看護師が特養(特別養護老人ホーム)でバイトを行った体験談を紹介！

特養(特別養護老人ホーム)の応援という形でアルバイトに入りました。毎週土曜日のみ、8時～17時までの勤務です。勤務時間は早番、日勤、遅番という種類で分類されていて、私の時間帯は日勤での勤務でした。施設の入居者は70名弱いて、私の主な仕事はその70名のお薬を準備するのと、口からご飯が食べれない10名弱の利用者様に経管栄養という方法でご飯をあげることでした。本来の看護師業務には上記のほか、病院の受診の日程調整や入居者の傷の処置、検温、急変時の対応などがあるようなのですが、私は1週間に1度のみのバイトということで直接的な患者さんとのふれあいはほぼなく、あくまでも補助業務が中心でした。

早番は7時から出勤し経管栄養を流しており、私が出勤する8時ごろには経管栄養はほぼおわっています。なので私のバイトの仕事始めはいつも経管栄養に使ったイルリガートルというボトルを洗う業務からでした。これを朝・昼の2回行います。夕の経管栄養は17時頃から開始するため、夕の洗いものは遅番の仕事でした。イルリガートルを洗う際に、薬を入れる小さい別のボトルも洗いますので大体10～20分くらいはかかる仕事です。洗いものがおわると次はまた経管栄養の準備がまっています。こちらはそれぞれ決められた量の水分をボトルにいれて利用者にもっていくだけなので、あまり時間はかかりません。その後薬の準備をして、経管栄養の時間まで待機です。経管栄養の方の薬の準備と、口からご飯を食べる方の薬の準備は勝手が違うもので、少し手間がかかる作業でした。70名分の薬をセットする時間が２時間弱、経管栄養の準備・後片付けが合計3時間ほどで1日を通してみるとすごいゆるゆるな業務内容のバイトでした。

私は普段救急病院の消化器内科で勤務をしていたのですが、そこでの一日の業務は8時間では全然たらず残業は当たり前でとてもつらいものです。それに比べ特別養護老人ホームでの勤務はあまりにもゆるゆるで、定時ピッタリには帰れるし、隙間時間が多いのでお茶を飲みながら利用者や他のスタッフと雑談することができたり、本当にこんなので給料をもらっていいのか不安になるくらいに簡単でした。病院は体調を崩した人がきて、看護が必要な人がいる場所。それにたいして特別養護老人ホームはあくまでも健康で、看護はそれほど必要じゃない人。というのが一番の差なのかなと感じました。よく病院では「施設で働くナースは仕事が出来ないナース」なんてうわさされていましたが、この業務内容ではそう思われてもしょうがないのかなと感じました。

業務内容はとても簡単なのですが、一番苦労したのは利用者の名前を覚えるのが大変でした。病院ではネームバンドがあるので絶対に人を間違えませんが、福祉施設ではそれがありません。顔写真もないし、ベッドが古いのかベッドに寝ている人とベッドについているネームシールが違うということがたくさんある状態でした。薬や経管栄養をあげる際に人を間違えることは絶対にあってはならないので、覚えるまでは他のスタッフに何回も何回もきかなければならないのが大変でした。また、ここまでゆるゆるな業務内容になれてしまうと、転職を考えた際に、病院などの忙しいところで働くのはとても厳しいんじゃないのかなと思いました。