年収600万以上・残業なし等の「人気求人」をランキングで見る

ランキング1位看護roo! 1位 ランキング2位看護師ワーカー ランキング3位レバウェル看護 レバウェル看護  

この記事では、重症心身障害児病棟への転職経験がある看護師の方にインタビューを行い、重症心身障害児看護師の求人探しや転職時のポイント、病棟勤務の役割、役立つ資格、転職時の志望動機の注意点などについて紹介しています。

重症心身障害児看護師に興味がある方、転職を検討されている方には役に立つ情報が満載です!転職先の病院選びに失敗しないために、ぜひこちらの情報をお役立てください。

1.重症心身障害児の看護師求人探しのポイント3選

キャリ姉
これまでの簡単な経歴と、重症心身障害児看護師の求人を探すときの注意点やポイントを教えてください。
重症心身障害児看護師経験者Fさん
私は看護師経験7年で、重症心身障害児病棟での勤務経験が2年あります。また、他急性期病棟への転職回数は3回あります。私が実際の転職活動で感じた重症心身障害児看護師の求人・転職のポイントは3点あると考えています。

①国立・県立などの重傷心身障害児病棟のある病院、もしくは施設を探そう!

②転職の際は重症心身障害児の年齢層や重症度を確認しておこう!

③転職の前に聞きにくくても待遇面での確認は徹底的にしておくべし!

 

①国立・県立などの重傷心身障害児病棟のある病院、もしくは施設を探そう!

重症心身障害児看護師経験者Fさん
重症心身障害児看護師の求人は障害児支援の観点からも全国の国立や県立の病院が必ず運営しており、それに加えて私立病院での受け入れも行っているため日本全国に求人はあります。重症心身障害児施設の求人としてよくある私立の病院よりも基本的に国立や県立病院の方が福利厚生面での待遇がよく、基本給も高く設定されています。

多くの看護師転職サイトを見ても、国立・県立病院の重症心身障害児施設の求人はそもそも病院側が求人を出していない場合や、最初の数か月は非正規で仕事をして公務員試験に合格してから正規採用という形をとっているため目につきにくいですが、公務員での待遇は都市部を除いてほとんどの場合私立病院の方がよいということはありませんので、好待遇での転職を希望されるのであればお勧めです。

重症心身障害児看護師経験者Fさん
上記はナース人材バンクに掲載されている求人のひとつです。この求人は公務員扱い、もしくは準公務員扱いの求人となるため勤務開始後に公務員試験を受ける必要があります。4月に入ることを例にすると7月ごろに試験があるためその試験に合格後正規採用となります。それまでは臨時職員という扱いになり、待遇も日雇い状態になります。

デメリットが多いように感じますが、月の給与は夜勤も入れれば4万程度つくため手取りで22~24万程度は間違いなくあります

キャリ姉
臨時職員でも十分な給料がもらえるということですね。やっぱり日雇い状態は不安定なように思いますが、それでも公務員の求人を探すほうがおすすめですか?
重症心身障害児看護師経験者Fさん
はい。私は同じ公務員待遇の病院での勤務経験があり、臨時職員から公務員試験にも受かったことがあるため私の体験談になります。

手取りについては少なめに見積もりましたが毎日1万以上の扱いで22日勤務、夜勤手当、通勤手当など加算してこの計算になります。私の場合は田舎の病院でしたが、残業も多くありましたので手取りで30万超えたこともあります。(当時の年齢25歳で経験加算なし)

その代りに公務員試験に受からなければボーナスの支給がほぼないため注意が必要です。また、公務員試験に受かったとしてもすぐに公務員となるわけではなく、次の年度から公務員として再雇用となることがほとんどです。そのため、入職した年度のボーナスと次年度初めのボーナスまではほとんどの場合寸志、もしくは全額支給されないためその点にも注意が必要です。

例外として、公務員試験合格後すぐに12月から正規雇用としてくれる場合があり、その場合は次年度のボーナスも満額支給されます。この取り決めは県、もしくは国の裁量で行っているらしく病院に決定権はありません。

国立、県立病院などの大きな規模の重症心身障害児施設の求人は、サイトを見ても見当たらないことがほとんどです。そのため直接電話連絡をすることや、病院のホームページを確認すると求人を出していることが多く、私も実際転職の際にホームページを確認して自分で連絡をとってみると募集していることは多々ありました。

この理由について病院側に確認すると、求人サイトの利用は大きい病院になるとしなくても人が集まる傾向にあることと、求人サイトや転職サポートを経由しての雇用は紹介料金としてお金がかかることや、手続き上の問題から求人を出していないとのことでした。

キャリ姉
重症心身障害児看護師の求人を探すなら、民間の求人サイト以外の方法も含めて、国立や県立など大きな病院の求人を探していくのがいいということですね。

 

②転職の際は重症心身障害児の年齢層や重症度を確認しておこう!

重症心身障害児看護師経験者Fさん
年齢層や重症度についてですが、重症心身障害児施設の患者さまは『児』と名前がついているため小児ばかりに思われがちですが、むしろ高齢の方が多い傾向にあります。重症心身障害児は発達段階で障害が見つかり専門機関に入所しているため基本的にほとんどの時間を重症心身障害児施設、もしくは病院内で過ごします。そのため場所によっては『児』なのに50歳以上しかいないとかもあり得ます。

また、重症度は年齢にも比例していく傾向にありますが、寝たきりの患者様や医療度の高い患者様(呼吸機装着患者やCVC挿入中、経管栄養中など)が多くいる場所は、寝たきりの患者様が多いため看護師側の負担もかなり大きいものになります。勉強をしたいとの思いがある方は逆に良いかもしれませんが、どちらを選ぶにしても把握しておいて損のないことだと思います。

キャリ姉
重症心身障害児施設という名称から勘違いしがちですが、小児よりも高齢の方が多い傾向があり、寝たきりの方が多い場合もあるということですね。

 

③転職の前に聞きにくくても待遇面での確認は徹底的にしておくべし!

重症心身障害児看護師経験者Fさん
③の待遇面の事前確認については、重症心身障害児施設への転職に限ったものではありませんが、転職の際はしっかりと確認しておく必要があります。看護師だからどこの病院も変わらないと思いがちですが、例えば経験加算をとってもらえる病院であることや、手当の内訳などは特に見落としがちです。

経験加算については看護師歴5年で採用してくれる病院はその病院の5年目の看護師とほとんど同じ待遇になりますが、これがない病院もあります。また、これまでの経験が生きる領域で有れば加算してくれる場合や、産婦人科→精神科などの場合はとってくれないことも多いです。事前に聞かれないとわざわざ教えない病院がほとんどであるため注意が必要です。

手当についても、私が働いていた重症心身障害児病院では¥25.000/月の危険手当がついていました。

下記は一例ですが、「独立行政法人国立病院機構職員給与規程」によると、重症心身障害病棟に勤務する看護師は25,000円の殊業務手当がついていることがわかります。これがある病院もあればない病院もあります。病院探しのポイントとして、待遇面の見落としは絶対NGであるためよく覚えておいてください。

 

2.実務経験から学ぶ重症心身障害児看護師の役割とは?

キャリ姉
実際の経験をふまえて、重症心身障害児施設の看護師の役割や仕事内容を教えてください。
重症心身障害児看護師経験者Fさん
重症心身障害児病棟での基本的な業務や役割は療養上の世話がほとんどです。これはおむつ交換や食事介助、入浴介助がこれに当たります。それに加えて服薬管理や、点滴管理、呼吸器装着中の患者様の機器管理や胃瘻増設患者の栄養管理など一般病棟よりは医療行為は少ないですが体力勝負なところがありハードな印象です。

その代わりに業務はルーチン業務であることが多く、急変や入院などイレギュラーへの対応はほとんどないため、定時に始まり定時に帰れることがほとんどです。患者様の入れ替わりもほぼないため、朝から情報収集に時間をかけることもありません。

余談になりますが、私が初めて働いたときに一番衝撃だったことは患者様のベッドです。一部の患者様のみですが、檻のような形状になっており、そこに患者様が寝ていたり、こちらに手を振ったりしています。後で分かったのですが、通常のベッドでは患者様の安全を守ることが困難であるためこのような形状になっており、働いた私としては人をこのような扱いをしてよいのか、とジレンマのように感じる部分が多くありました。

 

3.重症心身障害児看護師の実務に役立つ資格は?

キャリ姉
看護師にはさまざまな認定資格などがありますが、重症心身障害児看護師として実務を行ううえで役立つ資格はどんなものですか?
重症心身障害児看護師経験者Fさん
業務上で役立つ資格、スキルアップしていく部分については、業務のほとんどで食事介助に関わる面が多いため摂食嚥下の勉強会への参加や、日本重症心身障害福祉協会認定の重症心身障害看護師認定という資格をとることがおすすめです。

 

【日本摂食嚥下リハビリテーション学会】

日本摂食嚥下リハビリテーション学会HP

【日本重症心身障害福祉協会】

日本重症心身障害福祉協会HP

重症心身障害児看護師経験者Fさん
勉強会は、日本摂食嚥下リハビリテーション学会や看護協会、各病院が主催して開催しています。高度な知識(その分野の最先端)は学会や看護協会が主催で行っています。各病院内の勉強会は大きい病院になると定期的に開催しなくてはならない決まりになっていますが内容は参考書などで勉強できるような範囲が多いです。(※医師主催の勉強会はかなりレベルが高めです)

院内では週、月単位で様々な分野の勉強会が開催されます。勉強会への参加は、どの病院も基本的に強制ではないですが、院外勉強会への参加を積極的にしていると上司や同僚からの評価は高くなり、ボーナスなどに評定に響くことがあります。定期的に勉強会参加の有無をチェックされます。

重症心身障害看護師認定の資格については専門性を高めるメリット以外にも、病院であれば他の病棟への異動の可能性を下げるメリットもあります。専門性の高いスタッフを他の全く違う分野で働かせることは、病院経営側としてもメリットとは言い難いことが理由です。

 

4.重症心身障害児看護師に転職する際の志望動機は?

キャリ姉
重症心身障害児の看護師は専門性の高い分野に携わることになると思いますが、未経験から重症心身障害児施設への転職の場合、志望動機でどのようにアピールすればよいのでしょうか?実際の転職経験や、病棟勤務の視点をもとに教えてください。
重症心身障害児看護師経験者Fさん
仰る通り、重症心身障害児は通常の看護師であればほとんど関わることのない専門性の高い分野です。そのため志望動機は専門性を高める意欲のアピールが最も重要です。具体的には病棟に勤務してから目指したい資格や専門性を高める勉強会への参加を例に出してアピールすることが有効です。例としては下記のようなものです。

 

【専門性を高める意欲を盛り込んだ志望動機の例】

「私が貴院で働く際には、より専門性を高めるため日本重症心身障害福祉協会認定の重症心身障害看護師認定資格の取得や、摂食嚥下の勉強会などに積極的に参加したいと思います。」

 

重症心身障害児看護師経験者Fさん
実際の資格名や自分の勤務後のビジョンまで例に出すことが出来れば、面接官からの印象は間違いなく良いものになります。
キャリ姉
未経験でも、重症心身障害児看護の具体的な資格名や勉強名を出すことで、きちんと調べていることと勉強意欲のアピールになりますね。
重症心身障害児看護師経験者Fさん
はい。また、重症心身障害児は認知機能と身体機能の両方に一定以上の障害があるため、意思疎通が困難なことがほとんどです。そんな中でも目、耳、鼻など全身の五感を使い、普段と変わりない患者の状態でも些細な変化に敏感に気づくことが重要です。この意思疎通がとれない方に対する関わりとは、重症心身障害児看護の大きな特徴であると私は思います。そのため、下記のような内容を盛り込むことも有効でしょう。

 

【特殊病棟への事前理解をアピールした志望動機の例】

「私が貴院で働く際には、障害のため意思疎通がとれない患者様と接する特殊な環境下でも、自分の五感を使って些細な変化にも気づくことのできる観察眼を身に着けたいと思います。」

 

重症心身障害児看護師経験者Fさん
このようなアピールは、重症心身障害児病棟でのその人が看護を行っている姿を具体的にイメージしやすく、特殊病棟に対する事前の理解が深いとの印象を持たれるため良いアピールポイントになると思います。

 

重症心身障害児看護師の求人探しのポイントは?

重症心身障害児看護師の求人探しや転職のポイント、仕事内容や役割、実務に役立つ資格や勉強会、志望動機のポイントなどを紹介しました。重症心身障害児看護師の求人探しは、国立、県立病院など規模の大きな病院をメインに探し、求人がなくても働きたい病院があればホームページを確認するなどして直接連絡までしてみるのがお勧めです。また、転職前に給与面や業務内容の確認はしっかりとしておきましょう。病院担当者でも転職サポート担当者でも構いません。そして、役立つ資格は業務に直結するものを選択し、志望動機は働き始めた自分とその先まで考えたビジョンを明確にして臨みましょう。