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NICUとは新生児特定集中治療室の略称で、何かしらの問題を抱えた新生児の健康状態を監視し、健康な状態に回復させる非常に重要な仕事を行っています。看護師の中には、NICU勤務を希望しているけれどなかなか配属されないという方も少なからずいるようです。また、NICUは大きな病院に設置されており、小さい病院にはNICUそのものが無い場合もあります。そのため現在の職場にNICUが無いけれどもNICUで働いてみたいという方は転職活動を行う必要があります。ここでは看護師がNICUに転職を希望する際に押さえておきたいポイントや、仕事内容、待遇などについて紹介します。

★NICUの仕事内容とは?

NICUとは前述の通り新生児特定集中治療室の略称で、早産時や低出生体重児、又は疾患が確認された新生児を集中的に管理し、治療を行う専門部門で、普通の子どものような扱いをしては命を落としてしまう子どもを助けるために用意されています。NICUの治療によって命を助けられた子どもは非常に多く、最良技術の発達によって何かしらの問題を抱えて生まれた新生児の生存確率はNICUが本格導入された1970年代と比べると飛躍的に上昇しているそうです。

NICUの仕事内容はとにかく子どもを注意深く観察することにあります。新生児は大人とは比べ物にならないくらい繊細で、些細な変化を見逃して取り返しの付かない事になる可能性も決してゼロではありません。そのため看護師は24時間体制で監視を続けなければならず、少しでも身体に変化が見られたときは適切な処置を施さなければならなかったり、周辺環境をより良い状態に管理するようにしたりとやらなければならないことは数え切れないほど存在します。

NICUでの仕事は新生児の管理だけではなく母親や父親のケアも行う必要があります。自分が生んだ子どもが半死半生の状態になった離れ離れになったとなれば精神的に不安定になる可能性が非常に高いので、子どもが助かる前に親御さんのほうが精神の不安定を引きずって体調を崩したりしないように安心してもらうことも、NICUの看護師の大事な仕事の一つです。

NICUの看護師の仕事は常に厳しい戦いとなります。医療技術が発展したといっても新生児が非常に脆い存在なのは変わりありませんし、時には予想も付かないようなトラブルが発生する可能性もゼロではありません。時には大切な命が失われてしまうことを目にすることもあるので精神的なダメージが非常に大きい職場といわれていますが、それと同じくらい新しい命を救う事が出来るという大きなやりがいを持って仕事をしている人も大勢います。

★NICUの求人の探し方は?転職のポイントは?

■NICUがある病院は少ない

NICUは、総合周産期母子医療センター(MFICUを6床以上、NICUを9床以上)、もしくは地域周産期母子医療センター(総合周産期医療センターに近い設備をもつ)に設置されています。総合周産期医療センターは全国で109施設、地域周産期医療センターは全国で300施設しかありません(平成31年4月1日現在)。全国の病院数(診療所を除く)は8,300ほどですので、限られた施設にしかNICUが設置されていないことが分かります。つまり看護師の求人を探すのも難しいということになります。

たとえば東京都の病院数は640と全都道府県の中で最も多いですが、総合周産期医療センターは下記の13施設、地域周産期医療センターは14施設しかありません。もし東京都のNICUで働きたいとなれば下記のような病院をメインで求人を探すことになり、かなりの狭き門であると言えます。

東京都の総合周産期医療センター
病院名住所電話番号
東京都都立墨東病院東京都墨田区江東橋4-23-1503-3633-6151
総合母子保健センター愛育病院東京都港区芝浦1-16-1003-6453-7300
東京女子医科大学病院東京都新宿区河田町8-103-3353-8111
東邦大学医療センター大森病院東京都大田区大森西6-11-103-3762-4151
帝京大学医学部附属病院東京都板橋区加賀2-11-103-3964-1211
杏林大学医学部付属病院東京都三鷹市新川6-20-20422-47-5511
日本赤十字社医療センター東京都渋谷区広尾4-1-2203-3400-1311
日本大学医学部附属板橋病院東京都板橋区大谷口上町30-103-3972-8111
昭和大学病院東京都品川区旗の台1-5-803-3784-8000
東京都立大塚病院東京都豊島区南大塚2-8-103-3941-3211
京都立多摩総合医療センター
小児総合医療センター
東京都府中市武蔵台2-8-29043-323-5111
042-300-5111
東京大学医学部附属病院東京都文京区本郷7-3-103-3815-5411
国立研究開発法人国立成育医療研究センター世田谷区大蔵2-10-103-3416-0181

(参照:厚生労働省「周産期母子医療センター施設リスト(平成31年4月1日現在)」

 

看護師専門の転職サイトを見てみても「NICU」「新生児特定集中治療室」で検索できるサイト自体がかなり少なくなっています。実際の検索結果を見てみると、「マイナビ看護師」の「担当業務:NICU(新生児集中治療室)」の結果は19件でした。

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NICUをピンポイントに希望する場合は求人数自体が少なく、転職活動は比較的難しくなることは念のため頭に入れておきましょう。もちろん、転職サイトは非公開求人が強みですので、転職サイトに登録してNICU希望の旨を伝えて情報収集するのはとても良い方法といえます。

■NICUを辞めて転職していく看護師もいる

一方でNICU勤務を希望して転職するのとは全く逆で、NICU勤務から部署変更を希望したり、他の病院に転職するという方も少なからずいます。NICUは新しい命を救う事が出来る反面、新しい命が失われていく光景を何度も目にする事になるため精神的なショックが強い部署と言われており、精神的に参ってしまう看護師も少なくありません。その上職場の人間関係などでストレスを溜め込んでしまっている方は、常に精神的なダメージを負った状態で過ごしているせいで心の病にかかることも珍しくありません。そんな状態を改善するために今の職場を離れてもっと働きやすい職場を求めるという人も常に出ているのがNICU勤務看護師の現状といいます。そのため欠員に応じて求人募集を行う場合もあります。

★NICUの看護師の給料は?

多くの責任が伴うNICUという職場で働く看護師は、給与も高額になるのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし実際にはNICUで働いている看護師が特別多くの給料をもらっているということはありません。

厚労省の調査によれば、看護師の平均年収は480万円ほどであり、それはNICUで働いている看護師もほぼ変わりません。実際にマイナビ看護師などの求人情報に書かれているモデル年収をみても、経験5年の看護師で年収470~500万円程度のところが多く、NICUだから給与が突出して高いということはありません。ただしNICUの看護師は夜勤が必須ですので、その分を考慮すると外来など夜勤がない職場と比べると給料が高くなるということは言えます。

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給与が増えることを期待してNICUで勤務しようとしても全くプラスは無いので、NICUで働く人は子どもを救いたいという強い思いが無ければまず務まりません。

★NICUに向いている人は?

子どもは産まれたときに本来あるべき健康が備わっているとは限らず、それは先天性のものであったり妊娠中の母親の健康状態に起因するものであったりします。このような健康状態に恵まれない新生児を集中してケアをするのが、NICU(新生児用集中治療室)です。成人と比べて著しく体力の劣る新生児のケアは非常に気を使うことで知られ、治療室専属の医師や看護師による大変な努力によって新生児の健康回復がなされるのです。そのNICUに勤務する看護師に向いている人、資質はどのようなタイプなのでしょうか。

・精神的な強さがある
・自身の健康状態を常に良好に管理できる
・新生児を母親の気持ちになってケアできる
・チームワークを大切にできる

1点ずつ解説していきます。

・精神的な強さがある

NICUの業務内容は、未熟児として生まれたり、何らかの疾患を抱えた状態で生まれた子どもの健康状態を改善させる事が出来るように治療をするためのサポートを行なう事が主な仕事となります。何かしらのトラブルを抱えている新生児はただでさえ繊細な新生児の中でも特別繊細なので、多少の変化を見逃したばかりに命を危険に晒すことも十分に考えられます。24時間常に気を配ってトラブルを未然に防ぐようにしなければならず、かなりハードな仕事を続けなければなりません。そのためNICUで働く看護師はそんな環境でも仕事を続ける事が出来る強い精神が求められています。

NICUで働く看護師の特徴である精神力の強さは、長く看護師を続けるためには必要不可欠なものです。NICUがあることで多くの子どもの命を救う事が出来る反面、命を救う事が出来なかった子どもの数も決して少ないものではなく、NICU勤務の看護師は常にその悲しさと対峙しなければなりません。そのため精神的に追い詰められて退職してしまう方も決して少なくないそうで、NICUでの勤務を続ける事ができた人は非常に優秀な看護師として、将来的に他の部署に異動になってもその強い精神力で活躍し続ける事が出来るといいます。

NICUのような命の最前線ともいえる部署で働きたいと考えている方は生半可な精神力ではずっと看護師として働き続けることは出来ないでしょう。逆に言えばそんな強い精神力を持っている人はきっとどの職場に行っても立派な看護師として成長する事が出来るはずなので、机上の勉強も大事ではありますが、それ以上に自分の精神力をどのように成長させるかをよく考えるとよいでしょう。

・自身の健康状態を常に良好に管理できる

新生児の感染病などへの抵抗力は大変低く、ケアをするものが看護師と言う成人である以上はどんなに気を付けていても常に院内感染のリスクは存在しています。そのため、NICUで働く看護師は日常的な健康の自己管理が大変重要とされ、この点は他の病棟で勤務する看護師よりも非常に要求が高くなります。

・新生児を母親の気持ちになってケアできる/チームワークを大切にできる

看護師自身も出産や育児を経験している方であれば新生児の扱いにはある程度慣れている方が多いので、相対的に言うと育児経験の有る看護師が向いていると言えるでしょう。しかし、最近のNICUによっては父性の認識をさせるために男性看護師の配置を行う職場もあります。その他、24時間体制での治療室運用をしているので夜勤は日常的に発生しますが、それ以上に大切なのは看護師間でチーム医療によって新生児のケアを達成させていくという意識を強く持つことです。それは誰がどの新生児の担当であるかという次元ではなく、トータルですべての新生児を健康にしていこうという精神が非常に求められる職場ということです。

 

NICU看護師の求人の探し方は?転職成功のポイントは?

NICUの看護師求人を探す場合、NICUが設置されている病院数自体が少ないこと、総合周産期母子医療センターもしくは地域周産期母子医療センターなどの大規模な病院を中心に求人を探すことになるため、看護師の転職活動としてはやや難しくなります。病院のHPに採用情報が掲載されることもありますが、情報収集しやすいのは看護師専門の転職支援サイト(「マイナビ看護師」など)に登録することです。転職支援サイトは7~8割の案件を非公開にしており、登録者だけが閲覧できる求人が多いため、希少な求人も入手しやすくなります。

またNICUは忙しく精神的にも大変な職場になりがちなので、応募前に職場環境を知っておくことも重要になってきます。看護師の転職支援サイトのコンサルタントは、病院担当者から人間関係や夜勤回数などの実情をヒアリングしているので、応募前のイメージと就業後の食い違いを最小限にとどめることが出来ます。