年収600万以上・残業なし等の「人気求人」をランキングで見る

ランキング1位看護roo! 1位 ランキング2位看護師ワーカー ランキング3位レバウェル看護 レバウェル看護  

1.新卒で訪問看護師へ就職する人は少数派

訪問看護師は自宅でその人らしい生活を送れるようにお手伝いをする素敵なお仕事ですが、病院で働く看護師に比べるとやはり少数派です。日本看護協会の看護師・准看護師の就業場所別データによると、就業している看護職員のうち、85%近くの看護師が病院・診療所に勤めていて、訪問看護ステーションなどの訪問看護師として働く看護職員は3.5%です。看護師の勤務先の分類

そんな全体数が少ない訪問看護師ですが、新人が就職するとなるとさらにハードルが上がります。訪問看護ステーションに就職すると「1人で判断する機会が多く、相談相手がいない」ことがネックとなり、新卒で就職することはかなりレアケースといわれているからです。実際に訪問看護ステーションで働く看護師の年齢はこちらのの資料の就業場所別の看護師の年齢階級別割合によると40台が最も多く43%、次いで30代が25%、50代が23%と続きます。25歳未満の看護師は1%いるかどうかです。つまり、教育がされていない人材よりもある程度の経験を積んだ看護師さんが訪問看護師としては主流です。

やはり介護度が高くなるにつれて「家族等の介護指導・支援」が多くなってくるため、社会経験の少ない若い看護師にとって自分の言動が大きな影響力を持つことになり、時に大きなハードルとなってしまいます。看護内容で多く実施するものは「排せつの援助」「身体の清潔保持の管理・援助」「栄養・食事の援助」「口腔ケア」となり、特別な看護技術ではありませんが、これらの看護技術の「根拠」を熟知している必要があります。なぜなら、訪問看護師は患者さんとそのご家族の個別性を考えて指導の際にある程度のアレンジを加えることも必要だからです。そういう意味で「新卒」で「訪問看護師になる」というのは教育もあまり受けてなくキャリアも浅い新卒看護師にとっては結構なハードルなのです。

2.新卒で訪問看護師へ就職するのは難しいのか?教育が充実しているのはどこ?

上記の通り、訪問看護ステーションは教育が浅い若手の看護師には基本的にハードルが高いです。訪問看護師は実際に介護や育児を通して身をもって様々なことを学んだ看護師が「個別性の高いケアを行いたい」と、自身の経験を生かせる職場ともいわれています。では、新卒で訪問看護ステーションに就職することは不可能なのでしょうか?

例えばですが大手セコムグループの訪問看護ステーションがありますが、こちらでは「新卒から目指す訪問看護師の道」ということで新卒採用特設ページがあります。

(参照:新卒から目指す訪問看護師の道 – セコム訪問看護ステーション)

セコム訪問看護ステーションでは新卒から数年で一人前の訪問看護師になれる「Step by Step プログラム」を採用していて教育体制は十分です。働き口としても北は宮城県仙台市青葉区の訪問看護ステーションからもちろん東京・名古屋・大阪などの大都市圏の拠点もあります。訪問看護ステーションの数としてはやはり東京・名古屋・大阪などの大都市圏が中心にはなっています。

このように新卒でもセコムのように採用がある訪問看護ステーションもあるわけなのですが、どうしても訪問看護師に新卒で就職したいなら、まずは訪問看護ステーションの規模に注目しましょう。例えばセコム訪問看護ステーションにが毎年新卒で入職する看護師がいるわけで、こういう人気の就職先の影には優れた指導者がいます。やはり新卒で訪問看護ステーションに行くならそこそこの規模で基礎的な研修をしっかりできる体制なら心強いです。逆に教育体制が整ってない訪問看護ステーションに新卒で入ってもなかなか看護師としては成長できません。こちらの15pの訪問看護ステーションの従事者数の推移によると、平均的な訪問看護ステーションの従業員数の目安としては、訪問看護ステーションの1事業所あたりの従事者は6.5人で、そのうち看護職員は4.8人が標準的なので、それを基準にそれよりも多いとこをを候補にしましょう。もちろん人数は1つの目安でありそれだけではだめです。他にどこをみればいいでしょうか?

例えば、認定看護師や専門看護師がいるような急性期の病院が併設する訪問看護ステーションは大規模で人員も比較的足りているところが多いので新卒でも十分な教育を受けられた上で活躍できる可能性があります。また、併設元の病院に健診センターや透析センターなど他の施設が併設されている場合も、グループでのスケールメリットを生かして新人教育が充実しているケースもあります。逆に、訪問看護ステーションを単独運営しているところは、人員が少なく指導者を長期間つけることが難しいかもしれません(東京・大阪などエリアに限らず・・・)。

あとは、訪問看護ステーションが管轄しているエリアの範囲を確認しましょう。移動距離が比較的少なく、いざとなったら応援を呼んですぐにスタッフを招集できるなら、新卒であっても比較的短時間で1人立ちしてお仕事しやすい環境だからです。移動距離が多くて応援を呼んでも招集までに時間がかかる場合は、仕事の難易度が上がります。そういう意味では交通網が発達した大都市圏の東京・名古屋・大阪をはじめ主要都市部の方が新卒で訪問看護に関わるお仕事をしやすいでしょう。

3.新卒看護師にとっての訪問看護ステーションと病院の違い・メリット

先述の通り大半の看護師は病院やクリニックに就職して、さらに新人看護師ともなると99%が訪問看護ステーション以外で勤務するという中で、新卒看護師にとっての訪問看護ステーションと病院の違い・メリットについて言及します。

訪問看護ステーションの場合は一人で業務を行えるようになっても、患者さんの状態を情報収集していても訪問してみたら予想していた状態と違うことも大いにありえます。その場合の軌道修正が可能になるには、一定程度の経験が必要です。教育の浅い新卒看護師ではなく経験のある看護師であれば患者さんのなりゆきを広く予想しながら業務ができます。そういう意味では訪問看護ステーションに就職するメリットの1つとしては患者さんとご家族に対し、個別性の高い看護を丁寧に行えるようになれる点は挙げられるでしょう。それに対し、病院では同僚がすぐそばにいて、相談できケアを手伝ってもらえて、自分ひとりの力ではなくチームプレーでケアにあたります。同期の仲間が困った時に公私ともに力になってくれるという違いもあります。

あとは新人看護師にとって重要なのは受けられる教育の違いです。上述しましたが訪問看護ステーションと比べて病院の方が新卒看護師を受け入れる体制があるのでプリセプター制度など含めて安定的な教育を施しています。ですので一般的には訪問看護ステーションの方が教育体制は不十分であることが多いです。ただ人材材育成に力をいれている訪問看護ステーションなども最近では多く、外部の中核病院の新人向け研修に新人看護師を出していて、「看護職員に必要な基本姿勢と態度」「臨床実践の看護技術」「薬品に関する知識」「医療安全」など、基本的なことを学べるようです。病院就職と比べて同期の新卒看護師が少ない分、外部の研修は自分の到達度を知る大切なチャンスです。

看護師が新卒で訪問看護に行くならまずは見学に行ってみよう

「地域に出て患者さんとじっくりかかわれるこんなに楽しい仕事はない!」と、魅了される人もいるのが訪問看護というお仕事です。病院よりも訪問看護ステーションの方が患者さんとは、長いお付き合いになります。医療知識もさることながら「人間性」を何より重要視すべき職場です。患者さんのテリトリーでお仕事する以上、その「家」の常識を大切にできる・礼儀作法をわきまえている人が、訪問看護に適性のある人です。社会人経験がある新人看護師は少し有利かもしれません。最近は入職希望者のために見学を気軽に受けていただける訪問看護ステーションも増えています。興味があるなら、まず見学に行ってみましょう。