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この記事では、重症心身障害児病棟への転職経験がある看護師の方にインタビューを行い、重症心身障害児看護師の求人探しや転職時のポイント、病棟勤務の役割、役立つ資格、転職時の志望動機の注意点などについて紹介しています。
重症心身障害児看護師に興味がある方、転職を検討されている方には役に立つ情報が満載です!転職先の病院選びに失敗しないために、ぜひこちらの情報をお役立てください。
1.重症心身障害児の看護師求人探しのポイント3選
①国立・県立などの重傷心身障害児病棟のある病院、もしくは施設を探そう!
②転職の際は重症心身障害児の年齢層や重症度を確認しておこう!
③転職の前に聞きにくくても待遇面での確認は徹底的にしておくべし!
①国立・県立などの重傷心身障害児病棟のある病院、もしくは施設を探そう!
多くの看護師転職サイトを見ても、国立・県立病院の重症心身障害児施設の求人はそもそも病院側が求人を出していない場合や、最初の数か月は非正規で仕事をして公務員試験に合格してから正規採用という形をとっているため目につきにくいですが、公務員での待遇は都市部を除いてほとんどの場合私立病院の方がよいということはありませんので、好待遇での転職を希望されるのであればお勧めです。
デメリットが多いように感じますが、月の給与は夜勤も入れれば4万程度つくため手取りで22~24万程度は間違いなくあります。
手取りについては少なめに見積もりましたが毎日1万以上の扱いで22日勤務、夜勤手当、通勤手当など加算してこの計算になります。私の場合は田舎の病院でしたが、残業も多くありましたので手取りで30万超えたこともあります。(当時の年齢25歳で経験加算なし)
その代りに公務員試験に受からなければボーナスの支給がほぼないため注意が必要です。また、公務員試験に受かったとしてもすぐに公務員となるわけではなく、次の年度から公務員として再雇用となることがほとんどです。そのため、入職した年度のボーナスと次年度初めのボーナスまではほとんどの場合寸志、もしくは全額支給されないためその点にも注意が必要です。
例外として、公務員試験合格後すぐに12月から正規雇用としてくれる場合があり、その場合は次年度のボーナスも満額支給されます。この取り決めは県、もしくは国の裁量で行っているらしく病院に決定権はありません。
国立、県立病院などの大きな規模の重症心身障害児施設の求人は、サイトを見ても見当たらないことがほとんどです。そのため直接電話連絡をすることや、病院のホームページを確認すると求人を出していることが多く、私も実際転職の際にホームページを確認して自分で連絡をとってみると募集していることは多々ありました。
この理由について病院側に確認すると、求人サイトの利用は大きい病院になるとしなくても人が集まる傾向にあることと、求人サイトや転職サポートを経由しての雇用は紹介料金としてお金がかかることや、手続き上の問題から求人を出していないとのことでした。
②転職の際は重症心身障害児の年齢層や重症度を確認しておこう!
また、重症度は年齢にも比例していく傾向にありますが、寝たきりの患者様や医療度の高い患者様(呼吸機装着患者やCVC挿入中、経管栄養中など)が多くいる場所は、寝たきりの患者様が多いため看護師側の負担もかなり大きいものになります。勉強をしたいとの思いがある方は逆に良いかもしれませんが、どちらを選ぶにしても把握しておいて損のないことだと思います。
③転職の前に聞きにくくても待遇面での確認は徹底的にしておくべし!
経験加算については看護師歴5年で採用してくれる病院はその病院の5年目の看護師とほとんど同じ待遇になりますが、これがない病院もあります。また、これまでの経験が生きる領域で有れば加算してくれる場合や、産婦人科→精神科などの場合はとってくれないことも多いです。事前に聞かれないとわざわざ教えない病院がほとんどであるため注意が必要です。
手当についても、私が働いていた重症心身障害児病院では¥25.000/月の危険手当がついていました。
下記は一例ですが、「独立行政法人国立病院機構職員給与規程」によると、重症心身障害病棟に勤務する看護師は25,000円の殊業務手当がついていることがわかります。これがある病院もあればない病院もあります。病院探しのポイントとして、待遇面の見落としは絶対NGであるためよく覚えておいてください。
2.実務経験から学ぶ重症心身障害児看護師の役割とは?
その代わりに業務はルーチン業務であることが多く、急変や入院などイレギュラーへの対応はほとんどないため、定時に始まり定時に帰れることがほとんどです。患者様の入れ替わりもほぼないため、朝から情報収集に時間をかけることもありません。
余談になりますが、私が初めて働いたときに一番衝撃だったことは患者様のベッドです。一部の患者様のみですが、檻のような形状になっており、そこに患者様が寝ていたり、こちらに手を振ったりしています。後で分かったのですが、通常のベッドでは患者様の安全を守ることが困難であるためこのような形状になっており、働いた私としては人をこのような扱いをしてよいのか、とジレンマのように感じる部分が多くありました。
3.重症心身障害児看護師の実務に役立つ資格は?
【日本摂食嚥下リハビリテーション学会】
【日本重症心身障害福祉協会】
院内では週、月単位で様々な分野の勉強会が開催されます。勉強会への参加は、どの病院も基本的に強制ではないですが、院外勉強会への参加を積極的にしていると上司や同僚からの評価は高くなり、ボーナスなどに評定に響くことがあります。定期的に勉強会参加の有無をチェックされます。
重症心身障害看護師認定の資格については専門性を高めるメリット以外にも、病院であれば他の病棟への異動の可能性を下げるメリットもあります。専門性の高いスタッフを他の全く違う分野で働かせることは、病院経営側としてもメリットとは言い難いことが理由です。
4.重症心身障害児看護師に転職する際の志望動機は?
【専門性を高める意欲を盛り込んだ志望動機の例】
「私が貴院で働く際には、より専門性を高めるため日本重症心身障害福祉協会認定の重症心身障害看護師認定資格の取得や、摂食嚥下の勉強会などに積極的に参加したいと思います。」
【特殊病棟への事前理解をアピールした志望動機の例】
「私が貴院で働く際には、障害のため意思疎通がとれない患者様と接する特殊な環境下でも、自分の五感を使って些細な変化にも気づくことのできる観察眼を身に着けたいと思います。」
重症心身障害児看護師の求人探しや転職のポイント、仕事内容や役割、実務に役立つ資格や勉強会、志望動機のポイントなどを紹介しました。重症心身障害児看護師の求人探しは、国立、県立病院など規模の大きな病院をメインに探し、求人がなくても働きたい病院があればホームページを確認するなどして直接連絡までしてみるのがお勧めです。また、転職前に給与面や業務内容の確認はしっかりとしておきましょう。病院担当者でも転職サポート担当者でも構いません。そして、役立つ資格は業務に直結するものを選択し、志望動機は働き始めた自分とその先まで考えたビジョンを明確にして臨みましょう。