目次
1.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較①リーチできる求人情報の差
看護師が転職をする場合、ぜひ利用したいサービス。それが「看護師転職エージェントによる転職サポート」です。忙しい看護師に変わって転職先を見つけてくれるだけでなく、お給料や休日数といった直接交渉しづらいようなことも交渉を代行してくれるサービスですが、看護師の中には「転職エージェントは転職する看護師を使ったお金儲けをしているんだから使うべきではない」「転職エージェントの言いなりになってしまい希望とは全く違う職場へ転職させられた」なんていう意見も聞かれます。ここでは看護師転職エージェント利用のメリットや自分で採用先に直接応募をする際の比較などをご紹介します。
あと転職相談X美さんは「検索すれば求人情報は出てくる」とおっしゃいましたが、実は検索してたどり着いているサイトも看護師転職エージェントが運営しているサイトだったりするんですよ。エリアや条件を指定して・・・みたいなよくある作りのサイトの大半は看護師転職エージェントが運営しています。ここで注意して欲しいのは、確かに看護師転職エージェントのサイトでは、登録しなくてもたくさん求人情報が載っていますが、それはあくまで目安程度に考えないといけないということです。なぜかというと、公開されている情報は実はごく一部ですし、そもそも終了している案件もまだ載ってたりします。「掲載された施設へ詳しい話を聞きたいと直接問い合わせたところ、すでに募集は締め切っていると言われた」なんていう話もよく聞きます。賃貸の家を探す時に不動産業者で同じような感じになったことありませんか?「ネット上でいい物件があったから問い合わせをしたら埋まってた」みたいな話です。要は自分でネット上で情報を集めようとしても限界があるということです。最新の正しい情報を手に入れるにはやはり看護師転職エージェントの担当者とやりとりをして情報収集をするというのが最短ルートなんです。
「看護師転職エージェントの必要性」を少しは感じて頂けましたか?自分で検索して直接応募のスタイルで転職活動をしてもリーチできる情報に限界がありますし、そもそも情報収集に莫大な時間がかかって非効率です。転職エージェントは、そういった「非効率な転職活動」を「効率的な転職活動」に変えるべく万策を尽くしてくれます。「非公開求人を紹介してもらえる」「最新の募集情報がわかる」という点だけで、十分転職エージェントを使う価値はあるんですが、その他にもメリットはたくさんあるんです。
2.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較②WEB上にない情報を得られる
例えば転職相談X美さんが「この施設のボーナスは何ヶ月分なのか」ということを調べたいとします。求人票は「賞与あり」という記載のみで、実際にいくら支給されるのかについての記載はどこにもないというケースです。もし社内に情報があればすぐに「〇年現在で〇ヶ月分ですよ」と回答しますし、キャリアなどで異なる場合は詳細をリサーチしてから具体的に伝えます。なぜここの情報を正確にするかというと結局ウソを伝えてもあとで仕事を辞められても困りますし、他の看護師さんからの悪評に繋がるだけだからです。そういった意味で看護師転職エージェントは病院寄りではなく中立からやや看護師寄りというイメージでいいと思いますよ。
3.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較③日程調整・書類作成代行・試験対策
自力で直接応募で転職活動をするとなると、相手側が対応可能な時、すなわち平日の日中に電話連絡しなくてはいけないケースが多くなります。そのため、なかなか日程調整ができず、その結果ズルズルと転職時期がずれてしまうという悩みが出てきます。担当者さんに電話がつながらないことも珍しくなく、見学日の調整だけで時間がかかったというケースもあります。1人で転職活動をすると、結果として予定していたよりも転職活動を行う期間が長くなってしまうなどの話も聞きます。転職エージェントを使えば、確実に期限までに転職できるように日程調整もしてくれますので、安心して転職活動をすることができます。
あとは面接や試験の対策も行ってくれます。どういったことを聞かれやすいのかといった情報は、一般的なものはあったとしても、その病院特有のものは出回ってないでしょうし、これは非常に役に立ちます。実際に模擬面接という形で練習に付き合うこともあります。これまでたくさんの看護師の転職をサポートしてきた実績から「この施設はどういった質問をしてくるのか」「どういった人材を求めているのか」といった情報も収集済みのケースが多く、面接前などに試験対策を行うことができるんです。求人情報に限らず、こういった試験対策についての情報を集めやすいという意味でも、転職エージェントを使うメリットはあるといえるでしょう。
4.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較④言いにくいことを発言しやすい
5.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較⑤円満退職をサポート
私の知る看護師さんで、退職を決意した日に師長へ「退職したい」と伝えたところ、開口一番言われた言葉は「え、ダメよ。実は〇〇さんも妊娠しているから、夜勤ができる人がいないの。だから無理」というものだったそうです。本当は病棟の人事事情を部下へ伝えることは適切でないんですが、この看護師さんはそんなことより先に自分が辞めれないかもしれないという不安が先行したそうです。24時間のシフト制勤務で、こちら側も自分が抜けることがいかに周囲へ影響を及ぼすかがわかっているので、余計不安に感じたそうです。そのためその看護師さんは、それ以上強く「辞めます」と自分の意見を突き通すことができず、そのまま退職の意図は宙ぶらりんとなってしまったそうです。結局その看護師さんの場合は何回も「家庭の事情」について繰り返し説明し、退職の意思を伝えてから半年後、ようやく部長から退職の許可を得ることができました。
その看護師さんが退職が決まるまでの間、一番辛かったことは「退職について周囲に相談できなかったこと」だそうです。職場の同僚ということは、つまり「今後もその病院で働く予定の職員」であり、その人たちへ退職の相談をするというのはふさわしくありません。家族にも相談したようですが、自分以外みんな看護師ではないため、「退職したいといえば、退職させてもらえるでしょ?」という言葉を投げかけられてしまったそうで、同じ医療従事者からも「看護師はいくらでも仕事があるんだから、無理矢理辞めちゃえばいいんじゃない?」と言われてしまう状態だったそうです。何度も「身近に相談できる人がいたらな」と思ったそうです。
その点、転職エージェントを使った場合は、退職についても担当者がサポートしてくれます。例えば「退職が認められず転職日を明確にできないために転職開始時期が決められない」という悩みについて、先に転職先を決めてしまい「転職先が決まっているので〇日までに退職できないと困ります」というように伝えることで認めざるを得ない状況を作るというように、自分がどのようにすればよいのかを具体的にアドバイスしてくれるのです。初めてのことが多い退職の交渉で、専門家に具体的にサポートしてもらえるというのは、精神的にとても安心できると思います。
6.看護師転職エージェント経由と直接応募の比較⑥転職以外の相談も乗ってもらえる
「転職時期は未定」というアバウトな内容で登録していたんですが、折り返しをした私からの電話で、その看護師さんは思わず泣き出してしまいました。「先輩から毎日のように、あなたは甘やかされて育ったからこんなこともできない、と自分のみならず親の悪口を言われおりとても辛い」「師長へ悩みを相談したら、次の日から先輩からもっとひどいことを言われるようになった」「同期に相談したいけれど、他の子たちも自分が標的になりたくないからか、私だけ距離を置かれてしまっている」などの悩みを抱えているようでした。地元の親を心配させたくないという思いが強かったこの看護師さんはこれらをずっと一人で抱え込みながら仕事を続けていたのです。
この看護師さんは30分ほど泣きながら私へ訴え続けました。私は「そんなに辛い状況で、頑張ることはありません。絶対にアナタを受け入れてくれて、看護師として育ててくれる職場が他にあるはずです。私と看護師という仕事を続けるために職場の方向転換を頑張ってみませんか?」と伝えました。最初はネガティブ思考だった看護師さんもどんどんポジティブさを取り戻していって、結果的には都内の総合病院へ転職して、今は転職した病院で主任看護師としてバリバリ働いています。この看護師さんのように、まずは転職エージェントに登録し自分の悩みを聞いてもらった上で、看護師を続けていけるかを再確認するという人もいるんです。
ちなみにこの看護師さんは上京してすぐに地元の頃から付き合っていた彼氏(結婚も考えていたそう)と別れたそうで、余計に孤独感を感じていたそうです。いきなり東京に来て出会いを作れる余裕もなく一人でいろいろ抱え込んだそうです。彼氏の話とかも1時間以上聞いた記憶があります。もうここまでくると転職相談というよりは人生相談ですよね。転職エージェントはそんな「人生相談」にも乗ってくれるかもしれない存在なんですよね。
上記の通り看護師転職エージェントの利用は多数のメリットがあります。しかもこれが看護師資格保有者であれば全て無料で利用できるわけなので多くの看護師が利用するわけです。看護師転職エージェントはぜひ利用して頂きたいのですが、たくさんある転職エージェントの中にはサービスの質の悪いエージェントも0ではありません。ですので信頼できる看護師転職エージェントと付き合うためにも、まずはマイナビ看護師などの「大手」の転職ージェントを「複数」使うことをお勧めします。
転職エージェントに複数登録しておけば、「自分の希望以外の職場を紹介されているな」など、不信感を覚えた時にはすぐにやりとりを途中終了させることができますし、転職エージェントを複数使うことでセカンドピニオン的な役割も果たしてくれます。転職エージェントは過剰な情報が入ってきてしまうデメリットもありますが、上記で解説したようなメリットに目を向けて、転職エージェントを上手に使って、自分の決めた期限内により良い条件を提示している職場へ転職できるようにしましょう。