えてみてください。せっかくとった国家資格ですが、それに縛られてしまうのも人生楽しくありません。今までの経験はけして無駄ではありません。視野を広く持ってみてください。