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1.ブランク中の看護師は約71万人

看護協会が公表しているデータによると現在就業している看護師の数は約155万人であり、資格を有していながら就業していない(ブランク)看護師はおよそ71万人いるとしています(厚生労働省データも参照)。就業している看護師がいる一方でその人口の1/2程度の看護師が「ブランク期間」ということになります。

ここではブランクありの看護師の方がまた看護師業務に復帰するためのポイントや求人の探し方などを紹介します。ブランクありの看護師の方は、医療現場を離れた期間の長さに比例して復帰に抵抗があることと思いますが、昨今の看護師転職市場は採用ニーズがかなり豊富でありブランクがある看護師の再就職は比較的容易といえるのでポジティブにいきましょう。

2.なぜブランクのある看護師が生まれるか?

2025年には「団塊の世代」が75歳以上になります。国民の3人に1人が65歳以上、さらに5人に1人ほどが75歳以上になります。つまり、看護・介護が必要な人口が格段に増え必然的に医療提供を必要とする場面が多くなるということです。2025年に必要な看護師数は200万人以上という計算になります(全国保険医団体連合会の資料参照)。

看護師が必要とされる一方で、看護師は女性が90%以上を占め、「結婚・妊娠」などで離職する人が多いです。また、看護師は「シフト制」、「常勤は夜勤あり」、「身体的にハード」、「命と向き合う緊張感が強い」など一般企業で働くよりもストレスフルな職業であることも大きな離職理由になっています。看護師は様々な困難さを感じさせられる職業とも言えます。以下は厚労省データで公開されている看護師の離職理由ランキングですので一応ご紹介しておきます。

1位出産・育児22.1%
2位結婚17.7%
3位他施設への興味15.1%
4位人間関係12.8%
5位残業が多い10.5%
6位通勤が大変10.4%
7位休みがとれない10.3%
8位夜勤が辛い9.7%
9位医療事故などの責任への負担9.6%

(出典:「平成22年看護職員就業状況等実態調査結果」【厚生労働省】を加工して作成)

上記のような理由での看護師の離職をストップさせるために、雇用側でも院内保育園を充実させたり、産休育休を取りやすい環境にはなってきましたが、まだまだ離職する人が後を絶たない現状です。現在では看護学校が充実してきており2019年の国家試験では約56000人が国家試験に合格したとされていますが、このまま順当に看護師が増えたとしても高齢者人口がはるかに上回り、2025年には看護師不足は解決しないと言われています。つまり、現在資格を持っているブランク真っ只中の「ブランクあり看護師」が復帰して再就職し活躍する労働力こそが今の日本には必要な存在なのです。

3.マイナビ看護師のサイトを参考にしたブランクOKの割合は?

ではここからは実際にブランクありの看護師の方が職場復帰するにあたり、どれくらいブランクok求人があるかを見ていきましょう。マイナビ看護師の「復職・ブランク可」の公開求人を見てみると、病棟、外来、クリニック、美容系クリニック、訪問看護、保育園、有料老人ホームなどたくさんの職場で募集していることがわかります。

それでは、マイナビ看護師にてブランクのある看護師の求人・再就職について分析していきましょう。マイナビ看護師の全体の公開求人は33753件で、「復職・ブランク可」の公開求人は9412 件です(2019年9月時点)。およそ全体の28%はブランクのある看護師の受け入れ体制をとっているということです。勤務形態でみてみるとブランク可の看護師の求人のうち常勤募集が81%、パート・アルバイトなど非常勤が37%となっています。(パート・アルバイト・常勤どちらでも可の募集もありますので合計が100%にはなっていません。)

次に地域別に確認していきましょう。地域別で見ると、東京都での求人が最も多く神奈川県、千葉県、埼玉県が次いで多いです。上記の一都三県(首都圏の中でも比較的人口が多い都市)で復職・ブランク可求人の45%をしめています。そもそも首都圏は病院数が地方と比較すると圧倒的に多いので、再就職・復帰に有利と言うよりは選択肢が増えると捉える方がいいかもしれません。ちなみに沖縄から北海道まで公開されている求人でブランク可の求人がゼロだった都道府県はありません。加えて非公開求人もあるのでまだまだ可能性は上がりますので、ブランクありでもエリア不問で職は探せそうです。

次に就業先で比較していきましょう。就業先を大きくわけて病院・クリニック・その他施設(有料老人ホームや保育園、デイサービスなど)がありますが3つに分けて比較してみたところ病院2549件、クリニック1067件、その他5439となりました。その他を細分化すると有料老人ホーム3405件、訪問看護ステーション1792件、保育園203となっています。病院・クリニックなど医療提供機関が38%が、その他医療提供のない施設で62%です。比較的に医療提供のない職場の方がブランクあり看護師は復帰がしやすい傾向があるようです。

4.ブランクのある看護師にとっての「就業先ごとの」メリットとデメリット

という訳でして、常勤統計からまとめるとブランクのある看護師が復帰するのに1番需要がある就業環境は、「常勤×有料老人ホーム」次いで「常勤×病院」とも言えそうですが、それぞれの就業先には「ブランクあり看護師」にとってメリットとデメリットがありますので簡単にまとめておきます。

病院

病院でのメリットとしてはその規模の大きさから研修制度が充実しています。再就職・復帰に向けて研修をしてくれたり、同じくブランクを開けて再就職をした人の成功例が聞ける可能性もあります。求人の絶対数が多いのもメリットです。デメリットとしてはやはり医療現場は日々進歩しているのでブランク期間中に変わってしまったことのギャップが大きくなりがちです。

クリニック

クリニックでのメリット医療提供期間でありながら基本的には夜勤がなく、生活のリズムを崩さす医療行為の感覚を取り戻すことが出来る点です。デメリットとしてはブランクのある看護師の求人が病院と比較するとやや少なくなることです。

その他施設

有料老人ホーム、デイサービス、保育園などの施設では医療提供はほぼなく、日常生活援助が主の業務になってきます。そのためブランク期間前後でのギャップは少ないのがメリットです。デメリットは施設に配属される看護師の人数が少なくいわゆる「ひとり職場」になる可能があるかもしれませんので復帰したてでは少し緊張してしまうかもしれないですね。介護職・幼児教育などが主体の業種なので医療系の研修がなかなか受けられないのが現状です。

訪問看護ステーション

平日のみの就業の場合が多く、訪問中は患者さんに1:1で向き合うので少しずつ看護師としての感覚や意識を取り戻すことが出来ます。医療行為は多くないのでブランク期間前後のギャップも比較的少ないと言えるでしょう。デメリットとしてブランク期間以前の経験が浅い方や、病棟に就業していなかった看護師は業務慣れするまで時間を要することがあります。

 

5.「ブランクあり看護師」に対するセミナーや再就職前に受けられる講演について

「ブランクあり看護師」がいきなり医療現場に復帰するのには技術や機器の進歩についていけないなどの苦労が予想されます。ブランク年数が長いほど、現代医療とのギャップが生じてしまいます。それが復帰を踏み止めてしまう1番の不安になる方が多くいると思いますが、そんな不安を少しでも軽減させるために日本各地で、復職希望者に向けて研修が開催されています。

研修の内容としては採血・点滴などの技術確認や、食事・排泄・移乗移動などの日常生活援助の再確認、フィジカルアセスメントや画像の読み方など多岐にわたり実施しています。研修の内容によっては座学のみならず実技・実習を開催もしています。では、その研修はどこで受講することが出来るのか2通りの方法を事例として紹介します。

日本看護協会は復職支援のために各都道府県のナースセンターにて定期的に復職支援(ブランクのある看護師へ向けて)研修を実施しています。開催情報はインターネットで確認することができます。ナースセンターは看護師の人材確保のために設置されているため、ハローワークとも連携しています。地方の方でも近くのハローワークで研修の開催情報が確認することができます。そして、ハローワークに「看護師の離職者」として登録しておくと、再就職支援を個別に受けることが出来ます。再就職しやすい職場の提案を受けたり、再就職で困っていることを相談することが出来たりするので心強いですね。(※参照:看護協会HP)

研修が充実している総合病院に内定を獲得し、再就職前研修を受講することも可能です。この場合はブランクがある看護師の受け入れ体制が整っている就業先を自身で見つけなければいけないため多少の労力がかかります。一例ですが、 IMSグループ西仙台病院千葉県立病院神戸協同病院などのHPで雰囲気がつかめるでしょう。

 

あとは、復帰前にセミナーなどに参加せずとも、潜在看護師向けのテキストを読むという方法も有効でしょう。住んでいる地域の関係や子育ての関係で開催されているセミナーに参加出来ない方もいらっしゃると思いますので、そんな方には「ブランクあり看護師」に向けたテキストがあります。テキストの中では医療技術や最新機器、再就職のポイント、再就職後によくあるトラブルや解決のコツなどについて記載されています。併せて基礎看護技術の手技テキストやフィジカルアセスメントのテキストを確認しておくことを推奨します。下記に復帰前に読んで欲しい推奨図書情報を記載します。

出版社情報:へるす出版 石塚睦子編集 「潜在看護師復職支援テキスト―職場復帰に不安を感じている方のために」
出版社情報:聖路加国際大学センター長小野寺久監修 「看護師のための早引き看護観察・アセスメントハンドブック」
出版社情報:インターメディカ出版 本庄恵子監修 「写真でわかる臨床看護技術1 アドバンス」
出版社情報:照林社出版 大吉三千代,川島みどり監修「ビジュアル基礎看護技術ガイド 写真でわかる!根拠がわかる!」
出版社情報:メディックメディア出版 医療情報科学研究所 「病気がみえるシリーズ」

 

ブランクあり看護師の復帰のポイント

看護師の再就職のためには様々な制度があるので是非活用しましょう。「ブランクあり看護師」の方は社会には必要とされていますし、盛んな再就職支援が行われていますので、 復職するかどうか迷っている方は、是非前向きにいきましょう。再就職支援という意味では、マイナビ看護師などの大手転職エージェントでも求人探しや復帰サポートなど、無料で様々なサポートが受けられるので参考にしましょう。