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看護師長Kさん、60歳。二人の息子を育てながら公立病院に約30年勤務し、先日定年退職の日を迎えました。退職金は推定2000万円。お子さんも独立しており、退職後はご主人とのんびり過ごされるのかと思われましたが、現在、元の職場の地域医療連携室で働いています。Kさんの他にも、この病院には定年退職後も勤務している看護師や医療事務員が何人かいます。これは医療職に限ったことではなく、一般企業においても定年退職後にまた同じ職場で働く人がたくさんいます。これは定年後再雇用制度が適用されているからです。

医療の進歩と公衆衛生の普及、健康意識の向上、生活の変化などにより、日本人の平均寿命は世界トップレベルとなり、長い余生の経済的安定、そして高齢者の高い労働意欲に対応するため、国は高齢者雇用安定法を改定し、定年を段階的に65歳まで引き上げるよう雇用主に求めました。そのため

定年を65歳にする

定年をなくす

定年年齢は60歳のままで、退職後再雇用という形で65歳までの勤務機会を与える

という3つの選択肢が与えられました。そして、もっとも多くの企業や事業所が取り入れたのが、③の定年後65歳まで再雇用という方法でした。理由は、現職の給与や待遇のまま定年年齢を引き上げたり定年制度そのものをなくす方法と比べて、企業が負担する人件費が安く抑えられるからです。とは言え、人件費の負担が増すことは避けられません。そこで企業は、様々な規定や条件を設け、それに該当する人のみ再雇用を行ってきましたが、平成25年度より希望者全員の65歳まで継続雇用が義務付けられるようになり、定年後の再雇用は一気に拡大しました。もちろん、これは希望者ですので、定年後のんびり暮らすという選択肢も残っています。

★定年後再雇用はなぜ推奨されるのか?

そもそも国は、なぜこのように65歳までの定年年齢引き上げや再雇用を強く推し進めるのでしょうか?それは、先にも書いた平均寿命は延びたことによる老後の収入源確保や、強い労働意欲に対応するためでもありますが、もっと大きな理由は、将来的な年金支払い時期の引き上げへの準備です。国は年金の給付年齢を段階的に65歳まで引き上げる考えを示しており、60歳定年退職のままでは、労働収入も年金収入もない空白期間ができてしまうのを防ごうとしているのです。まだまだ体力もあるし、65歳まで働くことができてよかったと言うよりは、65歳まで働かなければいけない現実が迫ってきているのです。専門家は、将来的には年金の給付開始年齢が70歳まで引き上げられる可能性も示唆しており、そうなると更に定年後の収入確保、仕事の継続が問題になってくることでしょう。

★看護師の定年後再雇用

定年後再雇用は国にとってはよい制度ですが、企業にとっては人件費の増加や社内の活性化が図れないなどの問題点があり、特に大企業で再雇用を躊躇する傾向があります。反対に中小企業では再雇用が進んでおり、これは人手不足な企業ほど人材確保のために再雇用制度を積極的に行っているからと言えます。その点を踏まえると、慢性的かつ危機的人手不足に悩む看護師にとって、再雇用制度は人材を確保するうえで非常に有効な手段だと言えるでしょう。特に看護師は経験が重視される仕事ですから、経験豊かな看護師が長期間業務に携わってくれることは病院経営にとってもプラスです。

しかし、ここでもやはり人件費という問題が残りますし、いくら経験と知識が豊富と言っても体力的な問題も生じてきます。そこで一般的に看護師の再雇用は、一旦定年退職をした後に新たな雇用契約を結び、給与や勤務時間、勤務体制を見直し、非常勤勤務のようにこれまでよりも負担の少ない仕事につくことで、給与も低く設定し、雇用する側・される側の負担が軽減されていることが多いようです。定年後もこれまでと同じ職場で働くことは、環境の変化もなく看護師にとっても理想的です。しかし、勤務形態によって社会保険や厚生年金の適用が除外されることもありますので、事務に詳しい人からきちんと説明をうけるようにしましょう。

また、労働意欲はあるけれども定年後はこれまでとは違う職場で看護師の資格を生かして働きたいという人は、定年後の再就職も積極的に受け入れている医療機関への転職や、看護師の活躍が著しい介護福祉関連施設での仕事もあります。新しい労働力として見直される定年退職者に対する雇用機会は今後ますます拡大されていくことが予想されます。マイナビ看護師のような看護師転職支援サイトでは、定年間近あるいは定年後の雇用に関する情報や求人もたくさん扱っています。医療職に特化したサービスですから、医療機関の就職に詳しいだけでなく人事担当者とのつながりも深く、他では得ることができない情報も多く寄せられています。