この記事では、HCU(高度治療室)への転職経験がある看護師の方に行ったインタビューを基に、HCU(高度治療室)看護師の役割や仕事内容、求人事情、勉強すべきことなどについて紹介していきます。病棟とはまた違う役割を持つHCU(高度治療室)の看護師業務に興味がある方、転職を検討されている方は、ぜひこちらの情報を参考にしてみてください!
1.HCU(高度治療室)の看護師の役割・仕事内容とは?
私は2箇所の病院でHCU(高度治療室)を経験しているのですが、2箇所目の病院にはICU(集中治療室)がありませんでしたので、1箇所目の病院ではICU(集中治療室)で見ていた患者さんも、2箇所目の病院ではHCU(高度治療室)で見ざるを得なかったということもあります。病院の形態によってもHCU(高度治療室)で受け入れる患者層にバラツキはあるのかなという印象です。
2.HCU(高度治療室)の看護師が勉強すべきことは?
オススメは、とにかく1日の担当患者さんの復習をすることに尽きます。ですが、頑張りすぎるとプライベートにも影響しますので、自分に余裕のあるときに、自分の得意な分野からでもいいので振り返る癖を身につけられると良いかなと思います。
なぜこの指示が出されたのかを考えずに処置にあたってしまうと、間違いや異変に気付くことができず、思わぬ事故に繋がる可能性も高いですので、わからないことや腑に落ちないことは自分で学習し、最終的には知識のある先輩や医師に確認していくことができると、自分のスキルアップにも繋がっていくかと思います。
また、急性期だし…と大船に乗らずに、患者さんと家族に寄り添う気持ちも大切です。受傷直後で患者さんも家族もかなり不安を感じられています。また、集中治療室に入っているというだけでも「大丈夫なのかしら」という気持ちや、退院後はどうなるの?という思いで溢れています。
最近では、入院後すぐに行う退院支援が重視されていますので、その一環としても患者さんと家族の思いを聴取し、カンファレンスで多職種で相談し合うことが、より質の高い看護の提供と、患者さんのQOLを維持するためには欠かせないことにもなります。
3.HCU(高度治療室)の看護師の求人はどのように探す?給料や待遇は?
また、現在の病院内でHCU(高度治療室)に異動したいという場合も、面談で師長や看護部長とよく相談し人事配置の考慮をしてもらうことが1番です。ただ、集中治療室希望の看護師は多いと以前コンサルタントの方に言われたことがありますので、しっかりとキャリアを積んでからの異動や転職も必要になってくる可能性があります。
私がHCU(高度治療室)に勤務したのは、一般病棟から院内のHCU(高度治療室)に異動したことが1回と、ベネッセMCMに登録し派遣看護師を探している時に、丁度HCU(高度治療室)を設立するという大学附属のセンター病院へ契約社員として設立時に携わったことの計2回です。ベネッセMCMでコンサルタントの方からお声がけいただいたのは、恐らく元々HCU(高度治療室)の経験があり、勤務場所も自宅から遠くない場所にあったという理由でした。
しかし、私の経験上、求人サイトを介した転職の際は、筋の通った理由さえあれば、コンサルタントの方が病院と話し合い、配属先を考慮してくれることが多いので、HCU(高度治療室)などの急性期病棟でキャリアを積みたいことをしっかりと伝えると、もしかすると未経験の場合でもHCU(高度治療室)への転職が実現するかもしれません。もしも同じ病院内のHCU(高度治療室)への異動を希望する場合は、面談の時に師長や看護部長に人事の配慮をしてもらえるよう交渉するとよいかと思います。
ただ、ハイケアユニット入院医療管理料1をとる病院は、H28年は422施設、H29年は493施設、H30年は530施設と年々増えていますので(参照:厚生労働省・中央社会保険医療協議会「主な施設基準の届出状況等」)、今後はHCU(高度治療室)の需要が高まり、看護師の求人も増えるかもしれませんね。
病院によっては、HCU(高度治療室)の設立や増床によって少し入職者の給与ベースを上げているところもあるかとは思いますが、大手転職サイトの求人を調べてみても、募集要項にHCU(高度治療室)やICU(集中治療室)があるからといって、特別給料の待遇がいいように見える求人は見つかりませんでした。下記はマイナビ看護師でHCUの求人を調べた一例ですが、給与ベースは他の部署と一律で、特別な手当なども記載はありません。
【マイナビ看護師の求人の一例】
HCU(高度治療室)の看護師の役割や仕事内容、求人探しの方法などについてご紹介しました。HCU(高度治療室)の看護師の求人は単体で募集することは少なく、一般病棟を含めたさまざまな病棟で募集がかかり、希望や適性をみて配属が決まることが多いようです。しかし、転職サイトのコンサルタントを介した場合は、希望を考慮した配属になることもあるので、HCU(高度治療室)に興味がある方はぜひ伝えてみましょう。
ほかの病棟HCU(高度治療室)などの集中治療室は、日々勉強をし続けなければいけない病棟です。しかし、患者さまのいちばん辛い時期にケアができる急性期ならではのやりがいもあります。HCUにいた頃は大変な状態だった患者さまが、一般病棟にいってリハビリに励んでいる姿を見ると、なんとも感慨深い気持ちになります。しかし一方で、入院してきた初日からわかる「どうしても助けられない命」と遭遇する機会も大変多い病棟でもあります。最終的な自分の目標と理想に合った病棟を選択できることが一番大事です。