やっと憧れの看護師になった!でも、転職したい…と悩んでいる新卒の看護師の方は意外に多いのではないでしょうか?なかなか職場になじめない、プリセプターの指導についていけない、患者さまとうまく接することができない、希望と違う診療科に配属になった…など、1年目ならではの悩みがあるはずです。看護師という仕事はどの病院でも大変なものです。でも、もし心身の健康を保てないほどの悩みを抱えているなら…。思い切って「転職する」というのも一つの方法です。
「看護師1年目だけど本当に転職していいの?」「1年目で辞めて新しい入職先は見つかるの?」「1年目で辞めた場合の退職理由や志望動機はどうすればいいの?」などの不安や疑問もたくさんあるでしょう。ここでは新卒1年目の看護師の転職事情について説明していきます。
★看護師1年目で辞めたいと思う理由は?1年目に多い悩みは?
看護師の仕事はハードワークだと一般的に考えられていますが、実際に働き始めると具体的にはどのような悩みが生じるのでしょうか?特に看護師1年目は悩みが多いイメージがありますが、実際はどうなのかを見てみましょう。もちろん人それぞれ、職場それぞれに悩みは存在しますが、特に1年目の看護師に集中する悩みは、
1.先輩看護師との人間関係の悩み
2.患者さまとの接し方の悩み
という2点に集中するようです。非常に重要なポイントなので少し詳しく見てみましょう。
1.先輩看護師との人間関係の悩み
先輩看護師との人間関係は、1年目の新人看護師にとって無視できない悩みです。特にプリセプターとして専属で付いてくれる先輩との関係で悩む看護師は多いです。先輩が厳しい、先輩に無視される、先輩に怒鳴られる、先輩に意地悪される、先輩に看護技術を教えてもらえないなど、いろいろなトラブルが発生しています。プリセプターの先輩も指導者として新米のケースが多いため、先輩は先輩で上手に教えられずにいら立ち、そのいら立ちを後輩にぶつけてしまう場合もあるようです。
2.患者さまとの接し方の悩み
看護師は命を預かる仕事です。極度の疲労がたまり、意識がはっきりとしない状態で患者さまの扱いを命じられる1年目の新人看護師もいます。極度のプレッシャーで吐き気を覚えたり手足が震えてしまったり、いろいろと悩みが生じます。また、優しい患者さまばかりでなく心無い声を掛けてくる患者さまもいます。そうした患者さまとの人間関係で悩みを抱いてしまう1年目の新人看護師も存在しています。
このように看護師1年目には悩みが付きものです。しかし、その悩みを吐き出す場所、受け止めてくれる人が居ないような職場は腐っていると言っても過言ではありません。中には気に入らない新米看護師を、先輩看護師が全員で無視するようなケースもあります。特に中小規模の病院になると、新人を受け入れる体制が整っていない場合もあり、そのような病院ではつらいいじめに新米看護師が遭うケースもあります。心身ともに病んでしまい、せっかくの看護師キャリアが台無しにされる恐れもあります。
その手の病院に万が一自分が入ってしまったら、早々に見限って転職をした方がいいです。逆に1年以内にスパッと見切りを付けた人材の方が、新しく受け入れる病院の方も楽なのです。求人は「マイナビ看護師」などのような民間企業が運営する看護師専門の転職支援サービスを利用して探してください。求人はたくさんありますので思い切りが肝心です。
★看護師1年目の離職率は実際どうなの?
看護師1年目で辞めたいと思うほどつらくても、「入職1年目で辞めては駄目だ」という心理も働くからやっかいです。1年目で辞めたくなったらどうすればいいのでしょうか?実際に1年目にして病院を辞めてしまう看護師はどのくらいいるのでしょうか?
入職1年目にして病院を辞めてしまう看護師は、毎年確実に存在します。不幸にも新人を受け入れるだけの体制が整っていない病院に入社してしまっただけなので、早々に退社して構いません。実際、日本看護協会の調査では、『7.6%』の看護師が1年未満で退職したという統計が出ています(2016年度の数値)。この数値は研修設備と人材のそろった大病院も含めた数値です。恵まれた病院を除いた300床以下の中小病院ではもっと高い離職率が確認されており、10%を超えています。
また、日本看護協会が行った調査によると、500床以上の大病院に就職した看護師の1年未満の離職率は6.6%と全体の平均よりも低い数値が出ています。大病院ほど新人の研修に対して体制を整え、優秀な人材を配置している傾向があるといえるかもしれません。実際、国立病院の離職率は5.9%、公立病院は7.4%、日本赤十字社は6.7%といずれも平均より低い数字になっています。一方で中小の病院になると新人を受け入れる体制が整っておらず、プリセプターに回される人材も新人看護師の面倒を見ているゆとりが無く、厳しく当たってしまうという悪循環も確認されています。
仮に次の職場でも失敗をしたくないと思ったら、可能な限り大きな病院へ転職しましょう。大きな病院ほど看護師の囲い込みに頑張っています。新卒の積極採用とともに、第二新卒にも門戸を開いている可能性が高いです。求人は直接病院の公式ホームページでチェックしてもいいですが、「マイナビ看護師」などの看護師転職支援サービスを利用して紹介してもらってもいいです。転職支援サービスの担当者の協力を得ながら、可能な限り大きな病院に移る努力を開始してください。
★看護師1年目の転職の志望動機・退職理由はどうする?
看護師1年目で転職したとして、新しい職場で面接を行ってもらう際に志望動機をどうするか、悩んでしまうはずです。就職後1年以内の退職というキャリアはプラスではないので、そのキャリアを補う何か魔法のような志望動機があれば学んでおきたいです。並びに1年未満で退職した事実を正当化するような離職理由はあるのでしょうか?
結論から言いますが、就職後1年以内で職場を退職した場合、そのキャリアを彩る魔法のような志望動機や退職理由は、残念ながらありません。1年にも満たないキャリアでは何を熱っぽく語ってもアピールできる材料にはならないからです。
退職理由や志望動機は、嘘をつかずに正直に話してください。前職の教育制度についていけなかった、プリセプターのいじめに遭ったなど、退職理由を正直に語るしかありません。もちろん悪口はいけませんが、つくろったような退職理由と志望動機は採用担当者も山ほど聞いているので何のアピールにもなりません。「この人は、少なくとも嘘は付かないな」という印象を与えられれば御の字だと思いましょう。
前の職場では期待できなかった教育制度が新しい職場に整っていると思ったら、その通りに語るしかありませんが、その際、ちょっとしたこつがあります。
正直に語るという前提を踏まえた上で、三方良しの発想を盛り込んでください。三方良しとはこの場合、自分にも転職先にも患者にも、自分の転職がいい影響をもたらすという話を志望動機に盛り込むのです。例えば前の職場で得られなかった新人研修をしっかりと受けられそうだという本音があるとしたら、その通り語ってください。しかし、この志望動機には自分のメリットしか語られていません。新人研修を通じて一人前の看護師になり、転職先でチーム医療に貢献したいというような病院側への目配りも志望動機に盛り込む必要があります。さらに患者さまのメリットにも気が配れれば最高です。
ただし、余りにも理想的過ぎる志望動機は逆にうそ臭くなるので、その辺りは第3者に聞いてもらい、冷静な助言をもらいましょう。そのような相手が居ないのならば、民間企業の運営する看護師転職支援サービスを上手に利用して、担当スタッフに志望動機作成を手伝ってもらうといいです。
★看護師1年目の採用基準は?
看護師1年目でも心身を病んでまで継続する理由は全くないので、劣悪な職場は早々に辞めてしまった方がいいのですが、現実問題として次の職場探しに苦労をするというケースもあります。1年目を含む第二新卒の募集は出ているのですが、1年未満に前職を退職したという事実があるので多少マイナスからの採用面接になってしまいます。何か採用基準のような判断ポイントが事前に分かれば対策も取れるのですが、実際に1年目特有の採用基準はあるのでしょうか。
採用基準は各病院にあります。しかし、各病院とも異なった採用基準を持っているので、志望する病院それぞれにリサーチしていく必要があります。「どんな人材を欲しているかは、病院の風土や事情によって全く違う」という動かしがたい事実があります。一律に共通する採用基準は看護師の国家資格を持っているという点くらいで、後は本当にばらばらです。
とはいえ、各病院の採用基準は事前に知っておいて損はありません。採用側のニーズをあらかじめ把握できれば、そのニーズを自分が埋められる人材だと効率良くアピールもできます。ニーズが分かれば自分がその職場でやっていけそうか、いけなさそうかまで理解できます。1年目で退職した後に入職した病院で、さらに1年以内に退職してしまえばかなり状況は厳しくなります。二度と病院選びで失敗しないように病院のニーズ、採用基準はぜひとも事前に調査してください。「調査といっても」と思うかもしれませんが、1人でできないならば看護師専門の転職支援サービスを利用すればいいのです。
民間企業の運営する転職支援サービス「マイナビ看護師」などは、各病院の人材ニーズや採用基準を把握しています。転職希望者との面談を通じて、どの病院と相性が良さそうかも教えてくれますし、逆に合わなさそうな病院も教えてくれます。そのくらい情報が集まっているので、転職前に志望する病院の採用基準が知りたければ、上述のようなサービスを利用してみてください。
看護師1年目の転職、成功のポイントは?
1年目で転職する看護師は決して少なくありません。ただし、次の病院選びや、転職時の志望動機・退職理由の伝え方などが重要になってきます。自分1人ですべてをこなす自信がなければ、「マイナビ看護師」などの看護師専門の転職支援サイトに登録し、キャリアアドバイザーのサポートを得るとよいでしょう。1年目の看護師が重要視する「人間関係」「教育体制」などが実際にどうなっているか、応募したい病院が求める人材はどのようなものかなど、様々な情報を教えてもらえます。