今回は訪問看護ステーションへの転職をした看護師さんの体験談をインタビューしてきましたので紹介します。訪問看護師への転職を考えていて、どの訪問看護ステーションで働いたら良いのか悩んでいる人は参考になるはずです。一言で「訪問看護ステーション」といっても規模や立場等で求められるものは様々なので、自分にあった訪問看護ステーションを見つける材料にして下さい。
性別 | 女性 |
年齢(転職時) | 34歳 |
転職前の職場 | 都内の医大病院(正社員) |
転職後の職場 | 都内の訪問看護ステーション(正社員) |
使った転職エージェント | マイナビ看護師 |
転職のきっかけ | 離婚がきっかけで退職して転職。 |
キャリ姉から一言! | 離婚の辛さを乗り越えて、一人で再出発を図る3人の子供を持つママさん看護師! |
元々医大病院で働いていたんですね。巨大組織の医大病院で勤務していると、他の病院ではそう簡単には学べないことが沢山あるので、経験値が上がるというメリットもありますが。なぜ、退職されたのですか?
離婚です。子供が3人いて養育権は私にあり、医大病院で退職せずにそのまま働き続けた方が経済的には楽でした。ですが、離婚した夫は勤め先が同じ医大病院でしたので、もうここは私が退職した方が精神的に楽だと思い、離婚と同時に退職したのです。また、結婚していた時は義父母に子供の世話をしてもらいながら働いていましたから、離婚後はそれができなくなるので、心機一転環境を変えて子育てをしようという気持ちがありました。その医大病院は新卒時から勤めており、おっしゃる通り巨大組織での勤務は、本当に様々な経験をさせて頂いてとても勉強になりました。
離婚がきっかけだったとは・・・。精神的にも辛かったですね。それでなぜ訪問看護ステーションに転職しようと?
転職先を訪問看護ステーションに決めた理由は、医大病院を辞めようと思ってからいくつか看護師転職エージェントに登録していて、その中で気の合うキャリアアドバイザーさん(マイナビ看護師の担当者)とやりとりをしていたことがきっかけです。精神的に疲れ切っていた私には砂漠の中のオアシスのような存在でした。その方に子育て支援がしっかりしている訪問看護ステーションを紹介してもらいました。何かにすがるような気持ちで、そのまま面接を受けて採用となりました。正直その時は精神的に疲弊していたのでそれ以上はまともに転職活動もできなかったと思います。
いえ、退職してすぐに転職しました。いまのところ、元夫からの金銭面の援助がありますが、いつ途絶えるか分かりませんし、私だけの力でやっていけるように経済面の基盤を早く築いておきたかったので。
その訪問看護ステーションに決めた決め手はなんでしたか?
いくつかあるんですが、ちょうど正職員の枠があったことと、夜勤は無いけれどそれなりにまとまった額のお給料を頂けること、その他、時短勤務ができたりと、子育てにメリットが多いことですね。本来なら、離婚しても同じ職場に勤務し続けれられる強さがあれば良かったのですが、当時の私にはそのどちらも持ち合わせていませんでした。そのキャリアアドバイザーさんには本当に感謝しています。
しばらくは落ち着きませんでした。子供たちの学校のことや近所付き合いなど、大きく環境が変化しましたので大変辛かった時期があります。新しい職場に慣れることももちろん大変でした。離婚当初は、仕事は1つだけで大丈夫だろうか、他に副業として何かした方がいいのではないか等、しつこく不安が襲ってきていました。幸い、職場の人間関係が良くて働きやすかったので、仕事は順調にこなすことができるようになり、今では子供達との新生活も軌道に乗り楽しく過ごしています。以前感じていた、尋常でない不安感もなくなりました。
やはり、離婚の窮地でもすぐに仕事が見つかるというのは看護師という資格の強みですね。
そう思います。これからさらに子供達にはお金が必要となりますし、子供の思春期には住居ももっと広い所に引っ越さないといけなくなるかもしれません。その時はもしかしたらまた転職をするかもしれません。でも不安はやっはり他の仕事よりも少ないかもしれないですね。最新治療や特殊な医薬品を取り扱っている進歩的な病院勤務を離れて久しいですが、取り残されないように日々勉強を続けていきたいと思っています。
たくましいですね!三人のお子さんの成長を陰ながら見守っています^^
性別 | 女性 |
年齢(転職時) | 48歳 |
転職前の職場 | 都内の総合病院(正社員) |
転職後の職場 | 都内の訪問看護ステーションの所長(正社員) |
使った転職エージェント | マイナビ看護師・ナース人材バンク |
転職のきっかけ | 上司から勧められた管理者セミナーへの参加が管理職へのきっかけに! |
キャリ姉から一言! | 前々職は家事と育児で一旦は休職!前職へ転職後に、上司からのアドバイスで管理者への道を歩み、実際に現職の訪問看護ステーションの所長になられたバイタリティあふれる看護師さん! |
都内の訪問看護ステーションの所長へ転職するきっかけをぜひ教えてください。元々は総合病院で管理職をされていたわけですか?
総合病院では一般の看護師で、管理職ではないです。訪問看護ステーションの所長へ転職するきっかけは、手前味噌で申し訳ないですが、ある日「あなたには管理職の資質がある」と上司に言われ、それをそのまま真に受けた私がいて・・・。それで、もともと院内外の研修にはあまり参加していませんでしたが、将来看護部長クラスの管理職になるであろうエリート看護師が参加する「管理者セミナー」に参加するようにと上司から命ぜられてセミナーに参加したのです。実はこれにより、とても仕事に充実感を感じるようになり、いつしかとてつもない自信を持つように(笑)。それで徐々に、管理職のキャリアを歩みたいと考えるようになり、結果的に紆余曲折を経て訪問看護ステーションの所長に就任したわけです。
年齢的なこともあるんでしょうし、総合病院でのマネジメント的な仕事が評価されていたということですね。総合病院へはそもそもどういう経緯で入職されたんですか?
もともとは、新卒時から勤めていた病院を結婚退職して、しばらくは家事と育児を楽しんでいました。そして、長いブランクの後、思い切って職場復帰したのが前職の総合病院です。何もかもが新しく、昔得た知識は役に立たなかったので、真っ白な状態での再就職でした。前職は人材育成に力を入れている病院でしたので、職員も向学心たっぷりの方ばかりでした。長いブランクを負い目に感じながら日々の仕事をこなすことに精いっぱいで頑張っていましたよ。
前職は一度家庭に入られてからの復職だったんですね。あ、上司からの指示で管理者セミナーへ参加した点はわかったんですが、そこから訪問看護ステーションの所長に就任した経緯をもう少し詳しく教えて下さい。
総合病院勤務はブランクの長い私にとっては負担も大きく、スタッフ看護師として働くことが精いっぱいでした。管理職なんてとんでもないという状態です。しかし、その上司に命じられた管理者セミナーなどへ参加しているうちに徐々に管理職に興味が出てきて、そんな中で、訪問看護ステーションは、病院ほど組織が大きくありませんし、医療処置もそれほど難しくなく、即戦力となる経験豊富な看護師をスタッフとして雇用すれば、訪問そのものはクリアできるような印象を持つようになりました。ただもちろん所長ともなれば、経営能力が必要不可欠ですが、逆に「経営能力さえ身につければ管理職になれるのだ」とも感じました。
なるほど、病院の管理職は難しいけど訪問看護ステーションなら、という感じだったんですかね。これも管理者セミナーへ参加した成果ですね。
そうです。全ては、私に「管理者の資質がある」と言って下さった上司の言葉を信じたことが、縁の始まりです。やはり、せっかく受講して得た知識と自信、そして仲間たちを何とか今後に活かそうと、訪問看護ステーションの所長への転職を次第に考えるようになりました。一応マイナビ看護師やナース人材バンクに登録して所長の募集はチェックしていました。実際に転職が決まった時には「病院から受講費を出してもらったのに・・」「野心の塊だ」等、陰口も耳に入ってきましたが、それは、次へステップする時にはよくあることだと自分に言い聞かせて、全て流すように努力しました。そして、9年間務めた総合病院を退職しました。
所長に就任してからはいかがですか?勉強の成果はどのように反映されているか教えてください。
古い友人をケアマネージャーとして採用したのですが、看護師としてもケアマネージャーとしても豊富に経験がある方なので随分助かっています。訪問看護ステーションのスタッフとして、力強いケアマネージャーがいてくれるだけで利用者獲得につながりますからね。これも経営戦略のひとつです。また、セミナーを通じて知り合った方と情報交換することで、所長としての在り方や経営方針など、参考になることを得ることができています。前職で学んだことで無駄になったことはひとつもありません。まだまだ駆け出しですが頑張っていきたいです!
性別 | 女性 |
年齢(転職時) | 33歳 |
転職前の職場 | 都内の総合病院(正社員) |
転職後の職場 | 都内の訪問看護ステーション(非常勤) |
使った転職エージェント | マイナビ看護師 |
転職のきっかけ | 職場環境を変えたかった(もっとゆったりした職場・もっと自宅から近い職場・非常勤で勤務できる職場) |
キャリ姉から一言! | 病院の正社員を辞め環境を変えて非常勤で勤務しはじめたママさんナース! |
総合病院の正職員から訪問看護ステーション非常勤へ転職したんですね。理由を聞かせて下さい。
前職では、仕事がとても忙しく毎日ぐったり疲れていましたが、看護業務の基本を勉強させて頂きました。ですが結婚して子供をもつことは学生時代からの夢でしたので、以前からお付き合いしていた方と結婚し、同時に前職は退職しました。そのまま仕事を続けることも可能でしたが、
神経質で小さなことが気になる私の性格を考えると家の仕事や子育てと仕事の両立が難しいと思って、ひとまず病院は退職することに決めたのです。それで結婚退職して出産を経て子供が4歳になった時に、今の職場へ非常勤として転職(とういかブランクがあるので復職?)しました。今勤務している訪問看護ステーションは、自宅から近い所に職場があり、短時間の非常勤職なので子育てをしながらでも働くことができます。夫からは、前の職場でも今の職場でも神経質な性格は転職してもそのままで、すぐにイライラして八つ当たりしてしまっていると言われますが、もっとゆったりした職場で短い時間でという気持ちで選んだのがいまの職場です。
じゃあ、間にブランクが4年近くあるんですね。復職は勇気がいるし大変ですよね。「神経質」という話ありましたが、看護師さんは職業柄かそこまで神経質にならなくてもいいというくらい真面目に考え、心が繊細な方が多いと思いますよ。神経質な性格であっても、私は全てが短所ではないと思いますよ。
あ、でも「もっとゆったりした職場で短い時間で」ということであれば病院とかでも求人ありますよね?訪問看護ステーションを選んだのはなぜ?
先程も言いましたが、1つは家からかなり近いんで自転車で行けるんです。求人が出ているのも生活圏なんで知っていたんです。一応マイナビ看護師とかの看護師転職エージェントは登録していましたが、結局は自分の足で動いて応募しました。あとは非常勤ならということで色々経験してみようと思い訪問看護ステーションを選んだというのはあります。病院ではやはりピリピリしてたので職場環境を変えたいなあと。
色々な職場を経験するのはプラスだと思いますよ。今は少し落ち着いて仕事できていますか?
前の病院よりはゆっくり働けていると思います。私の場合、小さなことをとても気にし過ぎるところがあり、完璧主義とも言えるですが、あれもこれもやらなきゃと気になり、何かを常に考えて動き回っていて心も体も落ち着かないのです。この性格は子育てにも影響するので、肩の力を抜いてゆったり過ごせばいいのですが、性格改善は難しいですね。職場でも、つい子育ての愚痴を言ってしまいますが、前職ほど多忙ではない職場なので、他のスタッフが相談にのってくれます。前職ではこうはいかなかったでしょう。ですから、転職して良かったと思っています。仕事中に子供から電話がかかってくるときもありますが、皆温かく見守ってくれます。
はい、成功です。私を含めて非常勤の看護師は4人いますが、皆な子育て真っ盛りの人達ばかりで、悩みを打ち明け、そして共感し合える仲間です。仕事でもプライベートでもいい関係を築いていると思います。
仕事のやりがいはどうですか?比べてみて何か大きな違いがありますか?
前職は新卒で入職しましたので、経験することは何もかも新しいことばかりでした。やりがいを感じる以前に、どうやったらこの看護手技をマスターすることができるのか?この患者さんと信頼関係を築くにはどんな方法があるのか?等、一つ一つが勉強でした。訪問看護ステーションへ転職してからは、もちろん看護師としてのキャリアもありますので、少し心に余裕ができたのか、訪問先で行ったケアに満足して頂いたときはやりがいを感じる時ですね。病院の時はまだ未熟で、自分のことに必死で、味わうことができない感覚でした。
今後ますます需要が増えると予想される訪問看護ステーションの戦力となることができるように、知識と経験を増やしていってくださいね。その頃には、神経質な性格も少しは改善されていることを願っています^^旦那さんやお子さんも喜ぶかもしれませんね。
性別 | 女性 |
年齢(転職時) | 31歳 |
転職前の職場 | 地方都市の県立病院(正社員) |
転職後の職場 | 地方都市の訪問看護ステーション(正社員) |
使った転職エージェント | なし |
転職のきっかけ | 知り合いが訪問看護ステーションを開業し所長になった時に誘いを受けた。 |
キャリ姉から一言! | 待遇のよい県立病院を辞めて、知り合いが経営する訪問看護ステーションに飛び込んで、日々頑張るナース! |
県立病院を退職されたということは、結婚か何か特別な理由ですか?待遇面ではもったいないと思いますが・・。
以前仕事でお世話になった方から訪問看護ステーションへの転職のお誘いを受け、悩んだ末に転職することに決めました。その方は、総合病院で師長まで勤めたあと定年退職し、訪問看護ステーションの所長をされていました。開設してまだ間もなかった頃だったと思います。確か、数ヶ月しか経っていない時に会い、訪問看護ステーションの経営の難しさやスタッフの確保が困難であること、私はまだ独身で県立病院で勤務して数年経つことなど、お互い色々な話をしました。
その中で、スタッフとして、それも常勤看護師として経営面において力を貸して欲しいと打診されました。訪問看護ステーションの経営の難しさを知ると共に、久しぶりに会った方からの強い説得にとても驚きました。また、経営面でとても困っているようには見えなかったのですが、時折見せる表情には、今後の経営展開が難しくなる危機感が感じられました。
訪問看護師について何も知らない私は、病院勤務とそれ以外での勤務の違いや経営の仕組みなど、その後いろいろ調べました。調べているうちに、以前から病院以外の職場での働きたいと思っていたことや訪問看護師は今と違ってやりがいをもっと感じることができるのではないか等、県立病院にはない魅力に気付いたのです。そして、何か私に出来ることはないかと考えるようになり、何度か会う機会を設け疑問を解消していくうちに、「転職して経営を勉強したい」と思うようになりました。その時は、すでに県立病院の待遇の良さなどすっかり忘れていました。看護師として新しい分野を勉強したいという気持ちが強かったんだと思います。それから1年経った頃には転職していました。
お知り合いの勧誘なんですね。強い説得に心動かされたんですね。周囲の反応はどうでしたか?
数人の友達にしか本当の理由は話していませんでしたので、同僚からは「こんないい条件のところをどうして辞めるの?」と、とても不思議に思われました。友達は賛否両論あって「夢では食べていけない」「人生何があるか分からない、お金は大事!」と転職を反対する人もいれば、「訪問看護師はこれから必要になるからいいんじゃない」「街でばったり会ったのが何かの縁だと思うから頑張って!」など応援してくれる人もいました。本当に人の数だけ色々な考えがあると思いましたね。でも、最後まで私の気持ちは変わりませんでした。
私は訪問看護はまだまだ伸びしろが大きいと感じますよ。待遇面で前職と比べたりすることはないですか?
それは無いとは言えませんね。仕事はかなりハードですから残業代をもっと欲しいとか、夜間急遽訪問へ出かけた時の特別手当てが欲しいとか・・・。仕事にのめり込んでやればやるほど待遇面ではどうしても比べてしまいす。それに、常勤看護師として所長と共に営業もしていますので、他の職員とお給料面で差別化をして欲しいと思ったりしています。愚痴ばかりになりましたが、それだけ前職の待遇が業務内容に比べて良かったということです。民間病院ではこんなものかもしれませんが・・。
待遇を見るとそうなりますよね。でも将来性を考えると今は先行投資なのかもしれませんね。転職して逆によかったことは?
看護師として経営面に関わることができたことでしょうか。経営については、ただ看護師として与えられた業務をこなすだけではなく数字を見ながら戦略が必要だと感じました。訪問看護を利用して下さっている方によりよいサービスを展開していくためには、ハードとソフト面の両方を考えながら資金を上手く運用していかなくてはなりません。こんなことは、病院勤務では考えたりしませんからね。また、利用者と1対1で向き合って看護をしていくところにもやりがいを感じていますよ。
なるほど!これも何かの縁ですよね!頑張ってください!
性別 | 女性 |
年齢(転職時) | 52歳 |
転職前の職場 | 都内の訪問看護ステーションの所長(正社員) |
転職後の職場 | 都内の訪問看護ステーションのスタッフ(正社員) |
使った転職エージェント | マイナビ看護師 |
転職のきっかけ | 所長の仕事に限界を感じた。 |
キャリ姉から一言! | 訪問看護ステーションの所長に就任するも経営スキルなどのなさを実感し一スタッフに転職し直したナース! |
訪問看護ステーションの所長を辞められての転職ですね。転職理由を教えていただけますか?
負担が大きかったからです。所長として就職したわけですが、私にはとても荷が重い業務でした。訪問看護ステーションは介護保険が導入されて以降、著しく数が増えました。高齢化社会のために期待されてどんどん新しい訪問看護ステーション(訪看)が設立されたのです。しかし、訪問看護ステーションは経営が難しく、やむなく閉鎖したり、設立予定であっても躊躇してしまい、結果的に断念してしまうケースも多いんです。
所長として就職した当時の状況を教えて頂けませんか?やはり経営面では大変だったのでしょうか?
はい、当時、二つの訪看が統合し、新しい所長を募集していました。ひとつは競合が多い地域で運営していたためか、経営状態が徐々に悪化していました。もう片方のステーションは、競合が少ない上、訪問看護師を必要とする方が多い地域に設置されていましたのでこちらに統合したわけです。そんな中、所長として採用されたわけですから、統合したステーションを新しく立て直すことが私の役割なのですが、私にはとても荷が重く、甘い考えだったことにすぐ気づきました。
マーケティング力と言うのでしょうか?・・経営ノウハウの知識が乏しかったのです。病院での管理職は、経営面にはそれほど深くは関わりませんよね。でも訪看の所長は、収支の計算や営業活動も行わなければなりません。また、スタッフが休んだ時や利用者が急変した時など、急遽訪問へ出かけなくてはならないことも多々あります。そして、通常、スタッフは訪問へ出かけておりステーションには不在です。所長は、電話や来訪者の応対など、雑務もこなさなければなりません。クラークと呼ばれる事務職員を配置しているステーションもありますが、そこには配置されていませんでした。私は、訪問看護業務そのものが初めてでしたので、何もかも初めてづくしの中で、再建させるための力量が無かったのです。
なるほど。。話は元に戻りますが、そもそも、何故、訪看の所長職に応募しようと思ったのですか?
今となってはとても失礼で不謹慎だと思いますが、訪看の所長職は楽だろうと楽観的に考えていたからです。それなりのお給料が出て、病院の管理職のように忙しくないだろうと・・。でも、本当にお恥ずかしいですが全く逆でした。看護業務以外の知識も広く要求される役職でした。
それで転職されたんですね。所長からスタッフへと、いわば降格したわけですが、ご自身で抵抗感はありませんでしたか?
今、転職してスタッフになり、とても気が楽です。同時に、前職のスタッフにはとても申し訳なかったという気持ちがあります。数年勤めさせて頂きましたが、結果を出すことができずにいましたので、所長職は私の適職ではないと自覚するようになりました。退職して、スタッフへと転職することは自然の流れでした。所長をさせて頂いている時は本当にスタッフに迷惑をかけたと思います。
本当に心労のある仕事だったんですね。所長を辞めてスタッフに転職する時の仕事自体はスムーズに見つかりましたか?訪問看護ステーション限定で探されていたんでしょうか?
はい。一応マイナビ看護師などの主要どころの看護師転職エージェントは使っていたのでそのスタッフに相談したりして決めました。この歳で簡単に仕事が見つかるのはありがたいなあと思いましたね。
最後に、訪看の管理職を目指している方へアドバイスをお願いします。
通常、看護師は、経営=数字を意識して仕事をすることは殆どありません。でも、訪看の所長職はそうはいきません。
病院の株式化や自由診療の議論もされている現代では、訪看運営の基本知識はもちろんですが、医療・福祉・保健の仕組みを知り、今後これらがどのような方向へ向かうのか、情報収集して勉強していかなければ淘汰される時代だと思うのです。実際、比較的経営が安定していると言われる病院併設の訪問看護ステーションでも、経営上やむなく閉鎖、あるいは休業するところがあります。
私は力不足で実現することができませんでしたが、利用者のためにも、そして訪問看護師に憧れてきた看護師スタッフのためにも黒字経営ができるよう日々努力・成長が必要です。「医療は儲けてはいけない。赤字が普通だ。」という風潮が、現代でもまだ残っているようですが、決してそうではありません。質の高いサービス提供を行うことで満足していただき、そして利益を出していくというサイクルを作ることが所長の務めだと思います。
訪問看護ステーションへの看護師転職のポイント
現在は約85%の看護師が病院かクリニックで勤務しており、訪問看護ステーションに勤務する看護師は約3.5%程です。ですが今後在宅医療の進展が予想される中で、看護師が訪問看護ステーションに勤務するケースは増えてくるでしょうし、転職先として選べる訪問看護ステーションの候補も今よりも増えてくることが予想されます。そういう意味ではこのジャンルへの転職は売り手市場が続くかもしれません。
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